今日は、建築図面に見られる建具、つまり窓やドア関係に関する略語を解説している投稿の後半(2/2)としまして、建具に用いられる建具金物に関する略語について、引続き解説していきます。👊
前回もそうでしたが、略語の解説だけだと具体的なことがお伝えしづらいため、ザッとにはなるのですが・・・
可能な限り実際の製品写真もお出ししながら、用語自体の解説も入れてありますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。😊
なお、殊の外(ことのほか)、項目数が増えてしまいましたので、以下👇に表示されている目次を上手くご活用いただきますようお願いできればと思います。🙏
※各項目の末尾に「目次に戻る」ボタンも入れましたので。
建築図面の略語シリーズの目次
建築図面に見られる、分かりにくい略語を解説している略語シリーズの目次です。
まだ準備中の投稿もありますが、順次UPしていきますので、略語に困られている方がいらっしゃれば、参考にして頂ければと思います。😙
- 第一弾:建築図面の略語解説(平面図系)
- 第二弾:立面・断面図系の略語解説
- 第三段:建具記号関連の略語解説1/2
- 第四段:建具記号関連の略語解説2/2 👈今回
- まとめ:略語解説アルファベット順(NEW)
なお、建築図面の見方(読み方)については、以下の投稿で住宅平面図を元にザッとご説明していますので、必要に応じて、合わせてお立ち寄りください。🙌
建具金物に用いられる略語表記
前回の、建具系の略語前半(1/2)では、建具本体と建具に使われるガラスに係る略語のご説明をしましたので、今回は残りの「建具金物関係に係る略語」の解説をしていきます。
細かい金物もありますので、主に、建具表と呼ばれる建築図面でしか見られないような略語が多いと思われます。😓
丁番(ヒンジ)系の建具金物の略語
建具に使われる金物関係の内、まずは丁番(ヒンジ)系の建具金物に関する略語からスタートしようと思います。💨
「丁番(ヒンジ)系」と書きましたが、建具の開閉を司る非常に重要な役割を果たすことになる、いわば「開閉装置」の部分になります。☝
HH
これは語源が分からないのですが、いわゆる「丁番」を示す略語になります。
※「H」がひとつなら「Hinge(ヒンジ)」なんですけど・・・。😓
「丁番」とは?と聞かれると難しいのですが、「ちょうつがい」です。
周知の通り、いろんな形状があるのですが、一般的な形状のモノでご説明しますと、要するに、以下👇のような形状で、建具の開き開閉に使われる建具金物ですね。
Google翻訳さんで訳すと、「丁番」=「Hinge」になるようですので、次項からご紹介する「ヒンジ」も含めた全般的な開閉装置に「丁番」の意味があるということですね。
丁番は、日本語では、ヒンジの内、虫の「蝶々(要はチョウチョ🦋)」の羽のような形状で、ドアを開閉する金物に限定して「丁番」と呼ぶのが一般的ですが、英語だと必ずしもそうではない、ということなのかもしれません。🤔
英語では「Butterfly Hinge(バタフライヒンジ)」という単語も存在はするようですが、どこまで一般的に用いられる単語なのか?については、英語圏に暮らしたこともありませんから、よく分りません・・・ 😓
また、この丁番は「蝶板」とも書きますし、「蝶番」と書かれる場合もありますので、これも紛らわしい用語のひとつになります。
丁番は種類がたくさんあるので、このバリエーションについても、いつかご説明するようにしないといけませんね。😐
FH
英語表記で「Floor Hinge」、カタカナ表記で「フロアヒンジ」になりますので、そのままですが、フロアヒンジを示す略語です。
丁番だと体裁が悪い箇所や、重量の重いドアなどの開閉用に、床に埋め込んで使うタイプのこんな👇ヒンジ(開閉装置)ですね。
この👆写真だけだとイメージしにくいと思うのですが、例えば、マンションや商業施設のエントランスなどで、重厚そうな開き戸の場合、扉の吊元の下部を見ていただければ、どのように使うものなのかはご認識いただけるものと思います。
この👆写真は、とある大規模マンションのエントランスになりまして、「持出し吊り」というタイプのFH(フロアヒンジ)ですので、ヒンジ金物が表に見えてくるタイプなのですが、前掲のUHPPOTEのモノや、以下👇のような形のFH(フロアヒンジ)は「中心吊り」というタイプになります。
