今日は、建築図面の略語表記の中、平面図や不動産広告等の間取り図で見られる、主に室名などの平面関係の略語を整理しようと思います。
※その他図面で見られる略語についても準備中です。👌
これも明確な規定がある訳ではありませんので、設計屋や工務店さん、住宅メーカーさん等によって、微妙にニュアンスが違ってくる場合があります。
ですので、ここでは筆者の建築図面における略語と、過去に見たことのある略語を元に解説していきます。
色んなところで書いていますので、しつこいようなのですが・・・
筆者は、四半世紀ほどは、建築の設計業務にほぼ専門で携わっていますので、的外れな内容になることはないはずです。👍
ぜひ参考にして頂ければ幸いです。🤗
ちなみに、思いつく限り片っ端から挙げていきますので、とにかく沢山になるはずです。💧
この記事を見ていただければ、建築の平面図系に示される全ての略語の意味が分かる!ような一覧表レベルにしたいためです。😅
以下👇のリンクは、平面図に拘らず、建築意匠系図面の略語を、一覧的にアルファベット順にまとめたページへのリンクです。🙌
だいぶ便利な気がしますので、合わせて、ご活用いただければと思います。😁
※設備的な専門略語は、一般の皆さんにはあんまり関係ないと思われるため、入れていません。☝
以下👇の目次から、各項目にジャンプすることができますので、ぜひご活用ください。😉
※各項目末尾に「目次に戻る」ボタンも設置してありますので。
建築図面に略語が用いられるワケ
建築図面や間取り図には、略語や英語表記を用いる場合があります。
一般の方々には逆に伝わりにくくなってしまう場合もあるのですが、この理由(ワケ)について、先に書いておきます。
日本語で書いた方が「カッコ悪い」などと考えているお若い方もいらっしゃるのも事実です。
漢字表記だけで仕上げられた建築図面の場合、固っ苦しく見えてしまいますので、確かにそのような一面もあるのですが、実際は、必要で的確な情報をなるべく多く書き込むために、略語や英語表記が用いられているというのが、大きな理由(ワケ)のひとつになります。
例えば、一番わかりやすいのは、以下の最初に計上している「LDK」。☝
日本語表記でいきますと、漢字で「居間・食堂・台所」となるか、カタカナで「リビングダイニングキッチン」となりますよね?
その室が「LDK」であることを伝えるために、このパソコンの入力画面上を定規で測ると、漢字表記は「29mm」、カタカナ表記は「53mm」も占有してしまいます。
全角での「LDK」表記でも、同じように計ると「12mm」ほどで済んでいますし、半角の「LDK」とすれば、たったの「8mm」の巾で、「LDK」であることを伝えることができる訳です。👌
また、カタカナであれば、「リビングダイニングキッチン」は、半角で「リビングダイニングキッチン」とも表現できるのですが、同じように計ると「36mm」ほどになりますので、占有する巾で見れば、「LDK」表記の4.5倍もあることになりますから、なるべく的確な情報を書き込みたい我々としては、占有巾の少ない略語、「LDK」を採用することになるワケです。🤔
あくまでも、建築設計の観点からの理由ですので、不動産業界で用いられる「間取り図」だとニュアンスがやや違うかもしれません。☝(念のため・・・)
紛らわしくって分かりにくい略語もあるのは事実ですので、その場合はご容赦いただくしかないのですが、そんなことで略語や英語が使われているワケ(理由)ですので、ご理解いただけると有難く思います。🙏
建築図面の略語シリーズ目次
まとめ始めて気付いたのですが、建築図面上で、我々はすごい膨大な数の略語を使っていたんですね。😵
これでは一般の皆さんには分かりにくいはずです。😞
- 第一弾:平面図系の略語解説 👈 今回
- 第二弾:立面・断面図系の略語解説
- 第三段:建具関連の略語解説1/2
- 第四段:建具関連の略語解説2/2
- まとめ:略語解説アルファベット順(NEW)
まだ準備段階なのですが、UPでき次第、ここ👆にリンクを貼ろうと思っています。😉
なるべく、認識しやすいようにまとめていきたく考えておりますので、予定までは分からないのですが、ご興味のある方は、どうか気長にお待ちいただけると有難く思います。🙏
平面図などの「室名」に係る略語
さて、長くなりそうなため、なるべくよく見かける略語から始めたく思いますので、建築平面図などで特に重要となる、「室名」からスタートさせて頂きます。
前半は「居室」関係、中盤で「居室」ではない「非居室」、後半で「水回り」や「収納」関係・・という感じで、大きめのモノから小さめのモノ・・というイメージの順番でご説明していきます。💨
建築平面図系の「居室」関係の略語
では、建築図面に見られる、ありがちな「室名」の中から順を追って、計上していきます。
「居室」という言葉については、解説していると長くなってしまいますので、正確には後日整理しますが、ここでは仮に「継続して人が生活したり、作業したりする部屋」とします。
