今日は、まだ完全な裏付けは取っていないのですが、以前から気になっていたポリカーボネートの割れと熱による変形についてのお話です。
ポリカーボネート(ポリカ)は熱による変形が大きいことから、キッカリに作ってしまうと、収縮して割れてしまう・・・とは認識していましたので、気を付けてはいたのですが、
ここのところ、屋外で屋根材的な用途として使用している部分での、ポリカーボネート板の割れが目立ち始めていました。😟
そんな中・・・😳
つい数日前に「えぇっ?💦こんなに変形すんの??😱」という場面に遭遇しましたので、建築士としてお恥ずかしい限り😓なのですが、興奮冷めやらぬうちに、その旨をまとめておこう、という内容になります。
また、筆者の建売マイホームでの、ポリカの割れや熱変形の実例をご紹介しつつ、その因果関係を整理して、割れを防ぐためのポイントや対策についても解説していきます。🤗
どなたかの何かしらの参考になれば幸いです。🙏
ポリカーボネート板の割れの実例
まずは、筆者の建売マイホームで、数か月前から気になりだした、ポリカーボネート(ポリカ)板の割れてしまっている部分をご紹介します。
箇所としては、だいぶ古めの投稿「撥水剤の使用感について」で撥水剤を塗った個所として、ザッとご紹介した子供用の屋外物入の屋根と、その内ご紹介しようと思って未だにまとめ切れていない💧、勝手口のちょっとした屋根になります。
子供用の屋外物入屋根のポリカの割れ
屋外の子供用物入の屋根に見られるポリカーボネート(ポリカ)板の割れからです。
造ったのは、3~4年くらい前でしたでしょうか・・・ 🙄
乱雑になりがちな子供たちの遊び道具関係を仕舞っておくため、玄関前にこんな👇物入をDIYで作りまして、中に雨が落ちないように、屋根の代わりに天板の上にポリカーボネート(ポリカ)板を載せておりました。
屋根代わりになる部分ですので、本来はキッチリ作って、キッチリ固定してしまいたいところではあったのですが・・・
冒頭でも触れました通り、ポリカーボネート(ポリカ)は熱収縮が大きい!との認識はありましたから、2mmほどのクリアをみてカットし、基本的に天板の上に載せるだけ・・という形で、特に大きな問題もなく3年ほど運用していました。😑
筆者の建売マイホームの建っている地域は、丘の上ということもあって風の強い地域ですので、置いただけですと、風で飛んだりしてしまいますので、角っこの部分のみを軽く押さえ込んで固定するような、ちょっとした簡易的な仮留めはしてあります。
割れている箇所としては、この👆面の反対側ですので、ちょっと認識しにくいかもしれませんが、あちら側に廻って、今朝、割れたポリカーボネート(ポリカ)板を撮影したのが、以下👇の写真になります。
それなりの隙間は確保していたつもりだったのですが、カドっこの三角の部分は半年ほど前。
写真中にも記載してある通り、1か月ほど前には、残っていたメイン部分のポリカーボネート(ポリカ)板も真っ二つに割れてしまいました。😭
おそらく、直感だけで決めてしまったクリアランスが足りなかったのだろうとは思うのですが、最も大事なこの梅雨時に、屋根としてまったく機能していない・・という無様な状況です。😩
※古めのポリカですので、もちろん劣化もあると思ってます。
勝手口のちょっとした屋根のポリカの割れ
この勝手口の屋根は、DIY初心者の筆者にとっては大仕事でしたし、色んな実験的な要素も含んだDIYでしたので、ぜひご紹介したいのですが・・・
話が複雑ですので、典型的な理系脳の筆者には色々と難しくって、未だにまとめ切れていません。😓
高校から理数科に入ってしまったので、根本的な国語力がないんですよね・・・。😩
いつも分かりにくく、やたらと長い記事ばかりになってしまって、申し訳なく思っております。🙏
ここも造ってから、丸3年ほど経過しています。
木で軸組を組んで、屋根となる部分については、ポリカーボネート(ポリカ)板を、これまた直感だけを頼りに決めたクリアランスを確保した上で載せている形です。
※この屋根としてのポリカはビスで固定しています。
ポリカーボネート(ポリカ)板が割れているのは、3平方メートルほどの屋根範囲の中で、現時点ではこの👆カドっこだけですので、クリアランスの取り方としては、さほど的外れではなかったのかな・・とは自負していました。
・・・が、冒頭で触れました「えぇっ?💦こんなに変形すんの??😱」という場面に遭遇したのは、他でもなく、この屋根の上だったのです。😫
ポリカーボネート板の熱変形(実例)
では、ポリカーボネート(ポリカ)の割れを引き起こす要因となる可能性の高い、熱による変形の具合をご紹介しようと思います。
時は・・・、つい先日ですので、2021年7/24。😐