中心吊りの場合は、原則として、扉下にヒンジの中心が納まりますので、表からは見えなくなり、スッキリとした見え方にすることができます。😙
ただ、先の大規模マンションのように、「持出し吊り」を使って、ヒンジ金物を敢えて見せるような手法もありますので、どっちもどっちなのかな・・と言う気もします。😅
略語「FH」はこれらのようなフロアヒンジを総称した略語ということになります。👌
LH
英語表記「Lavatory Hinge」の略で、カタカナ表記で「ラバトリーヒンジ」・・。🤨
「ラバトリー」って何だっけ?🙄
ということで、中学生の頃の英語の授業の記憶をたぐり寄せますと・・・
要は「トイレ」でしたよね?😅
主に、トイレブースを構成する、パーテーション部材の出入口で使われるのが「ラバトリーヒンジ」ということになりますので、これの略語ということですね。
トイレブースの扉だけで使われるものではないのですが、元々トイレブースから派生してきたヒンジのため、「LH」つまり「ラバトリーヒンジ」が用いられている、ということだと思われます。🤔
AH
英語表記で「Auto Hinge」、カタカナ表記ですとそのままですが「オートヒンジ」。
スプリングなどが内部に組み込まれていて、自動的に閉まるような機構のヒンジが、この「オートヒンジ」と呼ばれますので、これの略語が「AH」ということになります。
この観点からは、先の略語「FH」で示されるフロアヒンジでも、原則として自動的に閉まる機構になっていますので、広義で見た場合、個人的には「AH」つまり「オートヒンジ」に含まれることになる気がします。🤔
※ストップ付のフロアヒンジも存在はします。
もちろん丁番型のタイプもありまして、例えば、バーカウンターなどの出入口のドアに使われるようなこんな👆タイプのモノが、この略語「AH」で示されます。
PH
英語表記は「Pivot Hinge」ですので、カタカナ表記ですと「ピボットヒンジ」。
ピボットヒンジとは?と聞かれると、説明がちょっと難しいのですが・・・
日本語訳すると「軸吊り丁番(じくづりちょうばん)」などとなりますので、この略語が「PH」ということになります。
ちょっと分かりにくいですよね。😓
扉の吊元の上下に取り付けて、上下軸を支点に開閉する金具とでもいいましょうか・・・。
実際の製品で見ると、例えば、こんな👇金具です。
この👆写真のステンの部材が上下枠に取り付き、樹脂っぽく見えるシルバーの部材が以下👇のような形で扉本体の上下端部に取り付けられる形になり、これを軸にして開閉する建具金物です。
ちなみに、これ👆は内装扉用ですが、鋼製扉などにも使えるタイプですと、こんな👇製品もあります。
これもおそらく分かりにくいですよね・・・。
すみません、丁度いい画像が見つかりませんで。😞
まぁ、何はともあれ、略語「PH」は「ピボットヒンジ」を示すものになります。
HAH
これは英語表記というよりは造語的になっていますので、日本語から入りますと、「丁番型」の「ヒンジクローザー」を指す略語になります。
ヒンジクローザーは英語表記だと「Hinge Closer」になりますが、これの略ではありません。🥴
ヒンジクローザーとは、要は、既述の略語「AH」で示される「オートヒンジ」とほぼ同義とお考えいただいて大丈夫なのですが、この略語「AH」と、ヒンジを示す略語「H」を組み合わせることで、「丁番型」の「ヒンジクローザー」を指す略語として「HAH」が使われています。😑
これも、分かりにくいですね・・・😩
まぁでも、ここでヒンジクローザーと言うから分かりにくくなるのであって、丁番型のオートヒンジの略語が「HAH」だと考えると、少し分かりやすくなる気もします。
どんな金物か?という点については、次項の略語「PAH」で示されるピボット型も含めて、ドアクローザー工業会さんのこのページに開閉の機構が、GIF動画でとても分かりやすく掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。😘
素晴らしく分かりやすいです。👏
PAH
前項に引続きまして、日本語から入りますが、ヒンジクローザー(オートヒンジ)のピボット形を示す略語がこの「PAH」です。
先の通りですが、ヒンジクローザーと同義の「オートヒンジ」の略が「AH」でしたので、これに「ピボット」の略語「P」を組み合わせて、「PAH」というとですね。🤔
