こんばんは!
今日は、ちょうどいいところに下地がない場合でも、石膏ボード面にビス止めすることを可能にする、便利グッズ、いわゆるボードアンカーの使い方を、製品の詳細情報なども含めてご紹介しようと思います。
ボードアンカーとは? ☝
ちょうどいい位置に下地がない場合に、石膏ボードにビスやボルトで何かを固定するために、ボード側に予め仕込んでおく受け材です。
と言っても、昨今は色んなグッズが存在しているため、本気でご紹介しだすとキリがなくなってしまいますので、今回は最近のモノではなく、少なくとも数10年前から存在している息の長い製品の中から、筆者が最も信頼していて、常に在庫している製品の内「トグラー」という、筆者おすすめのボードアンカーのお話をメインで進めさせて頂きます。
※「トグラーアンカー」とも呼ばれているようです。
色んな便利グッズが存在していることは、ずいぶん前から認識はしているのですが、自らの手で使用することになった、25年ほど前から現在に至るまで、この「トグラー」については、特に不便や面倒を感じたとこもありませんし、もちろんクレーム対象になったようなこともありませんので、正直なところ、他の便利グッズを使ってみる機会がまったくありません。 😅
また、このトグラーは慣れてしまえば、何の心配もすることなく、何も考えずに施工できてしまう点もメリットかと思います。
筆者おすすめのボードアンカー「トグラー」の、製品情報から使い方や注意点などをご紹介する投稿になりますので、お時間が許されるようでしたら、ぜひご一読いただければと思います。🤗
230805追記
本文中にリンクを貼っている、Amazonさんのトグラー商品ページが、どういう訳だか開かれにくい状況が続いているのですが、勉強不足もあって、改善の仕方がまだ見つかっていません・・・ 😓
不便なページになってしまっており、大変恐縮なのですが、商品ページが開かない場合は・・・
お手数をお掛けしてしまうのですが、製品の品番と「トグラー」のキーワードで検索してみて頂けると有難いです。🙏
前置き
昨今は、壁や天井の表面のクロス下には、消費者側からすると非常に不便な「石膏ボード」が施工されることが当たり前になってしまっていますので、壁面や天井面に何かをビスで固定しようとしても、思うように固定することができない場合がほとんどではないかと思います。
石膏ボードがこれほどまでに広く使用されることになっている経緯などは、別の投稿のこちら「石膏ボード事情」で書いていますので、お手数なのですが、ご一読いただき、ご認識頂けているものとして、話を進めさせて頂きます。
これを背景に、特に最近は、色々とこの石膏ボード面にビスを留めるためのグッズ、つまりボードアンカーが販売されているのですが・・・、
説明書通りに設置してみても、おそらく中々上手くいかない😢のが現実ですよね?
そんな現実も踏まえまして、ここではDIYは初心者レベル(?)ではあるものの、一応はX級建築士であり、25年以上前から使用している、「トグラー」という、とある便利グッズをご紹介していきます。
ボードアンカーを使わずに、下地がない部分に、(後から)無理やり下地を入れる方法については、少々大げさな作業になってしまう場合もあるのですが、別の投稿「壁の中に下地を入れます」でご紹介していますので、ご興味がありましたら、そちらもご参照頂ければと思います。😌
トグラーとは?(トグラーアンカーとは?)