原則として、法的に、採光、換気、排煙などの要求が出てくる室になります。☝
とにかく沢山になりますので、個々の解説が、ややぶっきらぼうになる可能性がありますが、ご容赦頂けると有難いです。😅
LDK
後述もしますが、英語表記ですと「Living Room・Dining Room・Kitchen」になりますので、この位は皆さんもほぼご存じだと思われる「リビング・ダイニング・キッチン」を指す略語になります。
要は、居間と食堂、台所までを一体の空間とした室を示す略語です。
読み方については、敢えて書くほどではないと思いますが、「エルディーケー」ですよね。😊
BR
英語表記ですと「Bed Room」ですので、読みは「ベッドルーム」、つまり寝室を示す略語ということになります。
通常は「和室」でない、ただの個室を指しますので、通常の場合はいわゆる「洋室」であることが多いです。
読み方としましては、単純に「ビーアール」で大丈夫ですが、平面図を目の前にして話している場合は伝わるものの、ただの街中でのよもやま話の中で、いきなり「ビーアール!」では伝わらない場合があります😅ので、「ベッドルーム」と読んだ方が間違いないかもしれません。👌
MBR
英語表記で示しますと、「Main Bedroom」か「Master Bedroom」ですので、カタカナ表記ですと「メインベッドルーム」 か「マスターベッドルーム」ということになります。
つまり「主寝室」を示す略語ですね。
要は「主な寝室」ですので、住宅であれば、最も条件がいいか、室面積が広い寝室を示します。
一般的には夫婦の寝室か・・、もっと広めに確保できれば、二つに分けて子供部屋としても使えるよう配慮したりもする室になります。
JR
筆者なんかは「JR」と聞くと、いつも旧国鉄を思い出してしまうのですが・・・ 😅
同じく英語表記から入りますと、「Japanese Room」になりますので、カナ表記では「ジャパニーズルーム」となります。
つまり、当たり前ですが、旧国鉄の「JR」ではなく、ただの和室を示す略語ですね。😑
「和室」については、建築士としての習性上、語りだすと長くなってしまいますので、多くは語りませんが、昔ながらの「和室」ではない、最近の「和室」👆も和室ですので、「JR」になります。
洋室の一角にある畳コーナー的な空間👆は、和室ではありませんので、「JR」の略語で表現されることは少ないと思うのですが、「JR」と書かれている場合は、「畳コーナー」のような空間を意味しているものとお考えいただければいいのかな、と思います。
ただ、この写真👆だと、建具で仕切られていますので、この場合はLDKとは別の「和室」と見なされますので、「JR」と表現されるべき空間になります。
GR
英語表記ですと「Guest Room」。
カタカナ表記で「ゲストルーム」ですので、日本語だと「客間」を示す略語になります。
来客時など用に確保しているお部屋ですね。
LとDとKに関する補足
前半の「LDK」という略語の項で、概ねのご説明はしましたので、ご認識いただけているものと思うのですが、念のため、個別の「L」、「D」、「K」の意味と、これらの組み合わせによる略語の意味について、ザッと補足します。
L
英語表記で「LivingRoom」ですから、カタカナ表記は「リビングルーム」。
要は、日本語では「居間」という意味を示す略語です。
D
英語表記で「DiningRoom」ですので、カタカナ表記は「ダイニングルーム」ですね。
日本語で表すと、「食堂」という意味を示す略語ということになります。
K
英語表記で「Kitchen」ですから、カタカナ表記は「キッチン」。
日本語表記ですと、要は「台所」という意味を示す略語です。
LD
既述の「LDK」の部分と重複しますが、英語表記は「Living Room・Dining Room」、カタカナ表記は「リビングダイニング」。
日本語で言う「居間」と「食堂」を一体の空間とした室に使われる略語ということになります。
ちなみに、通常は、壁や建具で両空間が仕切られていない場合を一体の部屋として考えます。
各社でニュアンスの違いはあるのですが、8帖超くらいから「LD」と呼び、それ以下の広さしか確保できない場合は「D」のみで表現される場合が多いです。
と言っても、最近は結構何でもかんでも「LD」と書かれている気もしますが・・・ 😓
DK
ここまでくると分かり切っていると思うのですが・・・😅
英語表記だと「Dining Room・Kitchen」ですので、カタカナ表記では「ダイニングキッチン」。
つまり、「食堂」と「台所」を一体の空間とした室に使われる略語です。
一体か/一体じゃないか?の判断については、前項と同じ判断基準になります。👍
建築平面図系の「非居室」関係の略語
次に、原則として、法的に「居室」扱いにならない、「非居室」に分類されるお部屋の略語をまとめます。
