今日は、Low-E複層ガラスの断熱(日射取得型)/遮熱(日射遮蔽型)の見分け方を解説します。
一般的によく言われている手法、つまり懐中電灯を使う見分け方と、もう一つの確実な見分け方をご紹介しつつ、それぞれを具体的に解説していきます。
ちなみに、話がやや逸れるので、のっけから恐縮なのですが・・・
ようやく一般的に普及した感のある、Low-Eの「断熱/遮熱」という区分用語は、実は・・・
2022年現在、業界的にはすでに使われていない・・・との話を、ガラスメーカーさんの方からお聞きしました😱ので、紛らわしくなってしまって申し訳ないのです😓が、現行の用語「日射取得型/日射遮蔽型」を括弧書きで入れさせていただきます。
温暖化の抑制に向かう脱炭素化に向けて、目まぐるしく省エネ法が改正されている昨今ですので、致し方ないとは思うのですが、紛らわしい😵こと極まりないですよね。😤
致し方ないとはいえ、省エネ法を改正している政府が悪いのであって、筆者が悪いわけではありませんので、ご理解いただき、ぜひご容赦願えると有難く思います。🙏
ここでご説明するのは、Low-E複層ガラスの断熱/遮熱の見分け方。
言い換えますと、要するにLow-E複層ガラスの日射取得型/日射遮蔽型の見分け方ということになります。👍
Low-E断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)の見分け方
さて、皆さんにはどうでもいいと思われる能書きから始まってしまいました😩が、今回はLow-E複層ガラスの断熱/遮熱の見分け方をテーマにお送りします。🤗
そもそもLow-Eって何のこっちゃ?という方は、必要に応じて、(詳細)用語解説コーナーのこちら👉「建築図面の略語解説③(建具系1/2)」のこのパートをご覧になってください。
断熱(日射取得型)/遮熱(日射遮蔽型)って、何のこっちゃ?という方は、元記事に当たるこちら👉「Low-E複層ガラスの断熱/遮熱の違い」をご参照いただければと思います。
要は、平たく言ってしまうと・・・
Low-E膜とやらが貼られているペアガラスを、「Low-E複層ガラス」と呼ぶのですが、この種類(断熱(日射取得型)/遮熱(日射遮蔽型))の見分け方のお話になります。
ペアガラスですので、内側と外側にガラスがありまして、どちらかにLow-E膜が貼られている訳ですが、パッと見では認識することはできませんので、これを見分けるための方法の解説ということです。☝
ちなみに、Low-E複層ガラスの断熱(日射取得型)と、遮熱(日射遮蔽型)は、ザックリ描くと以下👇のような違いです。
複層ガラス(ペアガラス)の室内側のガラスの外側にLow-E膜があると断熱(日射取得型)、屋外側のガラスの内側にLow-E膜があると遮熱(日射遮蔽型)という分け方になっています。
詳しくは、先ほどからご案内しているこちら👉「Low-E複層ガラスの断熱/遮熱の違い」をご覧になってください。
自動車の窓に貼るスモークフィルムのように、目で見てLow-E膜がどちらに貼られているのかを見分けられれば簡単なのですが・・・
現実的には、目で見るだけで見分けるのはちょっと(だいぶ)難しいんです。😟💧
Low-E断熱/遮熱の見分け方1:懐中電灯
まずは、ご存じの方も多くいらっしゃると思われる、懐中電灯を用いてLow-E断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)の見分ける方法からご説明しましょう。🙌
通常の場合、Low-E膜は青緑色や茶色などの色が付いている場合が多いため、この場合は暗い中で懐中電灯で照らし、写り込んだ光で内か外の色具合で見分けることができます。
・・・が、現実的には、色付きでないLow-E複層ガラスもフツーにあり、その場合は違いが表れては来ませんので、あまり確実な方法論ではない場合もあります。😕
夜間の方がいいのですが、室内を真っ暗にする必要はありません。
懐中電灯の写り込みがそれなりに見えれば見分けは付きますので、後述もするのですが、ガラスに強い光が当たっていない状態でしたら大丈夫です。👌
例えば、以下👇の写真は、実際に筆者の建売マイホームの透明のLow-E複層ガラスを夜間の暗い時に懐中電灯で照らした写真です。
