今日は、正月早々、どうでもいい(かも知れない)話で恐縮なのですが・・・
一般的に言われている「腰窓」のメリットについて、「実際のところはどうなのよ?😩」という観点で、防犯性能、コスト面、省エネ性能について、具体的に検証してみた結果をご報告します。
「腰窓とは何ぞや?」ということで、色んな視点に立って、「腰窓」について、改めて徹底的に再考する投稿「腰窓とは?【完全版】」の根拠を、客観的に補う補足記事になります。🙌
腰窓のメリットについての客観的な事実が浮き彫りになりましたので、筆者的には、だいぶお勧めの内容となっています。😚
腰窓のメリットについての具体的な検証と考察
早速ですが、元投稿「腰窓とは?【完全版】」で、一般的な話が概ね済んだところですが、「腰窓のメリット」で挙げた数点の内、具体的な検証が必要な項目が三点ほどありましたので、この数点について、具体的に客観的な事実を検証して整理しようと思います。
腰窓のメリットに関する一般論については、他の別の方のサイトでも書いてありますので、ここでは、本稿で挙げたメリット前半の3項目、つまり「防犯性能」、「コスト面」、「省エネ性能」における、他のサイトでは書かれていない、知られざる事実について、建築士としての筆者なりに、具体的な検証を行い掘り下げてみよう!という意図のものです。😊
本稿の方でもそうだったのですが、腰窓と比較されることの多い、掃き出し窓との比較で検証していきますので、予めご了解をお願いできればと思います。
腰窓のメリット1:腰窓の防犯性能について
腰窓の防犯性能について、掃き出し窓と比較してみます。
防犯については、実はさらに掘り下げた別の投稿を準備中ですので、ここではサラッと進めさせて頂きますが・・・
住宅侵入による犯罪の内、2018年の記録によると、約50%がガラス破りによるものだったとされています。☝
その他は、玄関ドアなど・・・ということになるわけですが、ガラスを割られて侵入されることが、いかに多いのかを思い知らされる情報ですよね。😱
ちなみに、この4年前に当たる2014年の記録の割合を見ると、ガラス破りによる侵入は約65%もあったようですので、昨今は一般のご家庭での防犯意識が高まってきたことで、割合が減ってきているのかな・・・と見ることができます。
防犯ガラスやガラス用の防犯フィルムがだいぶ普及してきていますし、ホームセンターには防犯砂利コーナーが常設されていたりしますもんね。🤔
細かい経緯や数字の話はいいとして・・・ 😐
腰窓の大きさにも拠るのですが、例えば、本稿の方で掲載したこの👇図面で見た場合、窓巾を仮に1650として、左側の掃き出し窓との窓面積を比較してみますと・・・
左の掃き出し窓は1.65×2=3.30㎡、右の腰窓は1.65×1.1=1.81㎡。
純粋なガラス面積ではないとしても、この数値からは、掃き出し窓でなく腰窓にすることで1.8倍ほどガラス面積が減ることになる・・・とは言えると思います。
つまり、この観点から見ると、窓一か所で、この👆サイズの窓で比較した場合は、掃き出し窓に比べて1.8倍も防犯性能が上がっているということに他なりませんよね。😲
[注意!]純粋なガラス面積とは誤差があります。
ちなみに、既述の通り、筆者は腰窓嫌いですので、決して、腰窓を推奨している訳ではありません。😤
さらに・・・😳😳
皆さんもご存じの、窓の鍵的な役割を持つクレセントですが、通常のガラス破りによる侵入は、このクレセント付近のガラスを割った上でクレセントを廻して入る・・・パターンが多いんです。☝
ですので、このクレセントに着目して、その位置(高さ)を比較してみますと・・・
まず、標準的な仕様では、窓高の下から45%ほどの高さに付くことになっていますので、掃き出し窓の方は床からおおむね90cm。
腰窓の方は窓下から49.5cmですので、床からの高さに換算すると、おおむね139.5cmということになります。🤨