水廻りや収納関係は別に、後半で整理していますので、「付属室」的な意味合いのお部屋(室)に使われる略語がメインになります。
N
この「N」は英語表記ではなく、純粋な日本語のローマ字表記の略語になりまして・・・
「納戸=Nando」の略語になります。
※念のためですが、読み方は「なんど」です。
要は、「物置部屋」という意味での「納戸」の略語ということになります。☝
ただ、実際の使い方としては、純粋な「物置部屋」でなくても、「居室」としての法的要求が満たせないだけの「居室」に対して、「N」と表記したり「納戸」と表記したりする場合もあります。
物置なんだからエアコンなんか要らないよね?などと言われてしまうと、居室としては使えなくなってしまいますが、そもそも法的要求が満たせない「室」になりますので、話の筋から言えば、本当は居室として使用すること自体、健全でないことは言うまでもありませんよね。😓
AT
英語表記ですと「Atelier」、カタカナ表記で「アトリエ」を示す略語です。
「書斎」的な意味合いの室(お部屋)にも用いられることがあります。
「書斎」や「アトリエ」は、解釈が分かれる部分なのですが、広い室であれば、「居室」扱いになって、法的要求が出てくる場合もありますので、居室/非居室の判定はケースバイケースになります。
※どちらかというと、居室扱いになる場合の方が多いです。
DEN
この「DEN」は意味が分かりませんし、お客さんに伝わりづらいので、筆者は使わないのですが、既述の「N=納戸」や「AT」、つまり「アトリエ」や「書斎」的な意味で使われている略語のようです。💧
昨今のコロナ騒ぎで、「テレワーク」が謡われるようになってからは、特に目立つ存在になってきている略語ですね・・・ 🤔
つい先日、打合せてきた賃貸マンション案件でも、フツーに使われていた略語ですので、筆者が使わないだけなのかもしれません。😅
例えば、コロナ騒ぎの前までは、いわゆる「ウォークインクローゼット」とされるような室(お部屋)が、「DEN」と表現されていたりしますので、ちょっとした書斎とか、ちょっとしたワークスペース的な意味合いの略語と思われます。
一体、何の略なんでしょうね・・・?🤨
SR
これも、先の「AT」や「N」などと似たような使い方が多いように思いますが・・・
英語表記で「Service Room」、カタカナ表記で「サービスルーム」になりますので、要は「居室」とはなり得ないような、2帖とか3帖とかの小さめの室(お部屋)に対して、使われることがある略語です。
※法的な要求が満たせない室。
ここで言う「サービス」は、「サービスバルコニー」などで使われる「サービス」と似たような意味合いだと思われますので、「オマケのお部屋」というような解釈で大丈夫なはずです。
MP
「MP」は住宅では見られませんので、皆さんも馴染みは薄いかと思いますが、英語表記で「Multipurpose hall」、カタカナ表記だと「マルチパーパスホール」です。
日本語訳すると、「多目的に使える空間」に対して使われることのある略語になります。
住宅ではなく、不特定多数の方が使われるような建物で計画されることのある、特に用途を持たず、色んな事に使えそうな空間などに用いられます。
後述しますが、「ホール」ですので、「室」ではなく「廊下」的な意味合いが強くなりますが、仮に「多目的に使える室(お部屋)」があるとすれば、「Multipurpose Room」となりますから、同じ「MP」が使われるかもしれませんね。🤔
建築平面図系の「水回り」関係の略語
では、次に水回り関係の「室」に係る略語をピックアップしていきます。
※器具関係は最後の方でまとめています。
UB
英語表記ですと「Unit Bathroom」、カタカナ表記の場合は「ユニットバスルーム」を表す略語になります。
※念のためですが、要は「ユニットバス」です。
もっと平たく言うと、「既製品の浴室」、もしくは「既製品の風呂場」ということになりますよね。
また、通常の場合、「UB〇〇」と「〇〇」に四桁の数字が入ります。
これもご存じの方も多くいらっしゃるはずですので、軽くご説明しますと、原則として「〇〇」の四桁はユニットバスの内法寸法を表す略語になっています。
例えば、「UB1216」と書いてある場合は、短辺の有効寸法が1200mm、長辺の有効寸法が1600mmであることを示しています。
同じく「UB1418」と書かれている場合は、内法寸法で短辺1400mm×長辺1800mmのユニットバスになります。
「1014」の場合は、この法則で行くと短辺が1000mmということになるのですが、「1014」に限り短辺が1050mmになっているものもありますので、大きい分には問題ないと思うのですが、念のため補足しておきます。👌
他にも、メーカーによっては違う場合があるかもしれません。
なお、誤解されていらっしゃる方もいらっしゃるので、念のための補足になるのですが・・・
