今日は、引続きの窓解説と図面表記シリーズの第八弾としまして、「内倒し窓」をテーマに諸々の解説をしようと思います。😐
前半では、主に「内倒し窓」の基本事項の確認としまして、読み方、英語表記(英訳)、種類と形状などをご説明し、後半では、内倒し窓の図面での書き方を、平面図と立面図での図面表記を例にして解説します。
新築の計画時、リフォーム計画の際などの、窓選定にお役立ていただけると幸いでございます。😉
窓解説と図面表記シリーズ目次
現状で予定している、窓解説と図面表記シリーズの目次をご紹介させていただきますと、以下👇のような流れで進めているところでして、全10連載予定なのですが、ようやく第八弾に辿り着いたところです。
- 窓解説 第1弾:引き違い窓 編
- 窓解説 第2弾:上げ下げ窓 編
- 窓解説 第3弾:横滑り出し窓 編
- 窓解説 第4弾:縦滑り出し窓 編
- 窓解説 第5弾:片引き窓 編
- 窓解説 第6弾:嵌め殺し窓 編
- 窓解説 第7弾:ルーバー窓 編
- 窓解説 第8弾:内倒し窓 編 👈今回
- 窓解説 第9弾:外倒し窓 編
- 窓解説 第10弾:オーニング 編
- まとめ:窓種類と図面表記まとめ
- 他1:引き違い窓のサイズの見方
- 他2:住宅平面図の窓記号の読み方
- 他3:外倒し窓の開閉の仕方✕4選
- 他4:上げ下げ窓の下障子の倒し方
※UPでき次第、ここ👆にリンクを貼っていきます。
比較的ポピュラーな窓については、一通り網羅できてるかな・・とは思っておりますが、何か忘れているようでしたら、お声掛けいただけると助かります。😅
あと、一息ですね・・・😁 頑張らねばっ!👊
ちなみに、それぞれの窓種類ごとの別々のご紹介ですと、窓選定の時もそうですが、実際に建築図面を解読しようとする際は、ちょっとやりづらいですよね。
そんな訳で、まだ先になるのですが、これらとは別に「窓の種類と図面表記まとめ」としまして、一覧的に使えるイメージの記事も準備しています。
21.11/10追記:これも「11」👆にUP済みです
・・・が、当サイトは本業の合間を縫っての更新につき、まだ少し先になってしまいますので、期待はされることなく、気長にお待ちいただけると有難く思います。🙏
では、始めていきましょう 🤗
内倒し窓とは?
「内倒し窓」とはどんな窓か?、これも文字通りではあるのですが、一言で言いますと、内側に倒せる窓です。
要は開閉形式として、障子を内側に倒すことで開かせることができる形式・・ということですね。🙂
あまり頻繁に使われる窓ではないのですが、2~3件に1件くらいでしょうか・・・
お風呂ではよく採用される印象がありますね。🙄

(YKKapさんWEBカタログより抜粋引用)
似たような使われ方をする窓として、横滑り出し窓がありますが、これと比較すると、外に突き出すわけではなく、室内側に倒れてきますので、狭小地向け・・などと謳われているのをよく見かけます。
でも、どちらかというと、横滑り出し窓は面格子が(基本的に)設置できないのに対し、内倒し窓の場合、この辺りを気にする必要がないというのはメリットかと思います。😙
内倒し窓の読み方
さて、基本事項の確認コーナーですが、「内倒し窓」の読み方です。
「内倒し窓」や「内倒窓」などと表記されますが、読み方はどれも共通で「うちたおしまど」になります。☝

後者の「内倒窓」表記を指して、強いて「ないとうまど」と呼んだりしないで大丈夫です。😅
内倒し窓の英訳 (英語表記)
お次は、「内倒し窓」の英語表記(英訳)を確認してみます。
まず、YKKapさんやリクシルさんのサイトを英語に翻訳してみますと、「内倒し窓」の英語表記は「Inverted window」となります。🤨
※三協アルミさんサイトも同様。すべてEdgeでの翻訳です。
今一つピンときませんので、Google翻訳さんでも調べてみましたら、「内倒し窓」の英訳としては、「Inside window」と出てきました。 🤨🤨💧