筆者が小学生くらいの時はすでにありましたし、そういう意味では、ずいぶん息の長い製品ですので、ご存じの方々も数多くいらっしゃると思うのですが、筆者が使用しているのは「トグラー」(もしくは「トグラーアンカー」)と呼ばれているボードアンカーです。
40年くらい前になってしまうのですが、工務店を経営していた父がよく現場で使っているのを覚えています。
筆者は小学生でしたので、袋から出して、穴あけが完了したら父に渡す・・・役目でした。😅
極端に言えば、釘を打ち込むのに何も考えずに「トンカチ(玄翁)」を当たり前に使用するかのように、詳しいことは一切知らずに、何も考えることなく当たり前のように使ってしまっていました。😑
WAKAI 中空壁用 トグラー T9.5 30本入り TG-95
これ👆は筆者が在庫していた「トグラー」なのですが、パッケージ上段の黒い部分に書いてある通り「WAKAI」さんの製品です。
蓋を開けると、こんな👇感じです。
だいぶ使ってしまったので、もう10本くらいしか残っていませんが、元々は30本入りです。
白いのがトグラー(トグラーアンカー)で、あずき色っぽい釘みたいなのが、後述するピンになります。
このピンはトグラーの嘴(くちばし)を開くのに使用する工具(?)になります。🙂
※詳しくは後述します。
それぞれを、ひとつだけずつ取り出して、必要以上に接写すると、こんな👇外観ですので、これが「トグラー」や「トグラーアンカー」などを呼ばれるボードアンカーということですね。
コメント通りですが、白いのがトグラー(トグラーアンカー)、あずき色の釘っぽいのがピンです。
ピンはここで説明していると、話が長くなってしまいますので、しつこいようですが、後述することにさせてください。🙏
ところで、以上👆が昔っから使っている筆者のトグラーなのですが、この度、この記事でトグラーをご紹介しようと思って、初めて「トグラー」とWEBの検索窓に打ち込んでみたことで、色んなことが分かりました。😓
以下、大事な点もあるのですが、お急ぎの方は以下の飛ばすボタンより、飛ばしてください。🙏
前置きが長くなってしまって申し訳ないのですが、実は、Wakaiさんのこれ👆とは別に、大元(おおもと)の「トグラー」はあるみたいなんです!😲💧
説明書とかがあるのかないのか・・・、そんな基本的なことすらも知らずにフツーに使っておりました。 💧
この場を借りまして、メーカーさんにお詫び申し上げたいです。 🙏
この「トグラー」は「中空壁用」ということになっていますので、原則、石膏ボードの裏側に空間がある場合を想定して設計されています。
言葉だけですと誤解を招くかもしれないのですが・・・
例えば、コンクリートやALC(軽量気泡コンクリート)壁、CB(コンクリートブロック)に直接モルタル等を塗って均して、これに直接クロスを貼っているような、無垢の壁には(原則)使えない、という意味です。
ただ実際には、筆者は中空ではない壁にも使ってしまっておりましたし、改めて説明書的な「技術資料」を読んでみたところによると、必ずしも中空壁だけに限定したボードアンカーではないようです。
とは言え、引き抜きの試験データなどは中空壁を想定した試料を用いて測定しているようで、無垢の壁に対して、どの程度の保持力があるのかは、数値化されていません。
少々微妙な印象もありますが、この投稿では石膏ボードで仕上げられた中空壁を前提に話を進めさせて頂きますので、予めご了解をお願いします。
また、この「トグラー」は中空壁用ということで、あくまでも「壁用」のボードアンカーとされています。
ちなみに、筆者手持ちの先ほど👆の「TG-95」の場合は、「天井使用不可」とどこかに明記されていましたが、筆者は過去に天井にも使っていた記憶がありますので、念のため、大元メーカーさん側にメールで確認してみましたところ、「不可」とまでは言わず、「推奨していない」との回答でした。
天井面ですので、無理はしない方が間違いはないのですが、どうしても天井で使う必要がある場合、落下しても大きな問題にはならないようなものについては、自己責任の範囲で使用してみてもいいのではないかと思います。
※くれぐれも自己責任でお願いします。 👊
大元(おおもと)のトグラー(トグラーアンカー)