そもそも「ユニットバス」と言う言葉は、「既製品の浴室」という意味であって、便所や洗面がセット(ユニット)になっているお風呂を指している訳ではありません。
周知の通り「二点ユニット」や「三点ユニット」という表現もよく使われるのですが、この場合の「ユニット」は「セットになってる」的な意味合いで使われていますので、言葉のニュアンスがやや違います。
紛らわしくて申し訳ないのですが、お間違いなきようにお願いできればと思います。😉
WC
英語ですと、ややニュアンスが違うとはいえ、「Toilet」や「Restroom」、「Lavatory」などが一般的に認識されています。🙁
何の「室」を指す略語か?という観点では、解説するまでもないと思いますが、「トイレ」、または「便所」ですよね。
もっと平たく言ってしまえば、要は「厠(かわや)」です。😅
「WC」が何の略語か?という点については、結論から申し上げると「Water Closet」の略語です。
詳しいことまでは知らないのですが、水栓便所はイギリスで開発されたらしいので、イギリス英語だと「Water Closet」ということなのかもしれませんね。🤔
Sani or SN
どちらかと言うと、この略語「Sani」や「SN」でなく、英語表記の「Sanitary」や、次項の「DR」が使われることの方が多いように思います。😕
筆者はなるべく行違いを減らしたく、分かりにくい表記は避けたい気持ちがありますので、略語は使わず・・・
英語表記の場合は「Sanitary」、日本語表記だと「洗面」か「洗面・脱衣」と表記する場合が多いです。
次項の「DR」も個人的にはニュアンスがズレてしまうような気がしていますので、筆者は基本的に使いません。
何の略語かと言いますと、先の通り英語表記の「Sanitary」、カタカナ表記では「サニタリー」の略語になります。
日本語に直しますと、要するに「洗面所」や「脱衣所」という言葉になってきます。
DR
英語表記ですと「Dressing room」、カタカナ表記だと「ドレッシングルーム」となります。
要は、「洗面所」のことを指す略語ですね。
個人的な認識ですと、「着衣」が「Dressing」で、「脱衣」が「Undressing」のイメージがありますので、洗面所のことを、100歩譲っても「着衣所」と書くことは有り得ないことから、筆者はまず使いません。😑
※元請けさんが「DR」表記の場合、止むを得ず使いますが。😖
とは言え、実際の室の用途と考えますと、お風呂に入る前に服を脱ぐという「脱衣」。
冬場は服をすぐ着ないと寒いですので、そういう意味では洗面所内で服まで着ることもありますから、期間限定で「着衣」のスペースでもあることにはなります。😕
※逆に夏場は、暑くって洗面所なんかでは服は着ませんが・・
理屈をこねているとキリがなくなりますが、そう考えると「Dressing room」の略語「DR」でも、さほど的外れではないのかもしれません。🥴
建築平面図系の「収納」関係の略語
だいぶ際限がなくなってきて、気が遠くなってきましたが・・・ 😵
メゲることなく、お次は、建築平面図に見られる、「収納」関係スペースに使われる略語を整理します。👊
CL
英語表記ですと「Closet」もしくは「Cloak」、カタカナ表記の場合は「クローゼット」もしくは「クローク」になります。
「クローク」と言ってしまうとニュアンスがやや逸れてしまう気がしますが、要は、「洋服を仕舞える収納」を指す略語ですね。😉
通常の場合、ハンガーを掛けられるパイプなどと、上の方に枕棚が用意されています。
※枕棚は収納など内の上段の奥行の浅い(400mmほど)棚板を指します。
ST、Sto
英語表記は「Storage」、カタカナ表記ですと「ストレージ」、つまり「物入」や「収納」といった用途の「室」に用いられる略語になります。🤔
前項の「CL」場合、先のとおり「枕棚」がありますが、この「物入」や「収納」を示す略語「ST」や「Sto」の場合、棚板がまったく計画されていない場合がありますので、ちょっと注意が必要かもしれません。☝
棚板が計画されている場合は、「中段」や「枕棚」などの表記が通常はされていますが・・・
会社さんによっては、表記がなくても標準設置!などと決めている場合もありますので、一概には言えないのですが、「中段」や「枕棚」などの表記のない「ST」や「Sto」の場合は、どのような想定なのかは聞いておいた方が間違いありません。
OS
この「OS」は、既述の「N」つまり「納戸」と同様、英語表記ではなく、日本語「押入れ」のローマ字表記「OSIIRE(おしいれ)」の略語になります。
「CL」や「ST」などの略語に示される「クローゼット」や「収納or物入」との、定義の違いはちょっと難しいのですが、一般的には、奥行有効750mmほどの布団を仕舞えるスペースを「押入れ」と呼びます。
最低、棚は「中段」が入っているのが基本。
