今日は、窓解説シリーズ第九弾の「外倒し窓 編」にて、ご説明ができなかった、外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方✕4パターンを、本稿への補足記事として整理します。☝
排煙窓とも呼ばれることの多い外倒し窓ですが、一般的なのオペレーターによる開閉以外にも、実は原始的な開閉の仕方がありますので、各パターンごとに、どのような開閉の仕方になるのか?という点を、ご説明しておこうという内容になります。
外倒し窓(排煙窓)は、この開閉の仕方によって、サイズ設定が異なりますので、これについても後半で簡単にご紹介してあります。🙂
なお、各サッシメーカーさんで開閉の仕方にも違いが色々とあるものと思われますが、今回は、本稿の方で例に挙げさせてもらっている、YKKapさんのフレミングJというシリーズの、外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方を例にお話しさせていただきますこと、予めのご了解をお願いします。🙏
外倒し窓(排煙窓)の種類について
本稿の方でも触れているのですが、「外倒し窓」の種類としましては、今回お話しする開け閉めの仕方に違いはあるとしても、開閉機構は基本的に同じですので、一種類だけとお考えください。☝
もちろんサイズは何種類かありますし、ビル用サッシなどでは特注も効きます。🙂
これについては、本稿「外倒し窓 編」のこの辺りでご説明していますので、お気になれる方は、必要に応じてご参照ください。😌
あと、強いて「種類」としてお伝えするほどの内容でもないのですが、建築基準法に言う「防火設備」扱いにできるかどうか?という意味で、メーカーさんによっては種類が分かれる場合があります。
・・・とは言え、「防火設備」扱いにするための形状的な違いは多少あるとしても、基本的に種類は1種類で、開閉の仕方やオペレーターの仕様だけで違ってくるものとお考えいただいていいかな、と思います。
なお、開閉の仕方としては、各メーカーさんとも何パターンがありますが、今回取り上げるYKKapさんフレミングJの外倒し窓(排煙窓)の場合、5パターンになります。
この5パターンの内の2つは、オペレーターの仕様が違うだけで、開閉の仕方としては同じようですので、次項でご紹介する4つのパターンということで進めさせて頂きます。🤗
外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方✕4パターン
では、前置きも済みましたので、具体的な外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方に入っていきましょう。👊
ここでご説明する、外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方の違いは、以下👇の4パターンになります。
①完全手動1:開放引手+フック棒での復帰
②完全手動2:開放引手+復帰用引手
③オペレーター1 :ハンドルによる開閉
④オペレーター2:ワンタッチ開放+ハンドル復帰
本稿「外倒し窓 編」のこの辺りにフレミングJの外倒し窓(排煙窓)の規格表を掲載しています。
規格表の方でも4種類なのですが、二行目と四行目の「SL-80」と「MD-W」が、ここ👆に示す④に該当しますので、まとめてのご説明となります。
規格表での一行目「排煙錠仕様」については、オプション設定で開閉の仕方が違いますので、これをこの👆①と②の2パターンとしてご紹介します。
ちなみに、不便な順に並べましたので、後半の方が便利な開閉の仕方になっています。😅
開放引手+フック棒による外倒し窓(排煙窓)の開閉
まずは、既述の通りの外倒し窓の開閉の仕方の基本パターンです。☝
YKKapさんより画像をお借りしてご説明しますと、開くときは、左側の「開放用引手」を引くと自動的(?)に外側に倒れていきます。
閉める際には・・・
この👆右側の写っている「復帰用引手」があればいいのですが・・・ 😟
オプション扱いになっていますので、以下👇のような形で、「フック棒」を用いて、原始的に閉める形です。
これも既述の通りなのですが、「フック棒」もオプション扱いですので、低い位置に設置した場合は、この「フック棒」も使わずに、さらに原始的な方法・・・、つまり、手で閉めることになるわけです。😬