梅雨も明けましたので、基本的に30度超の日々が続いている中での午前中の話です。
経緯を説明していると長くなってしまいますので、割愛させていただくことにして・・・
とにかく、この勝手口屋根のポリカーボネート(ポリカ)板と壁の取り合い部に対して、コーキングをしようと段取りをしておりました。
天気としては晴天ではありませんで、やや曇りがちでしたので、作業的な観点で言うと、カンカン照りよりはマシ。💧
・・・なのですが、気温は30度超ではありましたので、以下👇の写真のようにポリカーボネート(ポリカ)屋根には、少し熱による膨張の兆しがすでに見られました。
右上の矢視先×2箇所のポリカ表面が、少しだけ盛り上がっているのがお分かりになられますでしょうかね・・・ 👀
筆者も「ま、この位なら・・・🙄」と判断しましたので、せいぜい高さ1~2mm未満ほどの盛り上がりだったと思います。
この段取りをしているところで、雲行きが怪しくなって、お天気雨が降ってきましたので一時中断・・・ 😩
その後30分ほどで雨も上がりましたので、雑巾で水気をふき取りながら作業を再開・・・💦
・・・したのですが、コーキングを打ち終わる頃には、天気がカンカン照りになってなってしまって・・・
あれよあれよという間に、ムクムクと膨れ上がっていき・・・ 😨
気が付いた時には、こぉ~んな👇状態になってしまいました。😱
「こぉ~んな状態」と書きましたが、違いがお分かりになられますかね?👀
写真👆中にコメントを入れた通り、ポリカと壁の間の取り合い部に写っている白いラインは、5分ほど前に打ち終えたコーキングなのですが、これはあんまり関係ありませんで・・・
要するに、先ほど2mmほどしか盛り上がってなかったはずのポリカ面が、カンカン照りによってもたらされた熱による膨張で、さらにだいぶ盛り上がってしまったんです。🥵
ちなみに、コーキングを打つときは、以下👇のようなマスキングをして打っていきますので、ほぼ水平だったポリカ面に対し、目視レベルですが、ほぼ水平にテープを貼っています。
テープを貼った時には先の1~2mmほどの隆起はあるもの、ポリカ面は基本的に水平。
テープを貼り終えて、コーキングを打ち終わるまでの所要時間は、ヘラで押さえる作業まで入れても、せいぜい3分程度です。
作業の流れとしては、ヘラで押さえた後、直後にマスキングを剥がしていくのですが、剥がしている最中にはすでに隆起が始まっていました。🥶
・・・が、コーキング打ち作業の性質上、テープを剝がしながら狼狽えたりしてはいけませんので・・・
だいぶ焦りつつも平常心を保って、マスキングテープを剥がした後に、これら👆👇の写真を撮影したわけです。
要は、隆起が始まってからは、ものの3分ほどの間に、さらに10mm(1cm)ほども盛り上がった!ということになります。
せっかくの打ったばかりのコーキングも浮いてしまっていますね・・・ 😫
動画でも撮っておけば臨場感も伝わるものと思うのですが、まさかこんな顕著な熱変形があるとは想像していませんでしたし、特に炎天下での、通常のコーキング作業は、スピード感が明暗を分けるものですので、ご理解いただけると有難く思います。🙏
もう少し視線を下げると認識しやすいだろうと思って撮影しておいた写真がありますので、以下👇に掲載しておきます。
多少の盛り上がりはあるとは言え、ほぼ水平だったはずのポリカーボネート(ポリカ)板が、ぜんぜん水平ではなくなってしまっていることが、ご認識いただけるものと思います。
この👆写真の該当箇所を拡大してみますと、こんな👇様子です。
ポリカーボネート(ポリカ)板の平板(ひらいた)だったはずですが、あまりに波々ですので、大げさに言えば、いわゆる波板のようにも見えてしまいますよね。😅
冒頭でも書いた通り、ポリカーボネート(ポリカ)は熱変形が大きめであることは認識してはいたのですが、ここまでの大きな変形を、目の当たりにしたのは初めてでしたので、建築士としてはお恥ずかしい限りなのですが、だいぶ肝を冷やした3~5分ほどの出来事でした。😑
ポリカーボネートの割れと熱変形の因果関係
大そうな見出しになってしまいましたが、筆者は建築士ではあるものの、建築材料や構造は専門外ですので、ある意味で素人的な観点による見方になるかもしれませんが、ポリカーボネート(ポリカ)の割れと熱変形の因果関係を軽く整理してみます。
先👆の屋根部分の断面を模式図的にスケッチで表すと、以下👇のような感じになっています。
屋根材を受けているのは「垂木(たるき)」と呼ばれる部材になるのですが、その骨組みの上にポリカを載せて、野地(のじ)ビスと呼ばれるネジ(ビス)を使って、ポリカの上から、垂木に対してビス止めで固定している・・・という形です。