通常の場合は、上段にも「枕棚」があるか、「天袋」と呼ばれる別の収納がありますが、RC造やS造のマンション系の建物の場合、上段には何もない場合もありますので、ケースバイケースとお考えいただいた方が妥当です。👌
SB
示す意味合いとしては、次項の「SC」とほぼ同じ意味になるのですが、英語表記ですと「Shoes box」、カタカナ表記だとそのまま「シューズボックス」です。😐
つまり、日本語だと「下駄箱」や「下足入」ということになります。
SC
英語表記の場合「Shoes Closet」もしくは「Shoes Cloak」ですので、カタカナ表記にすると「シューズクローゼット」もしくは「シューズクローク」。
前項の「SB」と同じ意味になりまして、日本語だと「下駄箱」や「下足入」を示す略語ということになります。
なお、例えば、仮に「SC750」や「SB750」などと、数字が並列で記載されている場合は、その下駄箱の巾の「呼称」を表している場合が多いです。
WCL、WIC、WinC
英語表記ですと「Walk in Closet」、カナ表記の場合は「ウォークインクローゼット」の略語になります。
「ウォークインクローゼット」ってそもそも何だ?という点については、特にここ10年くらいは定義が曖昧になってきているような印象ですが、英語表記から考えますと、「歩いて入るクローゼット」的な意味になると思いますので、要は、「人が中に入って収納することのできる、服を仕舞えるスペース」というのが、元々の定義だと思われます。
ここ10年ほどは、「ウォークインクローゼット」の人気が高いことから、ちょっと広めのただのクローゼットであっても、「WCL」や「WIC」と表記されている図面を見掛ける機会が多くなりましたね。😅
SCL、SIC、SinC
この略語については、個人的にはだいぶおかしいと思うのですが、英語表記「Shoes in Closet」でカタカナ表記「シューズインクローゼット」の略語と思われます。
要するに、下足を仕舞える広めの室を指していまして、子育て世代の方々にとってはベビーカーを突っ込んでおけるスペースとして、とても人気があります。😙
ただ、中に入って靴を仕舞うスペースですので、前項の「ウォークインクローゼット」と同じような用途になりますから、本来は「ウォークインシューズクローゼット」などと呼ばれるべきですよね?🤨
ですので、本来は「WSC」や「WISC」、「WinSC」などの略語で表記されるべきだと思うのですが、どこの誰が発案したのか・・・ 😟
少なくとも、ここ15年くらいは「シューズインクローゼット」、つまり「SCL」や「SIC」、「SinC」との略語表記が横行しています。😔
ま、筆者の英語力が足りないだけかもしれませんので、ここでは深くは突っ込まないようにしておきましょう。😅
KD や KT
この「KD」や「KT」はあんまり見掛けないかもしれませんが、筆者はよく使いますので、計上しておきます。😅
英語表記ではなく、日本語のローマ字表記からくる略語になるのですが、「KD」は「可動棚」つまり「KADOUDANA」の略語。
「KT」の方については、これも同様の考えで「固定棚」ですので、「KOTEIDANA」の略語としてよく使います。
建築平面図系の「その他の室」の略語
ようやく、いわゆるお部屋(室)を表す略語グループの最後まで到達しましたね。😁
間髪入れずに、やや急ぎ足で進めていきます。👊
Hall
これは略語ではなく、英語表記になりますが、カタカナ表記ですと「ホール」。
ちょっと素敵に聞こえますが、要するに、ただの「廊下」を示す英語表記になりますね。
エントランスホールなどと言うと、ややお洒落で広めの空間のイメージにはなるのですが、「Hall」だけの場合は、ただの「廊下」や、中途半端に余ってしまった広めの「廊下」である場合が多いです。🤐
Ent
英語表記「Entrance」、カタカナ表記「エントランス」の略語になりますので、住宅の場合はただの「玄関」です。😑
共同住宅などの「エントランスホール」の場合、「Ent-Hall」などと略されたりすることもあります。
Void
これも略語ではなく、英語表記になるのですが、カタカナ表記の場合は「ボイド」もしくは「ヴォイド」。
要は、いわゆる「吹抜け」を示す英語表記になります。
じゃあ吹抜けとは?という点については・・・
中間に床がなく、階同士がつながっている空間の上階床の部分、ということでいいはずです。👌
住宅などの1-2F間吹抜けの場合、1Fには「上部吹抜け」と表記し、2Fに「吹抜け」と表記するのが通例になります。
Bal
英語表記は「Balcony」で、カタカナ表記ですと「バルコニー」ですので、平たく言いますとただの「ベランダ」を示す略語です。
バルコニーとベランダの違いは?とは聞かないでくださいね。
四半世紀前からずぅ~っと気になってはいるのですが、未だに調べられていませんので。😝
PS
英語表記は「Pipe Space」、カタカナ表記ですと「パイプスペース」です。