大元の「トグラー」の情報はこの👉画像からお入りいただけます。
(大元トグラーのサイトのトップページです。画像は当該ページより引用)
詳細については、サイトの方でご確認頂くとしまして、ここでは概要とポイントになりそうな箇所のみご説明させて頂きます。
まず「トグラー」はボードアンカーの品名だと思い込んでいたのですが、ニュアンスが少し違いまして、そういう訳でもなく、「メカニカル・プラスチック社の傘下であるトグラー・アンカー・システム」ということのようですので、システムの名称のようなことのようです。🙃
(筆者の知る限り)40年前と同じ形状にしか見えないこの製品(もしくはこれに近い製品)は、50年以上前に当たります、1968年にはすでに製造・販売されていたようですね。🤧
※さすがの筆者も生まれる前です。🤯
WAKAI 中空壁用 トグラー T9.5 30本入り TG-95
2020年7/22追記
WAKAIさんのトグラーとの違いについて、メーカーさん(大元のトグラー)側に問合せを入れてみましたところ、WAKAIさんは販売店のような位置付けのようで、大元のトグラーからWAKAIさんに卸しているだけ・・・とのことでした。
ですので、モノとしては同じモノと考えていいみたいです。 🤗
以下、この大元の「トグラー」の製品説明をしていきます。☝
少々長くなりますので、お急ぎの方は以下のボタンより、次の章にジャンプしてくれてもOKです。
ただ、使用上の注意事項などのお伝えすべき大事な点も飛ばしてしまいますので、くれぐれもご注意願います。
先ほどの筆者手持ちの「トグラー」。
品番は「TG-95」と記載されていたのですが、「トグラー・アンカー・システム」側での品番は違いまして、サイズや形状などから、以下のような区分けになっているようです。
小さくて見づらいと思いますので、必要に応じて、この👆表の画像をクリックしてみてください。
もうちょっとだけなんですけど、大きく表示されますので。😅
定かではないのですが、このカタログと先ほどのWAKAIさんのトグラーのパッケージを見る限り、WAKAIさんのトグラーでは「サイズ」欄に書かれている「T9.5」というのが、大元のトグラーの品番に当たるみたいですね。
トグラーの使い方とトグラーの仕組み
あまり上手いタイトルが思いつきませんでしたが、要するに、「トグラー」がどのようにボードに利くのか?という観点のお話です。
本稿後半で実際の施工画像でもご紹介はするのですが、話の流れ上、ここでも軽く触れておく必要がありますので、先の「トグラー・アンカー・システム」さんサイトから引用させてもらった、以下👇の画像にて、簡単にご説明しておきます。
まず、左上「1」はトグラーの外観を示しています。
(中央の白いモノがトグラー)
右側から指を差している中央部分を押しながら、上下に開いた白い部分を閉じると、差し込める形状に窄まり(すぼまり)ますので、「2」のように窄ませた(スボませた)状態で、先行して孔けておいた穴に差し込みます。
少し認識しにくいかもしれない💧のですが、中央縦がボード断面で左側から右側に向けて差し込み、左側から玄翁(げんのう)←トンカチで押し込んでいる絵のようです。
実際の写真で補足しますと、こんな👇感じ。
※左右が逆になってしまって、申し訳ないです・・・。🙏
開いた状態が正ですので、だいぶ強めにつままないと、スボまらないのですが・・・。😑
左下の「3」では、ボード面に差し込んだ「トグラー」に対し、同封されている「ピン」を差し込むことで、先端が「くちばし」状に開くイメージが描かれています。
※図中では「ピン」を「キー」と表現しているようです。
次の右下「4」は、固定したいものをビスで固定しているイメージなのですが、ビスを打ち込むことで、ボード裏面にて先端が完全に開くかのような印象を受けるのですが、「3」のピンの差し込みにより「4」のこの形(元の形)になるまで開く・・・のが原則だと思われます。
※ビスを打ち込むことで結果的に開くことにはなると思うのですが・・・
元の形(「4」の形)まで完全に開くことにより、上下の動きに対して、この「トグラー」踏ん張れる形ができ上がる・・・という仕組みになっています。 🤔