※室内からですので、あちら側に写っているのは雨戸シャッターです。
これ👆は比較的分かりやすい例なのですが、赤矢視した上側の光がちょぉ~とだけ青~緑系の色が付いていることがお分かりいただけると思います。🤔
ですので、この👆写真からは外ガラスにLow-E膜があることが想像でき、遮熱(日射遮蔽)かな?🤨くらいは推測はできる訳ですが・・・
例えば、以下👇のような光の当て方をしてしまうと・・・
ハッキリ言って何が何だかよく分かりませんので、断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)なんか見分けられませんよね。😫
※肉眼だともう少し分かりやすいです。😅
落ち着いて見ると、上側の方に薄っすらと色が付いていることが分かるため、何となく遮熱🤨💧?という気にもなれないこともないのですが、断定できるレベルではないことがお分かりいただけると思います。
さらに言うと、いわゆる型ガラスの場合は、以下👇のようになってしまいますので、もっと分かりにくいんです。🥵
シャッターなどが外側に付いていれば、もう少しマシには見えると思うのですが、何もないとこんな👆風にしか見えませんので、判別のしようがないですよね。😕
前向きな心持でじぃ~っくり見ますと、上側に青緑が見てとることができますので、断定には至らないとしても、何となくのイメージまではできるのですが。😓
まぁ、ひとつの方法論であることは確かなのですが、先の通り、色が付いているLow-E複層ガラスである場合に限り、断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)を見分けることが、何となくできる方法論だということです。
見分け方としましては、ガラスに対して懐中電灯の光を斜めに当てて照射面をズラし、懐中電灯の写り込みに直接の光が当たらぬようにした上で、外側と内側の写り込んだ懐中電灯の光を比較して色の違いで見分ける・・・ということになろうかと思います。
簡単といえば簡単ですが、色が付いたLow-E複層ガラスでなければ見分けることができませんので、いずれにしても確実な方法ではありませんよね。😞
Low-E断熱/遮熱の見分け方2:ガラス刻印
よく言われている懐中電灯作戦については、こんな👆感じですので、もう少し確実な方法をお話します。🙂
その場で完結しない場合が多いため面倒ではあるのですが・・・
Low-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)を完璧に見分けたい場合は、こちらの方法がベストです。👍
ちなみに、まだ工事中のお宅でしたら、サッシに貼られているラベルや納品書、出荷証明などで確認する(見分ける)ことができます。
納品書や出荷証明は施工している工務店さんや住宅メーカーさんに言えば、しぶしぶかも知れませんが、出してくれるはずです。👌
結論を申し上げますと、個人的には、ガラスに打たれている刻印の内容を読み解く方法が最も確実な見分け方になります。
刻印自体、表現がガラスメーカーや施工時期によってマチマチですし、サッシメーカーや住宅メーカー主体でガラスを発注するような流通経路の場合は、また違った表記になるため、10000歩譲っても分かりにくい🥴のも否めないのですが・・・
Low-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)を見分けるための、100%の情報がほぼ打刻されています。😚
通常の場合、ガラス一枚に対して、内側から見て右下(外側から見て左下)に、ガラスを納入したメーカーロゴと共にガラス種別などの刻印が打たれています。
この刻印が打たれるようになったのは、ペアガラスが普及してからで、およそ15年ほど前(2008年頃)からになりますので、古めのお宅やペアガラス(複層ガラス)でない場合は、刻印がない場合も多々あります。☝
筆者の建売マイホームのガラスは、伊藤忠ガラス(現:IGウィンドウズ)さん製ですので、主にIGウィンドウズさんの情報にはなるのですが、
以下、数件のガラスメーカーさんのLow-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)の見分け方のポイントを整理していきます。