英語での「Pipe Shaft」の略語と考え、「パイプシャフト」と呼ばれることもありますが、略としてはいずれも「PS」ですので、基本的にどっちでも通用しますし、同じ意味です。
略されたそのままを「ピーエス」と読んでも、大抵は通じるはずです。
電気設備以外の「設備の配管を通すためのスペース」を総称して、「PS」と呼ばれていますので、これを示す略語ということになります。
EPS
英語表記ですと「Electric Pipe Space」。
カタカナ表記ですと「エレクトリック パイプスペース」となりますので、何だかすんごい「パイプスペース」😱であるかのように思えてしまいますが・・・
「Electric」は「電気」という意味がありますので、要は、電気設備を通すための「PS(ピーエス)」を示す略語ということになります。
読み方としては、単純に「イーピーエス」で大丈夫です。👍
DS
英語表記ですと「Duct Space」、カナ表記の場合は「ダクトスペース」になります。
「ダクト」ですから、要は換気扇や空調のダクトを通すスペースに使われる略語ということです。
読み方としては、そのまま読むと「ディーエス」となりますが、これでは伝わらない場合が多くなりますので、「ダクトスペース」と読んだ方が行違いを減らすことができます。😅
でも、住宅で使われることは少ないですね。🙂
「全館空調」などを入れられているお宅ですと、この略語「DS」表記が使われている場合があります。
※「全館空調」については話が逸れますので割愛します。
MB
英語表記は「Meter Box」、カタカナ表記ですと「メーターボックス」になります。
日本語でも「メーターボックス」ですので、これの略語です。
水道メーター、ガスメーター、電気メーターなどが設置される空間で、主に共同住宅(アパートやマンション)の外廊下などに設置されるもの👇ですので、住宅図面ではあまり見かけないと思われます。
ちなみに、電気メーターは法的な要求が微妙ですので、「メーターボックス」内に納められない場合もあります。
読み方としては、これも単純に「エムビー」でも通用します。👌
EV or ELV
これは直観的にお分かりになられるのではないかと思いますが、英語表記ですと「Elevator」、カタカナ表記で「エレベーター」ですので、日本語で言うと「昇降機」を示す略語ということになります。
「昇降機」というより、「エレベーター」と呼ぶ方が一般的ですよね?😅
ちなみに、いわゆる「ホームエレベーター」も、この略語「EV」が用いられる場合がありますが、次項の「HEV」と表記される場合もあります。
HEV
英語表記の場合「Home Elevator」、カタカナ表記ですと「ホームエレベーター」。
・・・ですので、要は「住宅用の昇降機」を指す略語です。
あまり多くはないと思うのですが、一般的なエレベーターとホームエレベーターが併設されるような建物の場合、「EV」と「HEV」に区別して表記されます。
読み方は「エイチイーブイ」でなく、「ホームエレベーター」の方が妥当です。👍
DM
ようやく、室関係に係る最後の略語になりました。😂
これも住宅ではあまり使われないものですが、英語表記で「Dam waiter」、カタカナ表記で「ダムウェーター」です。
人間用でなく荷物用の昇降機のことを「ダムウェーター」と呼びますので、これの略語ということになります。
過去に、病院系、保育所、倉庫系建物などで入れたことがありますが、要は、上階に重めのモノを頻繁に搬出入するような建物用途の場合に使われる、小型のエレベーターです。
建築平面図系で見られるその他の略語
だいぶ長くなってきたので、疲労困憊してきてしまいました😩💧が・・・
最後に、平面図系で使われるその他の略語の内、「器具」関係に係る略語と、平面図に限らず使われる一般的な略語をご紹介して締めさせて頂こうと思います。🤗
※明確な分類がちょっと難しくなってきましたね。😓
平面図系以外でも使われる「器具」関係の略語
「器具」とは書きましたが、似たようなカテゴリーに当たる「家具」も含めまして、平面図系以外でも使われる、これらの略語をご紹介していきます。
AC
これは皆さんもお分かりですよね?🤗
英語表記の場合「Air conditioner」、カタカナ表記にすると「エアーコンディショナー」と大げさな名称に聞こえてしまいますが、日本語の口語訳すれば、要は、ただのエアコンです。
ちゃんとした日本語ですと「空調機」になりますので、この略語ということになります。
筆者の建売マイホームの1F平面図で見ますと、一般的な住宅用エアコンでしたら、以下のような表記です。
お店やオフィスの天井にあるような、いわゆる業務用エアコンでも「エアコン」は「エアコン」ですので、同じように略語「AC」が用いられることになります。
ちなみに、図面の見方の話になりますので、話のニュアンスは逸れるのですが・・・