開閉の機構については、前項でもご紹介したリンク先、ドアクローザー工業会さんのこのページをご参照ください。👍
ハンドル(把手)系の建具金物の略語
次にハンドル(把手)系の金物の解説に入っていきますが、念のため、基本的な呼び名から先にご紹介しておきます。☝
※ちなみに「把手」は「とって」と読みます。(念のため・・)
以下、美和ロックさんの「U9PMK-HS」という、交換用の「面付箱錠」の写真になるのですが、Amazonさんの商品写真(美和ロック 取り替え簡単 ドアロック 面付箱錠シリーズ U9PMK-HS 外開 右勝手 10896)より引用させて頂き、解説コメントを書き込みました。
少し古いタイプのアパートドアなどに使われているタイプの錠になりまして、まずは屋外側が見た写真がこれ👇です。
鍵を差し込む筒を「シリンダー」と呼び、これを廻すことで鍵を掛けるためにドア枠内に出っ張る部分が「デッドボルト」と呼ばれます。
デッドボルトが出っ張って鍵が掛かった状態を「本締り」といいます。
室内の木製建具などにも付いているのが、鍵を掛けるためでなく、戸を閉じた状態に保持するためのものが、デッドボルトの下にある「ラッチボルト」と呼ばれる部分で、この戸を閉じた状態に保持することを「仮締り」と言います。
次に室内側の写真👇に移りまして・・・
左側、鍵を刺すことなく、鍵の開閉(施解錠)をするためのツマミが、皆さんもご存じと思われる「サムターン」になります。
お分かりになられますかね?😅
典型的な理系脳ですので、説明が分かりにくかったら、申し訳ないです。💦
これを基本として、以下👇より、ハンドル(把手)系の建具金物に掛る略語について、ご説明していきます。👊
ML
英語表記で「Mono lock」、カタカナ表記で「モノロック」。
これの頭文字を取って、モノロックの略語として「ML」が使われているということですね。
じゃあ、モノロックとは?
という観点ですと、日本語ですと「円筒錠(えんとうじょう)」になりますので、昔のトイレなどによく見られた、内側のドアノブ(握り玉)中央にプッシュ式ボタンがあって施錠できるタイプのドアノブです。
現状の市場では出回っていないのか・・・
ピッタリの製品は見つからないのですが、例えば、以下👇のようなドアノブで、片側だけにプッシュボタンがあるものを指す略語ということになります。
通常は握り玉の中心にシリンダーが組み込まれていて、本締りができるタイプのものがほとんどですので、次項でご紹介する略語「DML」との区別がない場合は、「本締付モノロック」を指している場合もありますので、ちょっと紛らわしいですね。😓
DML
前項で少し触れてしまいましたが、この「DML」は「本締付モノロック」を示す略語になります。
章の冒頭で解説した「デッドボルト(Dead Bolt)」の「D」が「本締り」を示す略語ですので、これと前項の「モノロック」を示す「ML」を組み合わせて、「DML」を本締付モノロックの略語として使っているということですね。
本締り付きですので、デッドボルトとラッチボルトがあるタイプ。👇
最近はレバーハンドルが主流ですので、あんまり見かけなくなりましたが、前項の略語「ML」で示される「モノロック」に比べると、まだご認識しやすい気がしますね。
DL
英語表記で「Deadbolt lock」、カタカナ表記で「デッドボルトロック」ですので、要は、日本語では「本締錠」を示す略語がこの「DL」になります。
これだけというのもあまり多くないケースだと思うのですが、本締錠とは、デッドボルトだけを備えた錠で、鍵(キー)を差し込むか、サムターンで施解錠をする錠です。
つまり章の冒頭でご説明した、ラッチボルトのないデッドボルトだけの錠ということになりますので、通常は、空錠と組み合わせて、主錠として使用したり、補助錠として使用するものです。
申し訳ないのですが、具体的な製品は見つかりませんでした。🙏
OM
この略語「OM」は、正直なところ何の略なのかよく分らないままなのですが、要するに「空錠」を示す略語として使われています。
「空錠」の読み方は、筆者は「そらじょう」と読んでいますが、WEBで調べる限り「くうじょう」でもいいようです。😕
ただ、筆者の40年間ほどの建築経験では「くうじょう」との表現は聞いたことはありませんので、「そらじょう」とお読みになられた方が無難な気がしますね。
では、空錠とは?という話に移ります。
平たく言いますと、ラッチボルトだけでデッドボルトのない錠ということになりますので、要はカギがかけられない錠前です。
