今日は、窓解説と図面表記シリーズの第三弾としまして、「横滑り出し窓」をテーマにお話しします。
主に「横滑り出し窓」の基本事項についてのお話になりますので、読み方、英語表記(英訳)、種類と形状と、後半では「横滑り出し窓」の図面の書き方(図面表記)について解説します。
図面表記については、横滑り出し窓の平面図と立面図上での実際の書き方例のご紹介となります。☝
滑り出し窓系は、防犯面で色々と難しい面もあるのですが、その辺りのお話は、別の記事で詳しくお話ししようと思っていますので、後半で軽く触れる程度にさせて頂きますね。😉
窓解説と図面表記シリーズ目次(予定)
ようやく第三弾まで辿り着いた所ですが・・・ 😓
予定している、窓解説と図面表記シリーズの目次を以下👇に整理しておきます。
- 窓解説 第1弾:引き違い窓 編
- 窓解説 第2弾:上げ下げ窓 編
- 窓解説 第3弾:横滑り出し窓 編 👈今回
- 窓解説 第4弾:縦滑り出し窓 編
- 窓解説 第5弾:片引き窓 編
- 窓解説 第6弾:嵌め殺し窓 編
- 窓解説 第7弾:ルーバー窓 編
- 窓解説 第8弾:内倒し窓 編
- 窓解説 第9弾:外倒し窓 編
- 窓解説 第10弾:オーニング 編
- まとめ:窓種類と図面表記まとめ
- 他1:引き違い窓のサイズの見方
- 他2:住宅平面図の窓記号の読み方
- 他3:外倒し窓の開閉の仕方✕4選
- 他4:上げ下げ窓の下障子の倒し方
※UPでき次第、ここ👆にリンクを貼っていきます。
一般的に使われがちな窓種類については、概ね網羅できていると思うのですが、思いつくままの主観で決めてしまっていますので、計上し忘れなどがありましたら、恐縮ながらご容赦願えればと思います・・・。🙏
横滑り出し窓とは?
では、横滑り出し窓とはどんな窓の種類なのか?という件から、始めます。💨
当シリーズの他の記事と同様に、横滑り出し窓の読み方、英語表記(英訳)、形状と種類という順で進めていきます。🙂
横滑り出し窓の読み方
「横滑り出し窓 」の読み方からです。
まず、いきなりニュアンスが逸れますが、書き方として何通りかありまして、「横辷り出し窓」、「横すべり出し窓」などと表現される場合が多々あります。😑
どれが正解か?と聞かれると困ってしまいますが、基本的にどれも同じ「横滑り出し窓」を示していまして、読み方は「よこすべりだしまど」で共通です。☝
個人的には、この「よこ」もそうなのですが・・・
「すべりだし」との表現が、その形式を分かりにくくしているような気がする😕のですが、とにかく「横滑り出し窓」の読み方は「よこすべりだしまど」 となります。
※横に滑り出すと呼ぶには難があるような気がする・・という意味です。
横滑り出し窓の英訳 (英語表記)
お次は、「横滑り出し窓」の英訳(英語表記)について。
実務レベルでの英語として通用するかどうかは別として、「横滑り出し窓」の英訳(英語表記)はGoogle翻訳さんに拠れば「Side sliding window」でした。
日本語英語にしますと、「サイドスライディングウィンドウ」になりますので、日本語に戻すと「側がスライドする窓」ですよね。
開閉形式は後述しますが、形式的には的外れな印象はありません。
その他、Weblio翻訳さん等で「projected window」との英訳も見られましたが、逆にこれらは個人的にはちょっと違うんじゃないかな・・という気がしてなりません。🤨
なお、リクシルさんサイトを英訳しても同じく「Side slide window」と表示されますので、「sliding」と「slide」の違いはあるとしても、「横滑り出し窓」の英語表記(英訳)のひとつは、「Side sliding window」とさせて頂きます。
※念のためですが「sliding」と「slide」はほぼ同意義です。
ちなみに、次項の話と混ざってしまいますし、話が長くなってしまって恐縮なのですが・・・ 😓
国内でも輸入住宅などで用いられる、海外の名高いサッシメーカーである「アンダーセン」さんや、その他の英語圏のサッシ系サイトを見ますと、「Awning window」という英語で、同様の開閉形式の窓が紹介されています。😐
「Awning Window」をカナ表記にすると「オーニングウィンドウ」となりますが、日本語英語の「オーニング」は「日除け」的な意味で使われていますので、開閉の仕方は何となくイメージが付くのではないかと思います。
なお、これも紛らわしいのですが、国内サッシでも「オーニング」と呼ばれる窓種類がありますが、ここでご紹介している英語版「Awning Window」とは、ニュアンスが違います。☝
これについては、「第10弾:オーニング窓 編」でご説明する予定です。
「Awning Window」は、原則としてサッシ上部にヒンジが付いていて、庇のような形状に屋外に突き出すタイプの窓を指しますので、少し形式のニュアンスが違うのかもしれませんが、写真を見る限り「横滑り出し窓」とほぼ同じ形式に見えます。🤔
厳密には、国内の「横滑り出し窓」との開閉形式の違いがあるかも知れないのですが、「Awning Window」が屋外に突き出して開く形の窓を指すことまでは客観的事実で・・・
これら👆の写真には「横滑り出し窓」特有のサイドのアームが写っていますので、ほぼ同じ窓種類を指しているものとして間違いないものと思います。
ですので、実務レベルの「横滑り出し窓」の英語表記(英訳)としては、この「Awning Window」を正解としましょう。😉
横滑り出し窓の種類と形状
英語表記でだいぶテコずってしまいましたし、話が前後してしまいまして、申し訳ありませんでしたが・・・ 😩💧
気を取り直しまして、次に、「横滑り出し窓」の種類と形状の解説に移っていきます。👊
横滑り出し窓の形状と開閉形式
すでに「Awning Window」として内観はお出ししてしまった所ですが、横滑り出し窓の外観形状をご紹介しますと、以下👇のような形状となります。
用語の文字面の印象からは、横に滑り出す・・というイメージになってしまいますので、横には滑り出してはいないような気がしません?