なお、実際には、孔けた穴の周辺のボード自体の強度にも拠るのですが、このような形で踏ん張ることで、試験値では引っ張り強度の最低数値で見ても30kgfは出るようですので、ちょっとしたモノを壁に固定するくらいであれば、十分過ぎる耐荷重になっています。👌
カタログ下段の数値は試験値のようですので、実際に掛ける荷重(耐荷重)は、表の数値の1/4くらいでお考えいただいた方が間違いありません。 😉
具体的な数字については、次項のカタログ抜粋👇の下段に掲載されていますので、見てみてください。
トグラーの製品の詳細と判断基準
今一度、先ほどのトグラーカタログからの抜粋に戻ります。
先ほどもご紹介したこの👆画像は、「トグラー・アンカー・システム」さんのカタログ中、「トグラー」部分だけを抜粋している画像なのですが、この「トグラー(トグラーアンカー)」だけでも、「最適壁厚」や「ネジ径」、「ネジ長さ」、「サイズ」などによって、6パターンほどの製品が存在することが分かります。
上段の5点「TA」から「TD」は、ビスを打ち込むための一般的なボードアンカー。
※この五種は、基本的にサイズによる区分けのようです。
6行目の「TH」については、以下👇のように予めフックが付いているような形状のようで、トグラーの中でも「特殊アンカー」として別のページが用意されていますので、ここでは主に上段5点「TA」から「TD」について読み解いていきます。
以下の項は、先の表👆の内、最上段の薄水色の行、5項目についての補足説明になります。
ご存じの方は読み飛ばして頂いて結構です。 😅
最適壁厚 について
まず最初に、ここで言う「最適壁厚」は実際の壁全体の厚みではなく、「壁に貼られている面材の厚み」という意味ですので、少し考えれば認識できると思うのですが、文字通りではありませんので、ちょっと注意が必要です。
つまり、一般的な石膏ボードの壁であれば12.5mm厚のボードが使われているのですが、ここでいう「最適壁厚」の列から選定するとすれば、ここでは「TB」という商品名のモノが最適に当たるという意味です。
マンションなどにお住まいの方や、一般的な2F建て木造住宅の場合は、特殊な場合を除き、この「トグラーTB」が最適ということになります。😊
3F建の木造住宅にお住まいや、準耐火仕様の木造アパートなどの場合は、15mm厚のボードが使われているケースもありますし、例えばキッチン廻りキッチンパネルが施工されている面などの場合は、12.5mmボードに一般的なキッチンパネル厚が3~6mmですので、その場合は「TC」が最適。
「TD」については「25mm~」となっていますので、面材がさらに厚い場合に使用する製品。
想定される個所としては、マンションなどの場合でお隣のお宅に面している壁が「乾式の界壁」である場合や、木造であっても耐火仕様の場合など、ちょっと特殊な場合が想定されているようです。
ちなみに、マンションのお隣との境の壁については「界壁」という扱いになっていますが、通常この壁は共用部ということになっていると思いますので、本当は、ボードアンカーなどを打ち込むべき壁ではありませんので、ご注意願います。 ☝
メーカーさんの技術資料も併用して見てみつつ、個人的な見解を交えて整理しますと、以下のように整理できます。
※後半のリンクはAmazonさんの商品ページへのリンクになります。
- TA:3~6mm用 WAKAI トグラー TA 50本入
(薄ベニヤ、薄手パネル等) - T9.5:9~11mm用 WAKAI トグラー T9.5 30本入
(石膏ボード9.5mm、ベニヤ9mm等) - TB:11~13mm用 WAKAI トグラー TB 30本入
(石膏ボード12.5mm、ベニヤ12mm等) - TC:15~19mm用 WAKAI トグラー TC 26本入
(石膏ボード15、12.5mm+薄パネル等) - TD:25mm~用 WAKAI トグラー TD 8本入
(石膏ボード12.5×2枚、12.5+15mm等)
実際は、この面材の種類や厚みを読むことも難しいのではないかと思いますが、いわゆる「下地探し」を使用して下地の深さを読むことで、逆に面材の厚みが把握できるような気もしますので、こういう工具をお使いになられて、ご判断いただくことになろうかと思います。🤔