ちなみに、フック棒を使用する場合でも、外倒し窓の天端(てんば)高が2.4mほどまででないと届かないようですので、フック棒をご検討の方は、設置高さにご注意いただく必要があります。
手の届く範囲であれば、他の種類の窓であっても、そもそも基本的に手で開閉することになりますから、そんなに大騒ぎするほど不便ではないでしょうかね・・ 😅
閉める際にフック棒を引っ掛けるべき、「復帰用フック」については、次項👇の解説画像の右側に掲載していますので、合わせてご覧になってみてください。
開放引手+復帰用引手による外倒し窓(排煙窓)の開閉
二番目は、「フック棒」ではなく、前項👆でご紹介した「復帰用引手」をオプションで付ける場合ですね。🤔
開閉の仕方としては、開くときの動作は同じで「開放用引手」を引いて開け・・・、
閉める際に「フック棒」は使わずに、この「復帰用引手」を引いて閉める流れになります。
開放時は引手を引くと、上図左の上枠に付いているラッチが外れることで、外に倒れていくということですね。
逆に閉める際は、先の青い方の「復帰用引手」を引いて閉めていき、最後はラッチに嵌めると障子がキッチリ閉まるということになります。🙂
なお、この方式による開閉の場合は、フック棒の長さなどは気にする必要がなくなりますので、①と違って、それなりに高い位置への外倒し窓(排煙窓)の設置が可能になるというわけです。☝
また、後半で各開閉の仕方ごとの、外倒し窓(排煙窓)のサイズバリエーションをご紹介しますが、この完全手動の①と②が、オペレーター仕様に比べて選択肢が多いです。👌
ハンドルによる外倒し窓(排煙窓)の開閉
この三番目と次👇の四番目は、開閉装置、いわゆる「オペレーター」による開閉の仕方になります。☝
YKKapさんのフレミングJの場合、先ほどからご案内している、本稿のこの辺りに掲載してある規格表をご覧いただくと一目瞭然なのですが・・・
外倒し窓(排煙窓)のオペレーターは三パターンほど設定されていまして、三行目に掲載されている「SL-250」というのが、このハンドル式のオペレーターになります。
外倒し窓(排煙窓)自体はもちろんYKKapさんの製品なのですが、オペレーターは別のメーカーになりまして、「オイレスECO(株)」さんと「(株)豊和」さんというメーカーさんの製品になります。
外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方としましては、開ける時も閉める時も、オペレーターに付属のハンドルを、クルクル回して開閉させることになります。
この開閉の仕方については、分かりやすい動画が、オイレスECO(株)さんのサイトで紹介されていましたので、以下👇をご覧になってみてください。
非常に分かりやすいですよね?😅
文章で説明しているのが、バカらしくなるほど、分かりやすかったです。👍
仕組みとしては、要するに、ハンドルが付いているボックス内に、糸巻的な装置が仕込まれていて、ハンドルの回す方向によって、それを緩めるか/巻いていくかが決まって、外倒し窓(排煙窓)が開くか/閉まるかの挙動に繋がってるってことですよね。😊
オペレーターの外観については、次項👇の次の画像の左側に掲載してありますので、合わせてご参照ください。
ワンタッチ+ハンドルによる外倒し窓(排煙窓)の開閉
四番目の開閉の仕方は、同じようなオペレーターではあるのですが、「ワンタッチ式」のオペレーターを使用する開閉です。
ちなみに、前項の三番目としてお話ししたハンドル式は、以下👇の写真の左側のようなイメージ。
ワンタッチ式は右側のような外観になります。
後述もしますが、実は外倒し窓は、排煙窓とも呼ばれますので、そもそも普通の窓とは違って、換気や採光だけではなく、「排煙」と呼ばれる緊急時用の役割を担うという一面があります。
そのため、この「排煙」のために使用される場合は、当たり前に緊急時ですので、呑気にハンドルをクルクル回している余裕なんかはありませんから、ワンタッチで開くことができる!ように・・ということで設定されている便利なオペレーターになります。😘
とは言え・・・、閉める時はワンタッチではなく、ハンドルをクルクル回すことになります😅ので、ちょっと注意も必要です。
このワンタッチ式についても同様に、オイレスECO(株)さんのサイトで、以下の動画👇が掲載されていましたので、ご覧になっていただけると分かりやすいです。
いかがでしたか?