IGウィンドウズさんの場合の見分け方
では、IGウィンドウズさん(筆者の建売マイホーム)の場合のLow-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)の見分け方を解説します。
先ほどのガラス刻印を読みやすいように、もう少し拡大しますと、以下👇のようになります。
見づらくなってしまって申し訳ないのですが、四行目の右側は受注情報ですので、モザイクを掛けさせて頂いております。🙏
この「受注情報」は、発注した会社や現場名、ガラスのサイズなどの情報が引き出せる、だいぶ便利で重要な文字列になるみたいですね。
個人情報に繋がってしまいかねない文字列ということです。☝
二行目のニョロっとした文字(?)はよく分からないのですが、三行目に「ITOCHU」との刻印がありますので、伊藤忠ガラスさん(現:IGウィンドウズさん)のガラスであることが分かります。
伊藤忠ガラスさんは、建売りで有名な飯田産業グループに2016年に吸収合併され、「IGウィンドウズ」という社名に変更されていますので、2016年以降は「IG WINDOWS CO.,LTD.」との刻印に変更になっています。
この段階でガラスのメーカーは限定できましたので、カタログやWEBサイトをみると、Low-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)を見分けるヒントになりそうな情報も見つかります。
・・・が、今回は確実なことをお伝えしたい意図もあって、改めて、IGウィンドウズさんに問い合わせを入れてみました所、二行目以外のガラス刻印は以下👇のような構成になっているとのことでした。
二行目のニョロっとした文字(?)については、大した情報でもないだろうということで聞きませんでしたので分からないままなのですが・・・😅
今回のテーマ、Low-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)の見分け方という意味で、関係があるのは、最上段の一行目「SLGX」表記のみです。☝
つまり「SLGX」の刻印のある最上段に、見分けるためのガラス種別の表記がされていまして、以下👇のように区分されています。
- 断熱(日射取得型):DL100
- 遮熱(日射遮蔽型):SLGX
ですので、平たく言ってしまうと、これ👆を読み解くだけでいい!ということになります。👏
・・・なのですが💧、この表記区分は「製造年月」の部分に刻印されている通り、2014年2月現在ですので、
今現在(2022年)、「SLGX」は廃番になってしまっていて、現行では「SLGY」となっています。
ガラスへの刻印も変更されていますので、最近のお宅の場合は「SLGY」表記があれば遮熱(日射遮蔽型)のLow-E複層ガラス、「DL100」表記の場合は、断熱(日射取得型)のLow-Eだと見分けることができる・・ということになります。
昨今「防火設備」と呼ばれている防火戸扱いの窓などで、外側が網入りガラスになっている場合などについては、また表記が変わる場合がありますし、OEMなどで住宅メーカーやサッシメーカーなどを経由する流通となる場合は、ガラスの刻印自体が変わるようですので、その都度の確認が必要なのかもしれませんね。
ちなみに、筆者の建売マイホームの別の箇所、当初の新築リフォームで後付けした勝手口のガラスは以下👇のような刻印になっていました。
「他の窓と同じガラスで!」と注文したので、同じ「SLGX」表記、つまり遮熱(日射遮蔽型)のLow-E複層ガラスになっていますよね。
この当初の新築リフォームは、建売を新築した建売屋ではなく、知り合いの工務店に入居直前に頼んでいますので、打刻年月は新築時の「2月」でなく、「11月」になっていることがお分かりいただけるものと思います。🤔
※モザイクを掛けた「受注情報」も違う文字列になっていました。😅
旭硝子(現:AGC)さんの場合の見分け方
次に、筆者の本業の方でも割とよく見かける、旭硝子(現:AGC)さんのLow-E複層ガラスの場合の、断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)を見分け方についてお話します。