ネジ径 について
使用するネジ径(太さ)は、直径4~5mmか直径3.5~6mmの二通りのサイズ設定しかありません。
・・・と言っても、通常使用されるビスはこの径の範囲に収まっていますので、基本的な径は網羅されていると言えます。👍
「TA」のみが直径4~5mm用とのことですので、少々範囲が狭めなのですが、その他「T9.5」~「TD」については直径3~6mmの範囲内で融通が利くつくりになっています。😊
ネジ長さ について
6パターンの長さ表記がされていますので、一見シビアな設定にも見えるのですが、基本的に「取り付ける部材の厚み+壁の面材の厚み+20~21mmほど」と定義されているようです。
「TD」については、例えば面材が40mmとかの厚みになる場合でも「48mm+取り付ける部材の厚み」ということになるようですので、この「TD」と、その下の「TH」だけは注意が必要です。☝
下穴径 について
下穴径はすべて「8mm」の設定、つまり基本的に「直径8mm」のドリルビットを使って穿孔すればいいということになりますので、ここは非常に分かりやすいですね。🤔
面材が固めの場合に限り「直径9mm」のドリルビットを使用して、穿孔する必要があるということです。 ☝
この点については、要するに、石膏ボードの場合、8mmキッカリで穿孔したつもりでも、実際はボードがボソボソですので、「トグラー」を差し込む際に、穴が多少広がることが予め想定されているということですね。
固めの面材(例えばベニヤやサイディング等)では、8mmキッカリの穴を孔けると、無理やり頑張ったとしても、せいぜい8.2mm弱の径のモノしか差し込めませんので、おそらく「トグラー」自体の径が9mm強ほどで製作されている、ということなのだと思います。🧐
壁裏必要空間
既述の通り、そもそもの大前提としまして、「トグラー(トグラーアンカー)」は「中空壁」にしか基本的に使用できない・・・ということになっているのですが、その「中空」部分の最低奥行について規定しているのが、この「壁裏必要空間」です。
「トグラー」は前掲の画像、左下の「3」と右下の「4」のように、(基本的に)ボード裏で開くことによって、アンカーとしての踏ん張りを利かす仕組みになっていますので、「開くためのスペース」が基本的に必要で、その最低寸法についての記載がこの部分になります。
☝ 開かずに保持できそうな記載もありますが、試験結果の数値がみつかりませんでした。
基本は19mmの奥行きが必要で、「TA」のみは13mmでOKということのようです。
トグラーで固定できるものと耐荷重
メーカー(トグラー・アンカー・システム)さんサイトで推奨されている、「トグラー」で固定できるモノの例を以下に引用しますが、基本的に重量物は想定されてはいません。
※一部よく分らない例もありますが・・・
タオル掛け、警報、電話と電話用ジャック、ドアミラー、表示板、スピーカー用マウント、棚、 カーテンレール、配電箱、カーテン類、照明器具、キッチン・バス備品、航海道具、煙感知器 ←以上
具体的な数字でご紹介しますと、既述の「トグラーの仕組み」下段でご紹介した通り、カタログの表で見る限り、試験値としては、「T9.5」の引っ張り強度の最低数値で見ても「30kgf」。
実際の耐荷重としては、一般的にこの数値の1/4でみますので「7kgf」ほど。
つまり、平たく書くと、質量7kg相当の引っ張りには、このトグラーひとつで耐えうる・・・という試験結果だという意味になります。
ただ、実際にはトグラーの耐荷重よりも、石膏ボードがどこまで耐えうるか・・・ということの方が大きい問題のはずですので、そういう意味で、さほど重そうなものは記載されていない、ということなのかな・・・と思います。🤔
なお、壁面での使用になりますので、掛かる荷重は、本当は「引っ張り」よりも「せん断」の数値を見た方が適切ですので、具体的に検討される場合は、先のカタログ画像内の「せん断」の数値でご判断いただくことになります。
※一番小さい数字が「引っ張り」でしたので、この数値をご紹介しただけです。
簡単に言うと、「引っ張り」は「トグラー」を穴から引き抜くイメージの力で、「せん断」はトグラーをへし折ろうとする方向のイメージの力の数値を示しています。