カギがかけられない=本締り無ということですので、ラッチボルトで開き戸が閉まった状態で開かないように維持するために、ドア枠に固定させておくための錠ということです。
レバーハンドルの方が認識しやすいかもしれませんので、レバーハンドルの製品もお出ししますと、以下のようなタイプのモノです。
ちなみに、これら👆は把手(ハンドルや握り玉)とセットになっていますが、以下👇のような形で空錠だけでも売っています。
屋外用ではあまり使われませんが、室内の子供部屋や納戸などといった、鍵を掛ける必要のない部屋の出入口に使われるのが、この略語「OM」つまり「空錠」になります。
PL or SL
「PL」は英語表記「Pulling door lock」ですので、日本語英語になってしまっていますが、これの頭文字を取って「PL」。
実際の英語では引戸は「Sliding door」になりますので、英語表記「Sliding door lock」、カタカナ表記「スライディングドアロック」の略語で「SL」。
つまり、「引き戸錠」を指す略語が「PL」もしくは「SL」ということになります。
具体的な製品でご説明しますと、以下👇のようなものが引戸錠です。
何パターンかるのですが、左が「鎌錠(かまじょう)」と呼ばれるタイプ、右は純粋に「引戸錠」と呼ばれているタイプです。
鎌錠だけの略語もあるのかも知れませんが、筆者は共に「PL」か「SL」で示してしまっていますね。
どうしても鎌錠がいい場合は、括弧書きで「鎌錠」と追記したりしています。😅
GL
英語表記で「Gremon Lock」、カタカナ表記ですと「グレモンロック」ですので、「グレモン錠」と呼ばれる錠を示す略語になります。
どんな錠かといいますと、要はレバーハンドル的なハンドルがそのままロックの役割も兼ねるような、一体型の一体型の鍵を総称して「グレモン錠」と呼ばれています。
※「グレモンハンドル」などと呼ばれる場合もあります。
この写真だけだと、ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、分かりやすい例で言いますと、例えば、引違い窓や上げ下げ窓に付いている、クレセント👇もグレモン錠の一種です。
また、以下👇のような滑り出し(辷出し・すべりだし)窓などに用いられるカムラッチハンドルも、この略語「GL」に示されるグレモン錠の一種ということになりますね。🤔
これ👆は横滑り出し(辷出し・すべりだし)窓の例ですが、縦滑り出し窓の場合も同じようにカムラッチハンドルが使われますので、略語「GL」つまり「グレモン錠」の使用例ということになります。
EL
英語表記ですと「Electric lock」、カタカナ表記で「エレクトリックロック」ですので、要は「電気錠」を示す略語ということになります。
電気錠とは?という意味では、色んなモノが存在しますが、電気的に施解錠をする錠を総称して「電気錠」と読んでいます。
具体的な製品で見ますと、例えば以下のような製品が電気錠になりますので、このようなモノを指す略語が「EL」ということです。
これらの製品がどこまで含まれるか?までは確認していないのですが、これらを電気的に制御する制御盤的な盤が別途必要になったり、その他の部材が必要になったりする場合がありますので、実際にご購入される場合は注意が必要です。
特に昨今は、非接触やらカードキーやら色んな電気錠が出回っていますので、この略語「EL」だけでは表しきれていないような気もしますね。😓
BH
この「BH」も何を語源としているのか、よく分かりません・・・。😓
が、「非常錠」と呼ばれる錠を示す略語になります。
英訳すると、フツーに考えて「Emergency lock」になるはずなので、「BH」とは掛け離れていますよね?🤨
前から気にはなっているのですが、根拠が曖昧ですし、そもそもの「非常錠」の定義もはっきりしませんので、個人的には本業の方では使わないようにしています。😅
「非常錠」とのキーワードでWEB検索をしてみますと、以下のような製品が引っ掛かってはきます。
ちなみに、「非常時開錠装置」というモノがあるのですが、これを「非常錠」と呼ぶ方もいますので、この略語「BH」にて、非常時開錠装置を示している場合もあります。
「非常時開錠装置」につきましては、読んで字のごとくなのですが、非常の際に開錠できる錠を指します。