まず、メーカーに関わらず、そもそもペアガラス(複層ガラス)の構成の一般的な表記の仕方を整理しますと、以下👇のようになります。
やや字が小さくなってしまいました💦が、左から「一般的なペアガラス(複層ガラス)」、「断熱型のLow-E複層ガラス」、「遮熱型のLow-E複層ガラス」の縦断面図です。
表記の仕方としては、外側のガラス種と厚を①、中間層厚を②、内側のガラス種と厚を③として、中間層が空気の場合は「①+A②+③」との文字列で表されます。
敢えて書くほどのこともないと思いますが、中間層がガスの場合は「①+G②+③」との文字列になります。☝
ガラスの刻印においても、この👆表記がなされているのが、旭硝子さんのLow-E複層ガラスの分かりやすいところなんです。😙
旭硝子さんは、2008年4月以降のLow-E複層ガラスについて刻印を入れているそうですが、圧倒的なシェアを誇るサンバランスという商品がありまして、これにちなんだ刻印となっています。☝
もうちょっと具体的にご説明しましょう。😉
サンバランス(Low-E複層ガラス)の断熱(日射取得型)
では旭硝子さんの「サンバランス」という製品の断熱(日射取得型)Low-E複層ガラスのカタログページより、ラインナップの表を見てみることにします。
ラインナップと書きましたが、主要なラインナップとのことですので、ここで掲載されているのは以下👇の三パターンのみでした。😅
【注意】この👆画像と表👇はリンクしていません。
三行目に掲載されている「PHW」なるガラスは、いわゆる網入ガラスなのですが、この話をしてしまうと際限がなくなってしまいますので、ここでは割愛し、左欄が「FL5」となっている二行目に着目してください。
画像の右側にも注記がありますが、「FL」は「フロート板ガラス」の意味、「PHW」は旭硝子さんでは「網入り磨きガラス」を表す略語です。
当サイトでは「PW」ということで解説していますので、必要に応じてこちら「建築図面の略語を解説します③(建具系1/2)」の「PW」の項をご参照ください。
室内側は「FL5」、中間層は「12」、室内側が「LS5」となっていますが、基本的にこの三つが先の「①+A②+③」の①~③に入ってきます。
・・・が、「FL」で示される「フロート板ガラス」とは、平たく言ってしまうと「普通の透明ガラス」というような意味ですので、「FL」は省略されまして、結果的に・・・
5+A12+LS5 もしくは 5+A12+L5
との表記になります。
※この表記が(原則)そのままガラスの刻印内に表記されます。
先の一覧表の室内側のガラス種別表記「LS5」が、旭硝子さんでは「Low-E膜の貼られた5㎜ガラス」という意味になりますから、ガラス刻印にこの👆ような表示がある場合は、要するに・・・
室内側にLow-Eガラスの入った複層ガラス、つまり断熱タイプ(日射取得型)のLow-E複層ガラスであることを見分けることができる、ということになるわけです。
実際には、ちょっと面倒でも、ガラスに刻印されている内容を、旭硝子さんに送って見てもらうのが、最も手っ取り早く正確な方法論にはなります。
今(2022年2月)現在の旭硝子さんの問合せページは、こちらになりますので、必須の入力欄が多くて面倒なのですが、ここでご紹介した見分け方でもどうしても見分けがつかない場合は、問い合わせてみてください。
なお、室内側/屋外側の両方のガラスにLow-E膜を貼ることも技術的には可能なようですが、一般的には聞きませんので、通常はどちらか片方だけに貼られているものとご認識頂いて大丈夫です。
ここ15年ほど以前の建物では、Low-Eでない普通のペアガラス(複層ガラス)か一枚ガラス(単板ガラス)が主流でしたので、この場合はもちろんどこにも貼られていません。😞
サンバランス(Low-E複層ガラス)の遮熱(日射遮蔽型)
次に、同じくの「サンバランス」という製品の遮熱(日射遮蔽型)Low-E複層ガラスのカタログページ👇を覗いてみることにします。🧐
こちらの遮熱(日射遮蔽型)の方が主力商品なのか・・・
前項でご紹介した断熱(日射取得)より、だいぶ多めのバリエーションが掲載されていますね。🤨
・・・が、同じく主要なラインナップということで掲載されていた表を以下👇に抜粋させていただきます。
バリエーションとしては多めではあるものの、見方としては基本的に同じような感じになりますので、怯むことなく見ていきましょう。👊