文字だらけの項になってしまって申し訳ないのですが、最後に、個人的に適さないと思われるものを数点挙げておこうと思います。
あくまでも個人的見解なのですが、例えば、トイレのペーパーホルダー、手摺、テレビなどの固定。
※あくまでも、面材が石膏ボードの場合です。
要するに、一時的にでも大きめの荷重が掛かる可能性がある部分(ペーパーホルダー、手摺)や、耐荷重内であっても、常時その荷重が掛かってしまう箇所で、万が一外れた時に大変なことになってしまう可能性のある部分(テレビ)などには、筆者なら使いません。☝
これは、この「トグラー」が信頼に値しないとか、そういう話ではなく、そもそも所詮ボードアンカーですので、これにすべてを負担させようとすること自体がナンセンスだからです。😬
どんな優秀なボードアンカーであっても、所詮ボードアンカーですし、昨今はボードを硬化させるような薬剤を使用するアンカーも存在しているのは事実なのですが、石膏ボードのスカスカ感を根本的に変えることはできないはずですので、アンカー自体が優れていても、一時的な大荷重や常時荷重により、石膏ボードが次第にグズグズになってしまって、脱落してしまう可能性を拭い去ることはできませんので、この点についてはご注意願えればと思います。😕
石膏ボードのボソボソ具合は、もう少し読み進めて頂くと写真も掲載してあります。😉
※次の次の次の次くらいの画像の辺りです。😅
実際のトグラー(トグラーアンカー)の使い方
ここでは、筆者が実際に施工した時に撮影しておいた写真を用いながら、トグラーの使い方(打ち方)について、もう少し具体的にご説明していきます。😉
その他のボードアンカーの使い方についても、準備はしておりますが、今回はこのおすすめボードアンカーのトグラーの使い方解説までとさせて頂きます。
トグラーの形状確認
筆者の手元にあるのは、先ほどもご紹介しました通り、WAKAIさんのトグラーTG-95になりまして、外観は以下👇のような感じです。
※ピンを差していませんのでトグラーの純粋な外観です。
WAKAI 中空壁用 トグラー T9.5 30本入り TG-95
何かいい表現があればいいのですが、正直なところ何とも言い難いフォルムです・・・😓
写真では見づらいと思うのですが、手前側の円形の部分中央にビスを打ち込む穴がありますので、あちら側(10時方向)が壁に差し込まれる側です。
一見、どうやったって差し込みようがない形状に見えますよね? 😅
・・・なのですが、前掲の写真でご紹介しました通り、この👆形状は、言わば、アヒルが嘴(くちばし)を上下180度に開いたような状態ですので、この嘴(くちばし)先端をつまんで閉じさせると以下👇のような形状になります。
実際には、もう少し窄ませて(すぼませて)、先の画像👆の右上「2」のような形状にしないと、先行して壁ボードに孔けておいた穴への挿入はできません。☝
トグラーの下穴穿孔
それでは、概ねの形状が把握できたかな・・・と思いますので、実際のトグラー(トグラーアンカー)設置作業の具体的な解説に入っていきます。 👊
固定したいモノの位置を決め、位置出しができたら、ビスを打ち込みたい位置を決めて8mmドリルで穿孔することになります。
穿孔する面材が石膏ボードやベニヤなどの場合は、以下👇のような木工用ドリルビットが最適です。
また、石膏ボードであれば、だいぶスカスカな素材ですので、鉄キリやコンクリート用のキリでも代用はできるのですが、この「トグラー」に限らずボードアンカーの保持力は、(原則)周囲のボードをなるべく傷めないことによって初めて発揮されるものですので、とにかく「スパッ」とした穿孔が好ましいです。
木工ドリルビットは何本あってもいいのですが、一本ずつだとやや割高ですので、別の投稿になるのですが、「下穴と下穴ドリルについて」のこの辺りでご紹介しているような、径の違う数本がセットになっているタイプでも構いません。
平たく言えば、8mmの木工用であれば、何でも大丈夫です。
但し、トグラーの場合は、なるべくスパッと孔けられるようなタイプがベターです。👌
ちなみに、周知のとおりかもしれないのですが、石膏ボードは、昔お風呂場にあった「軽石」と、お絵かき用「チョーク」を掛け合わせたような、「スカスカ」感と言いますか、「ボソボソ」感と言いますか・・・