細かい話をすると、ビス頭とポリカの間にはパッキン代わりに、ゴムのワッシャーが咬ませてあったり・・・
ポリカの熱変形を逃がすため、ビス穴をビス径よりも大きめにしていたりしますので、細かいニュアンスは省略しています。
続きまして、この👆屋根に対し、熱が加わった時にどのような力が掛かるのか・・・という観点で、整理してみたのが、以下👇のスケッチになります。
①については、熱が加わっていない状態ですので、基本的に何の力も掛かりませんから、上図で示した通常時の平坦な状態です。
これに日差しなどによって、熱が加わることでポリカは水平方向に膨張しようとし始めますので、②図の赤矢印が、その力を示しているつもりです。
赤矢印の方向には野地ビスがありますが、多少のクリアはありますので、そのクリアの分だけは水平方向に膨張することができる訳です。😁
・・・が、このクリアが、ここではせいぜい1mm未満しか取れていませんので、すぐに行き詰まってしまって、水平方向には膨張できなくなることで、力は青矢印で示したような垂直方向に切り替わることになります。
これが、最初にお見せしたこの👇写真の状態ですね。
その後、日差しがさらに強くなって、筆者がコーキングを打ち始め、マスキングを外すまでの間に、③図の二本の赤矢印で示したような、水平方向のさらなる力が加わります。
加わるのですが・・・
既述の1mm未満のクリアはすでに埋まってしまっていますので、水平方向には膨張することはできず、すぐに三本の青矢印で示した垂直方向への変形に切り替わります。😬
仮に、ここで垂直方向に変形できなような、仕掛けがあったとすると・・・
垂直にも変形することができず、力の逃がす場がなくなってしまって、ポリカが持っている強度を超えてしまうと、破断してしまうことになります。
ここでビスの固定が甘ければ、ビスが飛ばされてしまいますよね。😱
※何か所かそれっぽい箇所もすでにありましたし・・・。
垂直方向に変形するしか選択肢がなくなったポリカは、垂直方向に何の障害もないことをいいことに、どんどん膨れ上がって、あれよあれよ😨という内に、10mm(1cm)ほども膨れ上がった😫、ということですよね。🤔
おそらくですが、訳があって今回の作業でコーキングを打ったわけなのですが、このコーキングが固まっている状態だったとすれば、ポリカは垂直方向にも膨張できなかったことになりますので、どこかが破断、つまりポリカが割れてしまっていた可能性も十分にあります。
たまたまコーキングを打っている最中、もしくは打った直後で、コーキングが全く硬化していなかったため、せっかく打ったコーキングを持ち上げたりしながら、思う存分、垂直方向に変形することができたというわけです。
コーキングが硬化していたとしても、ポリカの膨張力よりコーキングの付着力が劣れば、コーキングが外れることになりますけどね。😕
ですので、事情があってコーキングをしたのですが、垂直方向へ変形できる余力を残すような形の、コーキングではない別の方法論を検討しなければいけないってことになりました。😓
分かっちゃいたんですけど、コーキングしか選択肢がなかったから、コーキングをすることになったんですが・・・。😥
ちなみに、ポリカーボネート(ポリカ)も際限なく変形し続けることができる訳ではありませんので、変形の限界を超える時には破断して(割れて)しまいますので、当たり前と言えば当たり前なのですが、最後に付け加えておきます。👌
ポリカーボネートの割れを防ぐポイント
これらの現実を踏まえまして、ポリカーボネート(ポリカ)の割れを防ぐポイント、つまり割れないようにするポイントを考えてみましょう。🤗
もっとも大事なのは、やっぱり、ここで見てきたようなポリカの熱による変形(熱収縮)を、いかに逃がすか?という点になります。
※変形を止めるのではなく逃がすことが重要という意味です。
もちろん劣化による割れもありますが、これはある意味で防ぎようがありませんので。😓
以下、筆者の主観になりますので、大変恐縮なのですが・・・
項目ごとに、実例をお出ししながら、ポリカーボネートの割れを防ぐポイントをご説明していきます。👊
なるべく広めのクリア(隙間)を確保する
例えば、先ほどご紹介した子供用物入屋根の例でご説明しますと、ポリカーボネート(ポリカ)板を設置しようとしている面に、以下👇のような身動きが取れない挟まれたような箇所については、可能な限り広めにクリアを取ることが重要です。
既述の通り、ここ👆では屋根という用途から言って、クリアはなるべく少なめにしたかったため、両側1mmほどのクリア(隙間)しか確保してなかったのですが・・・
いくつ取ればいいのか?という具体的な数字は断言しにくいとは言え、もう少し取っておかないと、割れてしまうということですよね。😩