なるべく先ほどの例と似たモノが分かりやすいと思いますので、上から四行目「住宅用」の「SBQ5」の行に着目します。☝
中間層が空気だとしますと、先の通り、屋外側から「①+A②+③」との文字列での表記になりますから、単純に四行目を当てはめますと・・・
SBQ5+A12+5 もしくは SB5+A12+5
となります。
「FL5」との表記は先の通り、フツーの透明ガラスと解されますので、同じように「FL」は無視。
「SBQ5」については、「SB」が商品名「サンバランス」の意味、「Q」はLow-E膜の色、「5」が厚みの表記になります。
①に当たる屋外側ガラスが「SBQ5」が、旭硝子さんでは「Low-E膜の貼られた5㎜ガラス」という意味になりますから、結果的に、屋外側にLow-E膜が貼られている、遮熱(日射遮蔽型)のLow-E複層ガラスを示しているということです。
前項と同じ考えで、旭硝子さんの場合、この表記自体がガラス刻印内に表記されますので、この表記を探すことで、屋外側にLow-Eガラスの入った複層ガラス、すなわち遮熱タイプ(日射遮蔽型)のLow-E複層ガラスであることを見分けることができる、ということになるのです。😘
言葉で書くと、難しいことをお伝えしているかのような錯覚に陥りますし、難しく聞こえてしまうかもしれないのですが・・・
言っていることは簡単ですので、まずはガラスの刻印自体を探してみていただくと分かりやすいかもしれませんね。😊
セントラル硝子さんの場合の見分け方
セントラル硝子さんは、問い合わせを入れてみたのですが、どうも協力的な回答は得られませんで・・・
残念ながら、「実際の刻印の内容を教えてくれれば回答します!」的な回答しかもらえませんでした。😫
セントラル硝子は、今のところなぜか?本業の方でも見掛ける機会が少ないのですが、そもそもセントラル硝子さんもシェアは広いはずですので、見掛ける機会がありましたら、またご紹介するように致します。
とは言え、刻印の内容が分かれば教えてくれる!とのことではありましたので、セントラル硝子さんのLow-E複層ガラスが使われている可能性が高い場合は、直接聞いてみちゃっていただいた方が早いかも知れません。😅
最後にもまとめていますが、セントラル硝子さんのお問合せページは👉こちらになります。
その他の場合:LIXILさん経由のLow-E
では、最後にその他の場合のLow-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得/日射遮蔽)の見分け方としまして、サッシメーカーであるLIXILさんがガラスまでを、サッシ部材として納入する場合のガラス刻印とその見分け方をご紹介しておきます。
前半で掲載した筆者の建売マイホームのサッシもLIXILさんの製品なのですが、筆者の建売マイホームでは、おそらく建売屋がコストダウンのために、ガラスをLIXILさん経由で入れず、伊藤忠ガラス(現:IGウィンドウズ)さんから、直接ガラスを納入している形だろうと思われます。
後述もしますが、ここは先ほど解説した旭硝子さんのLow-E複層ガラスを、LIXILさん経由で納入した場合のケースです。☝
まず、LIXILさん経由でガラスまでを納入した場合の、Low-E複層ガラスの刻印は、以下👇のようにLIXILさんのロゴがトップに入ります。
拡大しますと、ちょっと画像が荒れてきますが、以下👇のような内容が刻まれています。
どこまでの情報がここに謳われているのか?までは把握できていないのですが・・・
筆者の建売マイホームのガラス刻印のように受注情報まで入っているといけませんので、見づらくなってしまって恐縮なのですが、一部の文字列にモザイクを掛けさせていただいています。🙏
最上段にメーカーさんのロゴ、直下にLow-E複層ガラスである旨の表示がなされているところまでは、容易にお分かりいただけるものと思います。🙂
※断熱(日射取得)/遮熱(日射遮蔽)に拠らずTOP二行に入ります。
問題はその下に刻まれている四行ほどになりまして・・・
結論を申し上げますと、この場合は最下段、つまり一番下の行に、Low-E複層ガラスの断熱/遮熱(日射取得型/日射遮蔽型)を見分けるための記述があります。☝