例えば、トイレに付いている錠を「表示錠」と呼ぶのですが、外側からも開錠できる仕掛けが通常は付いています。
この👆製品ですと、表示部分つまり赤くなっている部分に出ベソみたいなモノが付いていて、施錠状態で内部から解錠できなくなってしまった際に、マイナスドライバーなどでこの出ベソを回すことで解錠ができる・・・形になっていますよね。
この装置を「非常時開錠装置」と呼びます。
もっと大げさなモノですと、本当の非常時にしか解錠できないようになっている、この👇ような装置も「非常時開錠装置」のひとつです。
筆者からすると、あくまでも「非常時に錠を解錠するための装置」であって、「非常錠」ではないと思うため、変な誤解を避けるためにも、この場合は略語「BH」を使わずに、そのまま「非常時開放装置」と記載しますが・・・
「BH」が使われている場合は、この手の「非常時開錠装置」が付いている計画になっている可能性があることをイメージしておいていただければいいのかな、と思います。🙂
PPL
英語表記で「Push-pull lock」、カタカナ表記ですと「プッシュプル錠」となりますので、これは住宅の玄関ドアなどでお馴染みですよね。😊
把手にちょっと手を掛けて、少し押したり引いたりすることで開閉ができるのが、「プッシュプル錠」ということになりますから、これを略語「PPL」で示すということです。👇
この略語「PPL」については、ご認識頂けると思いますので、簡単で恐縮なのですが、この項は以上とさせて頂きます。😌
NB
ローマ字表記の「NIGIRI」と、「玉」の英語表記「Ball」の頭文字を取った略語と思われます。
要は「握り玉」を示す略語ということになりますね。
握り玉とは?という観点では、平たく言うと、別の略語「ML」の項でもご紹介した、以下👇のような円筒形のドアノブというところでしょうか。🤔
既述の略語「OM」に示される空錠や、「ML」に示されるモノロックなどのパターンがあります。
この👆写真は、中央に何も付いていませんので、「空錠」の握り玉ということになります。
LH
この「LH」も広く普及していますので、認識しやすいものと思います。
英語表記ですと「Lever handle」、カタカナ表記で「レバーハンドル」ですので、そのままですが、この「レバーハンドル」を示す略語ということになります。
具体的な製品としては以下👇のような、レバー状のハンドル(把手)を指します。
前項と似たような話になるのですが、この製品はラッチボルトだけですので、略語「OM」に示される空錠のタイプ。
略語「MDL」に示される、デッドボルト付きの本締り錠などと組み合わせて使用したりします。
※セットになっているモノももちろん存在します。
CH
この「CH」は馴染みが薄いかもしれません。
天井高を示す略語も「CH」になりますので、ここでは建具関連表記のみに使われる「CH」とお考え下さい。
英語表記「Case handle」、カタカナ表記で「ケースハンドル」です。
この英語表記の頭文字を取って、以下のような把手「ケースハンドル」を指す略語が「CH」ということになります。
この写真はどんなところに使われているのか分かりませんが、例えば、パイプシャフトのドアや内部の電気設備用のシャフト用のドアなどで使われることがありますが、そう言えば最近はあんまり見かけなくなりましたね。
まぁとにかく、ここではこの👆ような「ケースハンドル」を示す略語が「CH」ということです。
XP
この「XP」も語源はよく分りませんが、「引き手」の英語表記は「Puller」になります。
結論を先にお伝えしますと、「掘込み引き手」を指す略語が「XP」です。
堀込み引き手とは?という観点では・・・
引戸などで、建具より出っ張ってしまうと開閉ができなくなってしまう場合、建具面を掘り込んで、指を掛けるための把手(引き手)を取り付けるのですが、これを指して「掘込み引き手」と読んでいます。
これもご存じだとは思うのですが、以下👇のようなタイプの引き手が「堀込み引き手」になります。
左側のモノは一般建具に使われるタイプ。
右側のモノは襖などでお馴染みの形状じゃないかと思います。🙂
引違いや二本引、三本引などの建具に使う場合は、建具同士の干渉を避けるため。
片引戸などの場合は、建具枠との干渉を避けるために、建具面を掘り込んで取り付けるような引き手を「堀込み引き手」と呼び、これを略語「XP」で表しているということですね。
PP
この略語「PP」は筆者は使いません。😐