100%の主観による個人的見解にはなるのですが、ここ👆については両側1.5mmずつ取っていれば、割れなかった気がします。😒
この部分の場合は屋根ですので、どう考えても1mm以上は難しいのですが、用途上問題のない範囲で、なるべく広めのクリア(隙間)を確保するようにしましょう。🤗
膨張できるよう逃げ場を作っておく
次に、勝手口屋根の例に移ります。
ポリカの割れを避けるためには、今回ご紹介してきたような熱による膨張で、膨らんでしまうのを抑えようとするのではなく、逆に膨らむことができる逃げ場を用意しておく・・・というのも、大切なポイントになります。
例えば、以下の写真でご説明しますと・・・
手持ちのポリカーボネート(ポリカ)板の巾が600mm(60センチ)ほどのモノしかなかったため、左側のポリカを先に敷き、その上に右側のポリカを載せて、中央の母屋(赤矢印がある部分)の上で重ねて固定しています。
重ねた部分から水が廻ることを避けるため、重ねた部分の小口にコーキングをしているのですが、
この部分に熱変形による動きが出てしまうと、コーキングが切れてしまうため、ビス(ねじ)のピッチは狭くしてあります。
今回の作業で、右側端の壁との取り合い部にはコーキングをしてしまいましたが、逃げ場を用意しておく・・という観点では、好ましくない行為です。
その他の部分については、ポリカーボネート(ポリカ)板に多少ふくらみが出ても大きな問題はないことから、風で吹き飛ばされることを防ぐレベルという意味で、ビス(ねじ)のピッチは広めに設定しています。
結果的に、知らぬ間に既述のような激しい隆起が起こっていた😱・・・ということになるのですが。
例えば、下地が組まれた四角いマスで考えた場合、四周を狭いピッチで固定してしまうと、膨らむことが許されるのは、マスの中央部だけになってしまいますので、破断を起こす可能性が高まってしまうことになりますよね。🤔
ですので、膨張しても影響の少ない部分については、固定するにしても間隔を広めに取るなどして、なるべくポリカが膨張できる逃げ場を確保してあげることも、大事なポイントになってきます。
ポリカの割れを防ぐその他のポイント
途中でも触れてきました通り、ビス(ねじ)を打つためのポリカーボネート(ポリカ)板への穴孔けの径は、ビス(ねじ)の径よりも大きめにして、水平方向の膨張を(ある程度)飲み込めるようにしておくことも、非常に重要なポイントになります。
以下👇は、今回のコーキングを施工する前に撮影した写真です。
クリア(隙間)を確保する話は既述の通りですので、割愛しますが・・・
この👆部分については中間のビスですので、どっちにしても苦しいのですが、両サイドからの熱膨張に耐え切れず、ポリカの垂直方向への変形の際に、引き抜かれてしまいそうになった形跡が見られます。😳
この症状から、パッキンをもっと厚めで柔軟性のあるモノにする必要性も感じられますね。🤔
仮に、ポリカのビス穴自体が大きくなければ、水平方向の変形が発生した際に、膨張することができなくなってしまいますので、その段階ですでに、間違いなくポリカ自体が割れてしまいます。🥶
可能な限り、穴を大きめにして、緩めの固定で済ませることができるような工夫が必要であり、これも大切なポイントのひとつになるということです。👌
今日のまとめ
本日は、つい先日たまたま目の当たりにすることになった、ポリカーボネート(ポリカ)の熱による変形と、最近気になるケースが増えてきた、このポリカの割れについて、筆者の建売マイホームで見られる症状をご紹介しながら、その因果関係を考察し、ポリカの割れを防ぐための措置について考えて参りました。😐
このポリカの割れと、熱による変形の関係については、理屈で考えれば当たり前の話なのですが、キチンと整理することで、具体的な対策が見えてきたりします。👍
ちなみに、ポリカーボネート(ポリカ)の熱収縮は大きめ!と認識していますし、実際にそうなのですが・・・
建築的な観点でなく、WEBで調べる限り、工業製品的な観点(?)では、耐久性は高いし、熱による変形も少ないし、安価だし!と言われています。
確かに、他のプラスチック製品に比べれば、優れた性能を持つ、優秀な素材であることには違いはありません。
ポリカの物理的性能や優秀さについては、専門のショップさん👉NSDpaint 楽天市場店などでご確認頂ければと思います。
ポリカーボネート(ポリカ)の割れに困られていらっしゃる方、どなたかの何かしらのお役に立てれば幸いです。😌
今日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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