(翻訳後画面のスクリーンショット)
釈然としないままですが、上記の二つをキーワードに、海外サイトで窓を販売しているサイトなどで検索を掛けてみたのですが、どちらも「内倒し窓」らしきモノは引っ掛かってこないんですよね・・・ 😫
要は、どちらもニュアンスが逸れている・・可能性が大きいということな訳ですので、そろそろ結論をまとめさせていただきますと・・・
正確な英訳ではないかもしれませんが、「内倒し窓」の英語表記(英訳)は「Hopper window」でいいようです。☝
厳密には、次の第九弾でご紹介する予定の「外倒し窓」も、この「Hopper window」に該当しそうなのですが・・・
以下の画像は、海外のModernizeさんという住設関連を扱う会社さんの、サイトで紹介されている「Hopper window」の画像になるのですが、見る限り「内倒し窓」以外の何物でもないためです。😕
※内倒し窓の形状については、次項にてご紹介しています。
221220追記
この👆Modernizeさんサイトへのリンクを貼っていたのですが、残念ながらいつの間にか見れなくなってしまったようです。
海外のサイトさんは難しいですね・・・😓

(
とは言え、YKKapさん、Lixilさん、三協アルミさんサイトで表示される「内倒し窓」の英訳「Inverted window」については、共通で同じ翻訳が表示されることから、もちろん無視するわけにはいきません。😓
前半の「Inverted」という単語は、「invert」の派生語ですが、日本語英語にすると「インバート」ですので、一般的には「ひっくり返す」や「逆にする」的な意味合いですよね。
ただ、最終的には手持ちの英和中辞典で調べたのですが、この「invert」は「内転する」という意味合いも持っているようですので、「内倒し窓」の英訳として、大きくズレているわけではなさそうな印象でした。😐
ですので、自分勝手な解釈で恐縮なのですが・・・
海外での実務レベルでは使われていない英訳になりそう・・という意味で、ここでは「Inverted window」は「△」とさせていただくことにしました。

Google翻訳さんの「Inside window」については、直訳しますと、「内窓」という感じになってしまうはずですので、「内倒し窓」の英訳(英語表記)としては、個人的にはだいぶ違和感がありますので、「?」マークを入れさせていただきました。😉
・・・と、まとめ上げたところではあるのですが、正直なところ相変わらずピンとは来ていないことは事実ですので、「窓」を除いた「内倒し」だけで、Google翻訳さんで英訳を見てみましたら、「Inward」と出てきます。
ということは必然的に、じゃあ内倒し窓の英語表記(英訳)は「Inward window」になるのかな?
とも思ったのですが、このキーワードでも「内倒し窓」は、一切引っ掛かってきませんでした。😖
英語も奥が深いですね・・・ 😑
中途半端な終わり方で申し訳ないのですが、以下に参考にさせて頂いた海外サイトをご案内しつつ、この項は終わらせていただこうと思います。🙏
参考にした海外サイト
・Modernizeさんサイト:参照ページ
・Indiamartさん サイト :参照ページ
・Alibaba.comさん サイト :参照ページ
・Andersenさん サイト :参照ページ
・American Windowさん サイト :参照ページ
・Wikipediaさん(英語) サイト : 参照ページ
・HomeStratosphereさんサイト:参照ページ
内倒し窓の形状と種類
さて、例によって英訳コーナーでだいぶテコずってしまいましたが・・・ 😓
めげずに気を取り直しまして、「内倒し窓」の種類や形状のお話に入らせていただきます。👊
内倒し窓の形状
すでに前項でも、内観写真を掲載してしまいましたので、今さら感もありつつ・・
一般的な内倒し窓の外観形状を、YKKapさんのフレミングJというシリーズからご紹介しますと、以下👇のようなイメージの窓になります。
※外観ですので、手前側が外部、あっちが内部です。👌