引き戸の場合、通常の引き手は既述の通り、前項の「堀込み引き手」になるのですが、建具面から出っ張っても差し支えがないような場合に使われる引き手が、略語「PP」で表されます。
引き戸に取り付けられるにしても、個人的には、どちらかというと「把手」や「ハンドル」、「ツマミ」などと呼んだ方が妥当な気がしますが・・・
強いて言うと、以下のような製品を引き戸に使う場合は、この略語「PP」に該当することになるのかな、と思います。🤔
要は、引くために指を掛ける金物で、建具面から出っ張っても問題のない引戸に取り付けられる「引き手」とでも言えばいいのでしょうかね・・。
いずれにしても、ここで挙げたモノ👆は「把手」や「ハンドル」、「ツマミ」などの表現の方が誤解を招きにくはずですので、筆者は使わないようにしています。
以上で、現状で思いつく、ハンドル(把手)系の建具金物に掛る略語の解説はオシマイです。👍
お疲れさまでした。😉
その他の建具金物に用いられる略語
ようやく終盤に到達しました。😅
ここまでで何かずいぶん沢山の、建具関係の略語をご説明してきた気がするのですが、もうちょっとありそうな気もします。🤨
※何となく物足りなさが感じられます・・ 😑
不足している略語を思い出したら、随時追加していくようにしますので、ご容赦願えればと思います。🙏
では最後になりますが、次に、その他の建具金物についての略語をご紹介していきます。👊
FR
英語表記だと「Flush bolt」になりますので、「FL」や「FB」になってしまいますが・・・🤨
ここでは単純にカタカナ表記「フランス」の英訳が「France」になりますので、これを語源としているようです。
要は、この「FR」は「フランス落し」を示す略語ということになります。
フランス落しは皆さんもご存じだと思いますので、軽くのご説明にしますが、具体的には以下👇のような製品ですよね。
住宅などの門扉に付いているタイプのフランス落とし「FR」です。
そもそも何でフランスなんだろ?🤨
って気もしますが、論点が逸れてしまいますので止めておきますが、日本語だと「落とし棒」などとも呼ばれます。
この👆製品は門扉用ではなく、二枚構成の開き戸タイプの玄関ドアなどにも使われるタイプですので、皆さんのお宅でも付いているのではないかと思います。
周知の通り、中央のレバーを下げることで、内部に組み込まれた棒が落ちてくるような機構になっていますよね。😉
こんな「フランス落し」、もしくは「落とし棒」を示す略語が「FR」ということになります。👌
DS or TA or TT
この略語は色んなパターンがあって、設計者によって、適当に決められている感が強い気がします。😅
略語「DS」の場合は、英語表記「Door Stopper」、カタカナ表記「ドアストッパー」の英語の頭文字を取った略語ということになります。
ドアストッパーですので、日本語で言えば、いわば「戸当たり」ですよね。
この「戸当たり」をローマ字表記しますと、「TOATARI」になりますので、途中のアルファベットを抜き出して「TA」、もしくは「TOATARI」より「TT」と略される場合があるということです。🤔
お馴染みだろうと思いつつ・・・
一般的な「戸当たり」の具体例を挙げますと、以下のようなモノが「戸当たり」と呼ばれる金物になります。🙄
これ👆は軽量ドア用かつ内装用ですので、木製建具などに使われるタイプ。
以下👇の戸当たりはある程度の重量ドアでも使用することができますが、これも内装用みたいですね。
似たような形状のモノで、ステンレスのタイプで、屋外用かつ重量ドア用の製品も存在はします。
なお、原則として床付けか壁付けになるのが、これらの一般的な「戸当たり」なのですが、ドアを止めたい箇所に壁がなかったり、止めたい箇所だと通行の邪魔になったりする場合も往々にしてありますので、その場合は次項👇でご紹介する略語「MS」などが必要になってきます。
MS
この略語「MS」は、英語表記「Arm Stopper」、カタカナ表記「アームストッパー」の略語です。
・・・が、これも恥ずかしながら、語源は不明です。😞
英語表記「Arm Stopper」の前半「Arm」の最後と、後半「Stopper」の頭文字を無理に取れば、「Arm Stopper」ですので、一応「MS」にはなるのですが、そんな変な略し方はありませんものね。