そんなことに拘っているのは筆者だけでしょうかね・・・ 😅
ま、この件はそもそもあんまり重要ではありませんので、筆者の胸の内にしまっておくとして・・・
とにかく横滑り出し窓の外観形状としては、この👆ような形になるということです。☝
別の写真を使ってもう少し細かくご説明しますと、横滑り出し窓の開閉形式としては以下のオレンジ矢印のようなイメージで、下りつつ屋外にせり出す・・という感じで開きます。
10数年前までは「突き出し窓」という言葉がありましたが、開閉形式的に見ますと、その方が適切なネーミングのような気がします。🤫
※なぜか最近はあまり聞かなくなりましたね・・
横滑り出し窓の種類
横滑り出し窓の種類としましては、基本的にこのような開閉形式のモノだけですので、大きく分けると実は一種類しかありません。😑
細かく分けると、ハンドルの違いで以下👇のようなカムラッチ/オペレーターの違い。
※電気的に開閉できるような電動もあります。
あと、取付高の違いで「高所用」などという種類が、メーカーさん側では設定されている場合がありますが、基本的にモノとしては同じモノになりますので、横滑り出し窓の種類は、大きくは一種類とお考えいただいて大丈夫です。☝
念のためですが、カムラッチハンドルは普通の人力だけで開閉するハンドルです。
オペレーターハンドルはクルクル廻して開閉する、人力はあんまり使わないタイプのハンドルになります。🙂
横滑り出し窓のサイズのバリエーション
では次に、横滑り出し窓のサイズ(大きさ)のバリエーションがどのくらいあるのか?、見ていきましょう。🤗
先ほど製品の外観写真をご紹介したのはLixilさんの製品なのですが、筆者が個人的に見慣れているYKKapさんのフレミングJというシリーズの横滑り出し窓での解説とさせてください。😅
YKKapさん側での名称としては、単なる「すべり出し窓」となるのですが、この製品の規格表をカタログからお借りしたのが以下👇の画像になります。
表内の右下の白い16マス各欄内に「03603」、「07409」などとの五桁の数字が記載されていますが、この数字の記載のある欄が、既製品として取り扱いのあるサイズであることを示しています。
※空欄が1マスありますので、このサイズは取り扱いナシの意。
また、この五桁の数字が、横滑り出し窓の内法寸法でのサイズ(大きさ)を表していまして、この横滑り出し窓は、全部で15種類のサイズのバリエーションが存在するということになります。☝
- この👆五桁の数字は呼称なのですがこれの見方は、こちら👉「図面の見方01」のこの辺りで解説しています 。
- 規格表中の「ROW」や「ROH」表記については、こちら👉「その他の建具系略語:ROW、ROH、RH、Rh」を参考にしてください。
また、一見とっつきにくい表に見えるかもしれませんが、サイズ一覧表と見立てると、非常に便利ですので、この👆規格表(サイズ一覧表)の見方の詳細については別の記事のこの辺りを参考にしていただくとして、ぜひご活用いただきたい資料になります。🤗
通常、どのメーカーさんでもカタログ内に掲載のある表になりますので、「サイズはどれくらい選べるのかな🙄?」などと思った時には、とてもお勧めです。👍
※各メーカー、シリーズによってサイズ設定はやや異なります。
ただ、特に大きめの工務店さんや住宅メーカーさんの場合、何種類かのサイズだけを標準仕様として設定して、その他のサイズについては、オプション扱いにして、ややお高めの設定になっているようなケースもありますので、この点についてはご注意いただいた方がいいですね。🤔
横滑り出し窓の書き方:図面表記
では、横滑り出し窓の建築図面上での書き方、つまり図面表記の解説に入ります。😉
当シリーズで統一のレイアウトでのご紹介なのですが、今一度ご説明しておきますと、左側(スマホでは上)が立面図上での書き方(図面表記)例、右側(スマホでは下)が平面図上での図面表記(書き方)例という並びになっています。
※立面図の方は外観です。
紙面の関係もあって、二つの横滑り出し窓が並んだイメージで描いてみたのが、以下👇の図になります。
寸法的には正確ではないのですが、06007ほどのイメージです。