(建材百貨店さんからの出展)
前半の内観写真でご紹介した通り、内倒しですので、外側には出っ張らず、内側に倒れ込んでいる様子がお分かりになられるかと思います。🤔
ちなみに最近、YKKapさんの製品での説明が増えていますが、決して、筆者はYKKapさんからの回し者ではありませんので。😅
何となく、画像が貼りやすいだけです・・・。
でも実際、設計屋はYKKapさんを推薦する場合が多いように思います。
施工屋さんはLIXILさんが多い印象。←100%の主観です。😑
この👆写真で写っている製品はサイズ的には07405という呼称になりまして、見方としては、内法寸法で巾74センチ×高50センチという意味になります。☝
この👆呼称の五桁の数字の見方は、こちら👉「図面の見方01」のこの辺りで解説しています 。
また、開閉の仕方としては、下側にヒンジ的な部材が付いていて、上部に「トップラッチ」と呼ばれるラッチが付いてして、このラッチを外すと内側に倒れ込んできて開く・・という形になります。
この開く際の角度については、サッシ高さによって違いがあるのですが、一般的には30度/45度などで調整が可能な製品が多いです。😉
内倒し窓の形状についての補足
内倒し窓は、開閉するためのラッチが上に付いていることから、あまり高い位置にを設置してしまうと手が届かなくなってしまいます。
※身長170cmの人で概ね2mまで手が届くと考えます。
ですので、いずれにしてもあまり高い位置には付けられないのですが・・・
室内側に倒れてくる(出っ張ってくる)開閉形式になりますから、広めのお部屋でないと、室内側から見た多少の圧迫感は避けられませんし、邪魔くさいような状況になることも無きにしも非ずです。☝

※クリックすると少し拡大できますので、拡大してみてください。
この👆絵は展開図と呼ばれる図面になるのですが、例1として、広くはない部屋と、例2として狭くはない部屋としまして、内倒し窓のイメージを描いてみました。
高さサイズH700で描いていますので、不利側の絵ということにはなるのですが、結構出っ張りますよね・・。😅
高さの低いH500やH300ほどの内倒し窓でしたら、さほど気になるモノにはなりませんが、この点については、ちょっと気にしていただきつつ、ご選定いただいた方がいいかもしれませんね。😉
あと、念のためなのですが・・・
内倒し窓は内に倒れてきますので、カーテンの設置が難しいというデメリットもあります。☝
冷静に考えると当たり前の話なのですが、念のため補足しておきます。😌
内倒し窓の種類とサイズバリエーション
「内倒し窓」の種類としましては、特にハンドルの設定もありませんし、オペレーターで開閉するような機構でもありませんので、特殊なパターンを除いて、原則として一種類のみとお考えいただいて大丈夫です。👌
サイズバリエーション的には冒頭で掲載した写真のような、「6尺(ろくしゃく)」巾用の幅広のタイプと、通常の「3尺(さんじゃく)」巾以内用、それと中間の巾の「4.5尺(よんてんごしゃく)」巾用の3パターンに、大きくは分かれるのですが、同じモノのサイズ違いなだけですので、種類として分かれるわけではありません。☝

※YKKapさんフレミングJWEBカタログからの抜粋引用
これ👆は、YKKapさんフレミングJの内倒し窓の規格表です。
一見とっつきにくい表に見えるかもしれませんが、サイズ一覧表と見立てると、非常に便利ですので、見方の詳細については別の記事のこの辺りを参考にしていただくとして、ぜひご活用いただきたいのですが・・・
左と上の外から三行目の「内法基準」と記載されている、それぞれ縦軸と横軸の欄は、内法寸法での高さと巾のサイズを示しています。
右下のグレーの網掛けが入っていない18マス内に、五桁の数字が記載されているサイズが既製品として取り扱いのある内倒し窓ということになっています。🤔
同じメーカーさん内でも、シリーズ違いだったり、そもそもメーカーが違うと、サイズ設定的にはほぼ同じなのですが、取り扱い範囲は違いますので、ご注意願います。☝
※これはYKKapさんフレミングJの場合の規格表です。
高さサイズは内法寸法で300/500/700、巾サイズは同じく内法寸法で365~740までの4種類で、これだけで12パターン。
さらに、H300の内倒し窓に限り、4.5尺巾用の「W1195」と6尺巾用の「W1650」の2パターンがありますので、全部で14種類のサイズバリエーションとして存在している、ということになります。☝
※ちなみに、寸法表記はすべてmm表記です。
お分かりになられますかね?😲
先ほどリンクを貼りましたが、この規格表の見方については、こちら👉「引き違い窓のサイズの見方」のこの辺りでキッチリ解説していますので、よくお分かりになられないようなら、参考にしていただければと思います。😉
内倒し窓の書き方:図面表記
では、最後のコーナーになりますが、「内倒し窓」の図面での書き方を、立面図と平面図での図面表記を例に取って、ご説明していきます。
内倒し窓の書き方1 :立面図での図面表記
毎度のことなのですが・・・例によって、一間巾(≒1820mm)ほどの柱間に、二つの内倒し窓を設置するとして、立面図的なイメージを描いてみたのが、以下👇のスケッチになります。