アームストッパーとは?という話をしますと、前項の戸当たりと同じ用途で、扉が開きすぎるのを止めるための、アーム型の戸当たりです。
具体的な製品をご紹介しますと、例えば、以下👇のようなモノがこの略語「MS」で示す、アームストッパーになります。
何じゃこりゃ?🥴
って感じですよね?👀
ちょうどいい写真がありませんで、この👆製品の商品画像でのご説明になるのですが、以下👇のスケッチのような形で使用します。
右側に建具枠がありますので、開き戸の左の吊元を見上げたイメージで、扉が開いた状態が描かれたスケッチになります。
建具枠上部と扉上部に取り付け、扉が開くと枠側のサヤから中のアームが伸びてきて、所定の位置まで伸びてくる・・というような便利な代物(しろもの)です。😘
もう少し、ヒネった機構のモノですと、以下👇のようなアームストッパーもあります。
これはちょっと説明が難しいので、商品紹介までとさせて頂きますが、とにかく建具の上部に取り付けることで、通行の邪魔になったり、壁の有無に関わらず扉をストップさせることができるのが、アームストッパーです。👌
ここまで便利な代物(しろもの)でなくても、公団戸当たりと呼ばれる、こんな製品もアームストッパーの一種になります。
こんな👇感じに扉の上部に取り付けて、扉が壁に当たるのを防ぐための戸当たりです。
壁側に受けが付けられるような場合は、引っ掛けておけるようなタイプも存在しますが、通常、「公団戸当り」というと、このような形で使用します。
先ほどのアームストッパーほど便利な機構はないのですが、これはこれで意外と便利です。👍
話はやや逸れてしまいましたが、何はともあれ、略語「MS」はこれらのような「アームストッパー」を示す略語ということになります。
DC
略語「DC」は電気でも使われますが、建具系で使用される場合・・・
英語表記「Door Closer」、カタカナ表記「ドアクローザー」の頭文字を取って、「DC」と略されます。
または「ドアチェック」の英語表記、「Door Check」の略でも同じですので、要するに以下👇のような金物を「DC」との略語で表記するということです。
このドアクローザー(ドアチェック)はお馴染みだと思いますが、扉の開閉速度を調整することができる機構を持った金物ですよね。🙂
これ👆は鋼製扉用ですが、もちろん内装建具用の「DC」もあります。👇
開き戸タイプの玄関ドアには付いていると思いますので、使い方のイメージはお分かりになられると思うのですが、以下👇のように、これもドアの上部に取り付けられるモノです。
また、略語解説としては、話が逸れてしまいましたが、略語解説としましては、建具系で使われる略語「DC」は、これら👆のドアクローザー(ドアチェック)を示す略語になります。
建築図面の略語シリーズの目次
冒頭にも貼ったのですが、今回は最終回ですので、建築図面に見られる、分かりにくい略語を解説してきた略語シリーズの目次を今一度ここで貼っておきます。
最終回と言いつつ・・・
実は、まだ準備中の投稿もあるのですが、順次UPしていきますので、略語に困られている方がいらっしゃれば、参考にして頂ければと思います。👍
- 第一弾:建築図面の略語解説(平面図系)
- 第二弾:立面・断面図系の略語解説
- 第三段:建具記号関連の略語解説1/2
- 第四段:建具記号関連の略語解説2/2 👈今回
なお、建築図面の見方(読み方)自体については、以下の投稿で住宅平面図を元にザッとご説明していますので、必要に応じて、合わせてお立ち寄りください。🙌
今日のまとめ
本日は、サラッとまとめられるものと思って書き始めた、建築図面に見られる略語表記の内、建具系の略語についての後半(2/2)ということで、主に建具金物関係に使われる略語の解説をして参りました。
建具関係で、今思いつく限りの略語を挙げてきたつもりですが、不備不足があるかもしれません。😓
思い出せば、また追加していくように致しますが、ご不明な略語がありましたら、お手数なのですが、コメントを頂ければ、追加するように致します。
思ったより数が多くて、しかも略語解説だけでなく用語解説まで入れてしまいましたので、思いもよらず長文投稿になってしまいましたが、どなたかの何かしらのお役に立てれば幸いです。😌
本日もお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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