図2の平面図での表記は、上段が詳細図などで用いられる1/50ほどのスケール、下段が一般的な1/100ほどのスケールで描く図面での書き方例になります。☝
立面図での横滑り出し窓の書き方(図面表記)は、図1で示したような表記で、ほぼ統一されています。
・・・が、平面図での書き方は、図面を描く人によって違いがありますので、図2では二通りの表記例を掲載しておきました。🙂
「こちらが正」と「たまにある」と二通りのコメントを入れたのですが、個人的にはどちらも正解と言えば正解だと思っています。
ただ、右側の「たまにある」の表記例の場合、後日まとめる予定の第九弾でご紹介する「外倒し窓」と呼ばれる窓との違いが表現しきれていないという欠点はありますね。😕
紛らわしいということで、左側の「こちらが正」の表現が最近は増えてきているようですが、図面としては、本来は開閉の軌跡を描くべきところですので、個人的には右側の絵に「横すべり」や「突き出し」などとのコメントを入れた方が適切な表現ではないかと思ってはいます。🤔
横滑り出し窓のメリット/デメリット
さて、最後の章になるのですが・・・
この横滑り出し窓のメリット/デメリットについては、別の記事で(いつか)まとめようと思っていますので、ザックリにさせて頂きます。🙏
横滑り出し窓のメリット(長所)
横滑り出し窓を採用することで得られるメリット(長所)としましては、何といっても、庇代わりになる!という点ですよね。😘
要は、雨が降ってきてもイチイチ閉めて回らなくてもいい!という、圧倒的に素晴らしい🙌メリットを持ち合わせているのが、この横滑り出し窓です。👍
筆者は大好きな窓ですし、主婦の方々には何とも有難い窓なのではないかと常々思っているのですが、あまり皆さんは意識されていないのでしょうかね・・・ 😕
お客さんにお勧めしても、残念ながら「ふーん😶、だから何よ?」という、寂しい反応が多いので、最近はあまりお勧めしなくなってしまいました。😓
昨今は軒の出がちょっとしかないお宅が多いはずですので、他の窓ではありえないほど圧倒的なメリットだと思うんですがね・・。😞
横滑り出し窓のデメリット(短所)
横滑り出し窓を採用する上でのデメリット(短所)は、これも圧倒的に不便な・・・ 😢
1Fに付ける場合でも、面格子が付けられない!😨というデメリットがあります。
ま、無理をすれば、以下👇のような、少し腕が長めの面格子を付けることはできるのですが・・・
開けっ放しにできることが最大のメリットである横滑り出し窓が、数センチしか開かないのでは本末転倒ですし。
内側に面格子を付けるという手もある訳ですが、牢屋や精神病院のよう😱になってしまいますので。😓
何かいい方法がないか・・これも常々考えているのですが、画期的な案はまだ見つかっておりません。😟
今日のまとめ
今日は、窓解説の第三弾としまして、ここ10数年くらいで割とよく使われるようになった印象のある、横滑り出し窓について、横滑り出し窓とはどういう窓なんだ?というテーマで、その種類や形状を含めた基本事項や、図面上での書き方(図面表記)をご紹介して参りました。
横滑り出し窓のメリットとデメリットにも、最後に軽く触れましたが、この件については個人的に色々と思う所がありますので、マニアックな話になるかもしれないのですが・・
いつか、詳細をまとめたいと思っていますので、期待されることなく、気長にお待ちいただけると有難く思います。🙏
なお、他の窓もそうですし、当シリーズでは同じ話を毎回書いていますので、しつこくて恐縮なのですが・・・ 😓
図面の書き方は、建築基準法なんかで定められている訳ではなく、明確な統一ルールが存在しないため、会社のルールや図面を担当する設計者さんによって、書き方のニュアンスが変わってきてしまいます。💧
もちろん筆者のせいではないわけですが、紛らわしい図面表記があることについて、この場を借りまして、お詫び申し上げる次第です。🙏
また、この点についてご理解いただいた上で、何かしらの参考にしていただければ幸いでございます。😌
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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