立面図での書き方(図面表記)になりますので、要するに内倒し窓の外観を、絵的に表現している形ですね。
サイズ的には、先ほどの規格表にもあった06007のイメージで描いていますから、内法寸法で、巾600mm(60センチ)×高さ700mm(70センチ)の内倒し窓ということです。☝
両方の内倒し窓に入れてある、二点鎖線の「V字」が開閉形式を示しているのですが、「V字」の開いている方が窓の開く側を示している・・と覚えていただければ、基本的にその他の表記もすべて共通ですので、分かりやすいと思います。👍
※二点鎖線でなく点線などで表示される場合があります。
あとは・・・
両窓の下の方に描いてある「FL」と記入した一点鎖線は、建築図面上で見られる水平方向の基準線の一つです。
これについては、略語解説ページのひとコマになるのですが、こちら「建築図面の略語を解説します②(立面・断面系)」のこの項でザックリご説明していますので、必要に応じてご覧になってください。😊
内倒し窓の書き方2 :平面図での図面表記
平面図での書き方(図面表記)についても、先の通りの二つの内倒し窓を並べた形で表記しますと、以下👇のようなイメージになります。
二通りの図面表記を掲載していまして、上段が詳細図などで用いられる1/50ほどのスケールでの内倒し窓の書き方、下段が一般的な1/100ほどのスケールでの図面表記になっています。

特にこの平面図での表記については、描く人などによってバラツキがありますが、ここでは筆者の書き方と、今まで見てきた700件ほどの建築図面での図面表記を元に掲載していますので、おおむね平均的な内倒し窓の書き方(図面表記)になっているはずです。😉
また、前掲の立面図での書き方と同じ話になるのですが、二点鎖線が開閉形式を示す表現になっていまして、平面図では開閉の軌跡を描きますので、開いた時の概ねの障子の位置が表現されることになります。 ☝
※これも二点鎖線でなく点線などで表示される場合があります。
今日のまとめ
今日は、窓の解説シリーズの第八弾としまして、「内倒し窓」をテーマに諸々の解説 、つまりその種類や形状を含めた基本事項と、建築図面における書き方(図面表記)をご紹介して参りました。😐

正直なところ、私事で恐縮なのですが。この内倒し窓の写真を探すのに非常に苦労しました。😓
浴室での使用例はそこそこあるのですが、実際に広い目で見た場合、やっぱり、あんまり使われていないのかな・・という気もしますね。
確かに、外部に面格子は付けられるので、セキュリティー面では横滑り出し窓や縦滑り出し窓に勝るにしても、カーテンが原則として付けられませんので、居室での使用は難しい・・という事実はありますし。 😓
ただ、小さい引き違い窓なんかと比較すれば、開けっぱなしにしていた場合の、雨の吹込みは最低限で済んだりします👍ので、多少なりともメリットもあります。😅
内側に開くとはいえ、斜めに倒れた障子が、少なからず雨の吹込みを受けるはず!という意味です。😤
横滑り出し窓のように、庇的な受け方をしてくれた方が安心は安心なのですが・・ 😞
そんな内倒し窓の解説をツラツラとしてきたところですが、人気がある/ない・・などは別として・・・
少なくとも客観的な事実はお伝えできたものと思いますので、どなたかの窓選定の際などのお役に立てれば幸いでございます。😌💧
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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