この👆写真だと画像が荒くなってしまって、100%の解読は難しいため、別の箇所の拡大写真をお出ししますと、以下👇のような刻みになっています。
使っているフォントが良くないのか・・・
「B」であるはずの文字が「8」に見えてしまって💧、だいぶ認識しにくい😩ので恐縮なのですが、この刻印の表記を打ち直しますと、以下👇の内容が刻まれています。
P(SBQ3+A12+3)EG
末尾に付いている「EG」については100%ではないのですが、おそらく「エコガラス」の意味です。
・・・がここではあまり関係ありませんので、前半の「P(・・)」の部分に着目することにします。☝
具体的に見てみますと、「P」に続くカッコ内の表記は、既述の一般的なそもそものペアガラスの構成表記、つまり屋外側から「①+A②+③」のようですので、旭硝子さんのLow-E複層ガラスであることが、この段階で把握できます。👍
少なくともLIXILさんがサッシ部材の一部として、旭硝子さんのガラスをまとめて納入した場合は、このようなガラス刻印になるということですね。🤔
※製造された年代には拠るのですが・・・ 😓
ちなみに「P」表記については、旭硝子さんに拠れば「ペアガラス」の意味だとのことでした。😮
既述の通り、旭硝子さんは原則として、普通に屋外側から「①+A②+③」の読み方で大丈夫ですので・・・
「SBQ3」表記より、屋外側が3㎜厚のLow-Eガラスになっている、Low-E複層ガラスの遮熱(日射遮蔽型)であることを見分けることができるというわけです。🙌
「SBQ3」表記内の「Q」については、旭硝子さんの場合は「アクアグリーン」という色の色番になっていますが、ここでは関係ありませんので無視します。👊😅
構成としてましては、屋外側ガラスの内にLow-E膜が貼られた3㎜ガラス+空気層12㎜+屋内側に透明ガラス3㎜という形ということになります。
これが旭硝子さんでなく、セントラル硝子さんであったり、IGウィンドウズさんであったり・・・
もしくは、サッシメーカーがYKKapさんであれば、ガラス刻印のこの表記はまた変わってきてしまいます。💧
さらに、筆者の建売マイホームのようにサッシは同じLIXILさんであっても、ガラスの納入自体をLIXILさんで行なわず、サッシ屋や建売メーカー、住宅メーカーなどで別に行なう場合も、変わってきてしまいますので、一概には言えないところが難しいところではあります。😓
刻印を見ただけで即座に判定できるような統一感のある表記がなされていれば、もっと分かりやすくなるんですけどね。😅
今日のまとめ
本日は、Low-E複層ガラスの断熱/遮熱の見分け方としまして・・・
現行の用語で言いますと、Low-E複層ガラスの日射取得型と日射遮蔽型の見分け方を具体的に解説して参りました。😊
この断熱(日射取得型)/遮熱(日射遮蔽型)の物理的な違いや、使い分けのコツなどについては、元記事に当たるこちら👉「Low-E複層ガラスの断熱/遮熱の違い」でご説明してありますので、必要に応じてご参照いただければと思います。👌
夜間の懐中電灯でも見分けることができる場合もあるのですが、ガラスの刻印を見た方が確実であることはお伝えできたと思います。😁
なるべく画像も入れてきたところですが、言葉での解説でしたので、難しく読めてしまったかもしれません。😓
・・・が、実際は大した話ではありませんので、Low-E複層ガラスであることが分かっている場合は、まずはガラスの内から見て右下(外から見て左下)の刻印を探してみてください。🙂
ちょっと見づらいかもしれませんが、ご紹介してきたような形で、断熱(日射取得)/遮熱(日射遮蔽)に関わらず、Low-E複層ガラスには、ほぼ100%ガラスの刻印が入れられていますので。🤗
ガラスメーカーさんも地域によって、マチマチのようですが、筆者の活動エリアで、比較的メジャーな三社の問合せページへのリンクを以下👇にご案内しておきます。
ガラス刻印を見ていただき、当記事でご紹介した情報だけでは解読が難しいようでしたら、直接聞いてみて頂ければと思います。😊
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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