とにかく頼りない面材ですので、何も手を加えなければそれなりの強度は保たれはするのですが、上手く穿孔しないと穴の周囲がグズグズになってしまって、「トグラー」の本来の保持力を発揮できないことになってしまいますので、穿孔作業はくれぐれも注意してやるようにした方がいいです。☝
メーカー(トグラー・アンカー・システム)さんの謡では、「直径6mmドライバーで代用可能」的な記載もあったのですが、筆者としては、ぜったいにお勧めはしません。😤
とにかく「スパッ」と孔けるよう、心掛けるようにしてみてください。😉
トグラーを下穴に差込む
以下のように、8mmの穿孔が、スパッとできましたら・・・
次は「トグラー(トグラーアンカー)」を、壁の穴に差し込みます。💨
仮に穿孔に失敗して、スパッと孔かなくても、差し込むしかありません・・・ 😓
あまりにボソボソになってしまった場合は、筆者なら3cmほどズラして孔け直しますが、固定するものが小さくて隠し切れないようなケースもあるかと思いますので、その場合はやむを得ず、そのボソボソ穴を使うしかないことになります。
この写真👆は完全に差し込んでしまった後の様子なのですが、トグラーは首周りに、以下👇のように爪が4本立っていますので、手で差し込んだだけですと、通常はボード面から3mmほど出っ張ったところで一度止まります。
また、筆者の汚らしい手が写ってしまっている先の画像になるのですが・・・ 😓
「トグラー」の爪が認識しやすいように、明度を補正して拡大してみたのが、この👆画像です。
ちょっと認識しづらい気もしますので、別の写真👇もお見せしておきますと・・・。
90度ピッチで4か所に爪が立っているのが、何となくでも把握できますでしょうかね・・・ 😅
トグラー本体の補強材的な役割もありそうな、添え柱のような爪が立っています。
3mm程度出っ張った状態まで差し込めましたら、この爪をボードに突き刺していくイメージで、玄翁(げんのう)←要するにトンカチ等で、軽く「コンコンっ」と叩いて、以下のように、ボード面とほぼ同一になるまでさらに押し込みます。
(最終的には丸の部分の厚み0.5mmほど分しか出っ張りません)
ここまで挿入できたらトグラーの設置は概ね完了ですので、付属のピンを差し込んで、壁内部で嘴(くちばし)を開かせることになります。
WAKAI 中空壁用 トグラー T9.5 30本入り TG-95
トグラーのクチバシを開く
ボード裏の見えない状態で、このトグラーの嘴(くちばし)を開かせることになるわけですので、想像に頼るしかないのですが・・・
ピンをむやみやたらに差し込むだけでは、あまり健全ではありません。😅
トグラー・アンカー・システムさんの技術資料内に認識しやすそうなスケッチ👇を見つけましたので、ここで引用させて頂きます。
ここでは、筆者が「嘴(くちばし)」と表現している部分が「羽」と表現されていますが、面材が想定よりも薄い場合、左端👈の図1のように嘴(くちばし)が開き切りません。
このような状態の場合は「最小の保持力」しか発揮できない、とのことですので、右端👉の図3に示されたような形に、嘴(くちばし)を開かせるようなイメージで、ピンを差し込む必要があるとのことです。🤔
新たに解説用写真を作りましたので、以下👇もご覧いただきたいのですが・・・
ピンで押す前の壁内でのトグラーのクチバシは、一枚目のような半開きの状態です。
写真中👆の右中段ほどに書き込んだ、矢視先の個所をピンで押していきますと、以下👇のような感じにクチバシが開くような構造になっていますので、完全に開き切る形をイメージしながら、押していく・・ということになります。
先の図とは左右が逆になってしまいましたが・・・
この形に最大限に開かれることで、図3の状態になりますので、最大限の保持力が確保できることになるというわけです。👍
見えない部分ですので、100%の施工は難しいとは思うのですが、この形状をイメージすることで、少しでも健全な開き方になるよう、調整してみてください。 😉
ピンの差し込みについては、無理やり突っ込むと、「トグラー」の破損に繋がりますので、力の入れ具合には注意しましょう!