後述する「CP」や「R」などといった建築工事では設置されない家具系の場合、この絵👆の「AC」で見られるような点線で表示されるのが通例です。
また、平面図は床上1mほどの高さで水平に切った断面図という基本的な考え方がありますので、腰高より上に付いている、この「AC」のような器具についても、通常は、点線や破線などで表現されることになります。🤨
つまり、建築工事で取り付けられる「エアコン」なのか、自前で用意しなければならない「エアコン」なのか?の判定がしづらいのです。😱
筆者は、点線の種類を変えて表示しているので、説明すれば理解してもらえるのですが、配慮の乏しい建築図面の場合は、同じ点線で描かれてしまっていたりしますので、注意が必要な部分になります。☝
SK
英語表記ですと「System kitchen」、カタカナ表記の場合は「システムキッチン」
MK
同じく、英語表記にしますと「Mini kitchen」、カタカナ表記だと「ミニキッチン」
CP
英語表記の場合「Cupboard」、カタカナ表記にすると「カップボード」ですので、日本語にすると、要は「食器棚」となります。
ですので、この「食器棚」を指す略語ということになりますね。
これについても、論点はややズレるのですが、少し補足します。😉
この「食器棚」は、システムキッチンと同じ空間内に配されることから、本来は、合わせてコーディネートされるべきところですので、建築工事で用意されるべき家具と考えられます。🤔
・・・が、キッチンメーカーさんの出している「食器棚」は、ややお高いケースがあるため、ご予算の関係で、建築工事で用意せずに、自前で用意することにする場合があります。
その場合は、建築工事とは関係のない家具扱いになりますので、点線表示で表現されるのが通例となります。
要は、逆に建築工事の方で入れてもらえるカップボードの場合は、点線でなく実線表示で表記されていますので、見分け方の参考にしてくださいね!というお話でした。😑
ちなみに、建売住宅の場合は、少しでも金額を安く見せる必要があるため、この「CP」、つまり「食器棚」まで建築工事で用意されることは、まず100%ありません。😐
本論からは逸れますが、建売が安い理由については、こちら👉「建売住宅はなぜ安いか?(安い理由)を解説します!」の投稿でお話ししていますので、宜しかったらお立ち寄りください。
R
英語表記ですと「Refrigerator」、日本語英語にはなっていないはずの単語ですので、カタカナ表記はおそらく存在しないような気がしますが、強いて書くとすれば「リフジリエーター」です。🥴
はいぃ?👂何のこっちゃ??😵
って感じの単語ですが、ただの「冷蔵庫」の英訳になりますので、「冷蔵庫」置き場を示す略語ということです。🤔
ま、もっと単純に解釈して、「冷蔵庫」のローマ字表記「Reizouko」の「R」と解釈した方が全然スマートな気がしますね。😅
いずれにしても認識しやすくはないため、筆者は「冷」との略語を使用するようにしています。😉
W
同じく、英語表記にしますと「Washing machine」、カタカナ表記だと「ウォッシングマシーン」ですので、すんごい😨マシンを想像してしまいますが、要はただの「洗濯機」のことですね。😅
単に、「洗濯機」置き場を示す略語ということになります。
これも認識しやすいとは言えませんので、筆者は「洗」とか、防水パンのサイズ「6464」と表記するようにしています。
防水パンのサイズの「6464」は、64cm角を示しますので、普通の洗濯機用の置き場。
「7464」や「7474」と書いてある場合は、ドラム式も考慮した洗濯機置き場になりますので、大きめの洗濯機でも置くことができます。
また、直観的にご理解頂けていると思いますが、洗濯機は建築工事で用意することはありませんので、念のため、お伝えしておきますね。😉
24H
英語表記にするほどではありませんが、するとすれば「24hour」、カタカナ表記にすると「24アワー」。
15年ほど前から、建築基準法で要求されるようになった、24時間換気を示す略語になります。
ですので、通常の場合、図面上は換気扇マークの脇などに記載があり、その換気扇が法的に要求されている24時間換気を行うべき換気扇であることを示しています。🤔
WH
英語表記ですと「・・・」🤨
スミマセン!これは分かりません。一般的に電気メーターを示す略語として用いられますので、「WH」表記があれば、そこが電気メーターの設定予定位置を示しているものとお考え下さい。👌
カタカナ表記、もしくは読み方だと「ワットメーター」になるはずですので、本来は「WM」になるはずですが、「WM」は次項の水道メーターで使われていることもあって、末尾が「H」なのかな・・という気はします。😑
WM
前項で軽く触れてしまいましたが・・・
英語表記にしますと「Water Meter」、カタカナ表記だと「ウォーターメーター」、つまり水道メーターを示す略語です。