こんな開閉の仕方になるのが、ワンタッチ式オペレーターによる開閉になります。👏
閉める時もワンタッチでできると、排煙窓としてでなく普通の窓として、住宅などでも使われるようになるのかもしれませんね。😅
ただ、外倒し窓(排煙窓)は網戸が付かなかったり、色々と住宅には不向きな面がありますので、外倒し窓(排煙窓)をご検討の方は、本稿の窓解説シリーズ第九弾「外倒し窓 編」のこの辺りで、外倒し窓のメリットとデメリットや、上手に利用するアイデアなどに触れていますので、必要に応じてご一読ください。🙏
外倒し窓(排煙窓)の開閉方式と窓サイズ
規格表なしでご説明してきたところですが・・・ 😓
外倒し窓(排煙窓)は開閉の仕方によって、サイズバリエーションが変わってくるようですので、やっぱり規格表をお出ししてご説明します。
あまり見やすい絵にできなかったので恐縮なのですが、まずは以下👇のイラストをご覧ください。
フレミングJの規格表に、ここまででご紹介した開閉方式4パターンと、サイズ設定についての解説を入れてみました。
規格表が小さくなって字が見えにくいと思いますので、お手数なのですが、細かい部分については、本稿「外倒し窓 編」のこの辺りをご覧になってください。
また、規格表自体の見方につきましては、また別の記事で恐縮なのですが、こちら👉「引き違い窓のサイズの見方」のこの辺りが参考になります。
この👆イラストでご説明しますと、前章でご説明した開閉の仕方①と②が、一行目の「排煙錠仕様」に当たりまして、これが基本パターンになります。
ですので、サイズバリエーションとしては、呼称巾119と165まで10種類のサイズの外倒し窓(排煙窓)で検討することができます。
呼称の「119」と「165」については、内法寸法での巾寸法を示していまして、それぞれ「1195mm」、「1650mm」巾であることを示しています。
この呼称の見方については、こちら👉「図面の見方01」のこの辺りでザッとご説明していますので、参考にしていただければと思います。
二行目から四行目はオペレーター仕様の三種類なのですが、右側のオレンジ部分のサイズは空欄になっていますので、このサイズは既製品で存在しないことを意味しています。
ですので、要するに呼称巾でいう060、069、074の3つから選ばなければいけない・・ということになります。🤔
さらに言うと、三行目の「SL-250」というハンドル式オペレーター仕様の場合は、ピンク部分の呼称巾の069が空欄になっていますので、この「SL-250」の場合は、呼称巾060と074の2種類しか選択できないという意味合いになります。
だから何だ?という訳でもないのですが・・・ 😓
ここで例に取っているYKKapさんのフレミングJの外倒し窓(排煙窓)でなく、別のメーカーさんのモノであっても、似たような設定になっているものと思われますので、
オペレーター式で外倒し窓(排煙窓)を検討する場合は、サイズがある程度限られてしまうということを覚えておいていただければいいかな、ということです。☝
今日のまとめ
本日は、窓解説シリーズ第九弾の「外倒し窓 編」にて、解説に至らなかった、外倒し窓(排煙窓)の開閉の仕方✕4パターンについて、どのような開閉の仕方になるのか?を、パターンごとに整理しまして・・・
さらに、この開閉の仕方によって、サイズ設定が異なりますので、このパターンごとに既製品として設定されている、サイズバリエーションを見て参りました。
本稿「外倒し窓 編」への補足記事になりますため、YKKapさんのフレミングJの外倒し窓(排煙窓)に偏った解説になりましたが、各メーカー、各シリーズとも似たような設定になっていますので、外倒し窓(排煙窓)の開閉方法のご検討の際などに、何かしらの参考にしていただければ幸いでございます。😌
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
コメント