トグラーの使い方としましては、以上となります。😐
なるべく分かりやすいように・・と配慮はしたつもりなのですが、お分かりになられましたでしょうか・・・ 💧
トグラーの設置後
ピンを差し込んで、トグラーの嘴(くちばし)がうまく開けましたら、あとは固定すべき部材をビスで取り付ければ完了となります。 👍
嘴(くちばし)は上下に開くように設置するのが、たぶん正解ですので、差し込む際は上下左右の向きにも注意してください。 ☝
カタログ上の試験結果を見る限り、嘴(くちばし)の開き方向にはあまり違いはないように見えるのですが、物理的な観点から、個人的には、トグラーの嘴は上下に開かせる方が健全だと思っています。 😉
ちなみに、前👆写真は一年ほど前の投稿「突っ張り棚を補強します①」にて、ご紹介した箇所と同じ箇所になります。
「取急ぎ」の施工だったこともあって、グダグダな施工結果でしたが、前回は(後から)無理やり入れた下地に固定したところを、今回のボードアンカー「トグラー」を紹介するために、敢えてトグラー固定に切り替えつつ、もう少しキチンとした形に直した形です。
前回、(後から)無理やり入れた下地が落ちてきた・・・などということではありませんので、念のため、補足しておきます。 😅
今日のまとめ
今日は、丁度いい位置に下地がない場合でも、石膏ボード面にビスでの固定ができるビス止めグッズ01ということで、ボードアンカーの中から、筆者おすすめのボードアンカーとしまして、25年以上愛用しているトグラーの使い方を含めた、トグラー自体のポテンシャル(?)のご紹介をして参りました。
長くなって申し訳ありませんでしたが、個人的には、何も考えることなく当たり前のように使っていた「トグラー」に色んな種類があることが分かったりして、いい勉強になりました。 😅
最後に、トグラーの使い方と考えた場合の、主なポイントをまとめておきます。☝
- 「トグラー」は中空壁にしか(原則)使えない。
- 選定の際は面材の厚みと裏の空間の空きを知る必要がある。
- 面材への穴は直径8mmとし、硬い面材の場合のみ9mmを使用する。
- 穿孔は極力「スパッ」と穴が孔くよう注意する。
- 嘴(くちばし)の開き具合をイメージしながらピンを差し込む。
また、ピンを無理に差し込みすぎないよう注意する。 - 耐荷重は試験値の数値の1/4ほどを目安と考える。
- 天井面は推奨されていないか施工不可につき、自己責任となる。
- 一時的にしか耐荷重を超える荷重が掛からない箇所でも使用は避ける。
- 耐荷重内でも常時大きめの荷重が掛かり、脱落した際に大変なことになる可能性のある個所への使用は避ける。
- 石膏ボードはとにかくボソボソの素材につき過度な期待は禁物。
そんなところでしたでしょうか・・・ 😑
冒頭にも書きました通り、しつこいようですが・・・
筆者はそこそこ昔から「トグラー」を使っていて、不便を感じたこともなければ、クレーム対象になったこともありません。😤
金額的にもお手頃ですので、この「トグラー」をぜひお試しいただけると嬉しいです。😁
- TA:3~6mm用 WAKAI トグラー TA 50本入
(薄ベニヤ、薄手パネル等) - T9.5:9~11mm用 WAKAI トグラー T9.5 30本入
(石膏ボード9.5mm、ベニヤ9mm等) - TB:11~13mm用 WAKAI トグラー TB 30本入
(石膏ボード12.5mm、ベニヤ12mm等) - TC:15~19mm用 WAKAI トグラー TC 26本入
(石膏ボード15、12.5mm+薄パネル等) - TD:25mm~用 WAKAI トグラー TD 8本入
(石膏ボード12.5×2枚、12.5+15mm等)
・・・とは言え、色んな便利グッズが存在する昨今ですので、もし迷われるようなことがあるなら、圧倒的な施工実績を誇る、筆者のおすすめボードアンカーのトグラー(トグラーアンカー)も試してみて頂ければと思います。😉
本日も長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂きいただき、どうも有難うございました。
心より御礼申し上げます。 🙏
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