読み方については、「ダブリューエム」ではまず伝わりませんので、普通に「水道メーター」とお読みいただいた方が賢明です。👍
GM
同じく英語表記から見ますと「Gas Meter」、カタカナ表記にすると「ガスメーター」。
・・・ですので、そのままですが、「ガスメーター」を示す略語ということになります。
読み方としては、やはり「ジーエム」ではどこかの自動車会社になってしまいますので、そのまま「ガスメーター」と読むのがベターです。
その他の略語
その他、平面図とは直接は関係ないのですが、細かい略語と、建築図面の略語についてのその他の補足事項をここでザッとまとめておきます。
KBM or BM
「BM」からスタートします。
英語表記ですと「Bench Mark」、カタカナ表記で「ベンチマーク」になりますよね。
日本語訳しますと、「基準」ですので、この「基準」の略語ということになります。
「KBM」も同じような話なのですが、後半の「BM」に「K」が付いただけです。
「K」については、英語ではなく「仮(カリ)」のローマ字表記「Kari」から、先頭の「K」のみを使っている形ですので、要は「仮基準」の略語ということです。
両者に特に違いはなく、ほぼ同じ意味で使われています。
また、便宜上、この平面図系で計上しますが、この「KBM」や「BM」断面図や立面図、詳細図系でも見られる略語です。
なお、「KBM」や「BM」が示す基準は、高さの大元の基準になりますので、略語解説②の方で解説している、設計スタート時にSGL(設計GL)やGLを決める以前、つまり測量の時点で設定される大事な高さの基準になります。
大元の基準になりますので、設計が始まる前に行われる、地盤調査なども、この「KBM」や「BM」を元に記録されることになります。
先👆の配置図の記載でご説明しますと、例えば、測量の際に設定された、矢視先の雨水桝の角の「KBM」を元に、そこから500mm上がった水平面を「SGL±0」として設定していることを示しています。
W
英語表記ですと「Width」、カタカナ表記で「ワイド」。
つまり、日本語では「巾」や「幅」を示す略語になります。
ちなみに、「巾」と「幅」の日本語の違いについては、専門外につき、よく分らないのですが、建築ではどちらも同じ意味で使われます。
※どちらかと言うと「巾」の方が多いように思います。
H
英語表記にしますと「High」、カタカナ表記の場合は「ハイ」ですので、単純に、日本語でいう「高さ」を示す略語になります。
D
英語表記ですと「Depth」、カタカナ表記だと「デプス」。
つまり、日本語の「深さ」や「奥行」を示す意味合いで用いられる略語ですね。
t
これは平面図ではあんまり出てこない略語かもしれませんが、例えば、「石膏ボードt12.5」や「モルタルt30」などといった使い方をする略語です。
英語表記は「Thickness」。
これも日本語英語には存在しない単語だと思われますが、強いてカタカナ表記するとしますと「シックネス」か「ティックネス」となるものと思います。
※「th」の発音が日本語にはないですので。
要は「厚み」という意味の英語「Thickness」から来ている、「厚み」という意味合いを示す略語になります。👌
L
英語表記ですと「length」、カタカナ表記だと「レングス」ですね。
つまり、日本語の「長さ」を示す略語ということになります。
例えば、「L1200」などの表記で、「長さが1200mm」という内容を略していることになります。😉
建具に係る略語について
建具関係の略語については、これだけで相当数になり、これまた膨大な量になってしまいましたので、別の投稿「略語解説③」と「略語解説③」でまとめてありますので、お探しの略語が見つからない場合は、合わせてご覧になってみてください。😌
立面や断面に係る略語について
これについては、さほど複雑にはならないのですが、とにかく平面図関係だけで、今回は膨大な量になってしまいましたので、別の投稿「略語解説②」で整理しました。😑
その他補足(図面の見方について)
図面の見方については、別の投稿になるのですが、こちら👉「図面の見方01」で、建築図面の内、差し当たっては筆者の建売マイホーム図面を元に平面図について、図面の見方と言いますか、読み方を解説しています。
図面の見方が分からない!などとお困りの方は、ぜひ参考にしていただければと思います。😊
今日のまとめ
今日は、一般の皆さんには認識しにくい場合もあると思われる、建築図面中の略語の内、平面図や不動産広告などの間取り図に使われる略語を、筆者の知りうる範囲で片っ端から、ご説明して参りました。
結果的に、膨大な量になってしまったので、目次が縦長すぎて、扱いづらくなっているものと思います。😓
追って、解説用の画像も増やしていこうと思っていますので、ゆくゆくは数個の記事に分割させて頂くことになるかもしれません。
本日も、最後までお読みいただきまして、どうも有難うございました。🙏
コメント