室内の床の高さについては、ここ10年以内ほどの木造住宅で見た場合、屋外の地面より、おおむね57cmほど高くなっていますので、泥棒さん目線に立って、屋外の地面からの高さに換算しますと・・・
掃き出し窓は147cm、腰窓は196.5cmになります。
つまり☝、掃き出し窓の場合はクレセントがちょうど目線の高さに来てしまいますが、腰窓の場合は手を伸ばしてようやく届く位の高さに来る、ということがお分かりいただけるかな、と思います。😑
なので、この観点からも、やっぱり腰窓の方が防犯性能は高い!ということになってしまいます。🥶
しつこいようですが、既述の通り、筆者は腰窓嫌いですので、決して、腰窓を推奨している訳ではありません。😤
さらに・・・ 😳😳😳
掃き出し窓には、シャッターや雨戸を付けることはできるにしても、面格子を付けることは基本的にできませんが、腰窓には既成品でも面格子付きのサッシがありますので・・・
この観点からも、防犯上は腰窓の方が優れている!と言わざるを得ない、ということですね。😓
客観的な数字は調べていないのですが、面格子が付いていると、ガラスを破ったとしても、物理的に入れない形にはなりますので、抑止力が高いという意味です。
ただ面格子も、この類だと所詮アルミですので、破壊しようとすれば破壊できますから、100%ではないですよね。
話は変わりますが、いわゆる空き巣ではない、在宅中の侵入が被害全体の30%を占めているそうです。😱
防犯意識は限りなくゼロの筆者ですので、ちょっと考えた方がいいような気がしました。😔
腰窓のメリット2:腰窓のコストについて
さて、気を取り直しまして、次に腰窓のコスト面について、検証してみましょう!😊
まずは、楽天んさんのリフォーム建材屋さんというショップさんで取り扱われている、LIXILさんの腰窓と掃き出し窓の商品ページから見てみることにします。
同じ画像を使い回されていらっしゃるようで、同じ商品にしか見えないのが残念なのですが😩💧、左が腰窓「1650×1100」のリンク、右が掃き出し窓「1650×2000」のリンクになりまして、前図面でご紹介したような形状の腰窓と掃き出し窓です。
※スマホの場合は上が腰窓、下が掃き出し窓です。
販売価格はいずれ変わってしまいますので、あくまでも現時点での数字での試算になりますこと、予めのご了解をお願いします。🙏
仕様的には、ここ数年で一気に普及してきた感のある、「樹脂アルミ複合サッシ」と呼ばれるサッシになるのですが、文字通りアルミと樹脂を複合することで、省エネ性能を高めた、Made in Japanらしい、機能的にとても優れたサッシです。👍
※実際はMadeは海外でしょうから、Produced in Japanですね。😄
他のメーカーさんでも同様の仕様のモノを扱っていますが、今回はリクシルさんのこの「サーモスL」という製品の数値を用いて検証してみます。
腰窓の販売価格の確認
商品ページを見て頂くと分かるのですが、ガラス種別や網戸の有無によって金額が変わります。
掃き出し窓の方と、腰窓の条件を合わせた方が分かりやすいと思いますので、ガラスはLow-E、網戸は中桟なしを選択しますと、それぞれ以下のような数字になります。🤗
- 腰窓本体価格=30362円
- 中さん無網戸加算=+3350円
- ガラスLow-E加算=+5340円
合計(腰窓) =39052円
- 掃出し窓本体価格=49797円
- 中さん無網戸加算=+8350円
- ガラスLow-E加算=+ 0円
合計(掃出し) =58147円
ちなみに、ガラスのLow-Eというのは、いわゆるペアガラスの室内側のガラスにLow-E(ローイー)金属膜と呼ばれる、特殊な薄いフィルムのようなモノを貼ったガラスで、低放射性能を持つガラスです。
ここ7~8年の間にだいぶ普及した、標準的なガラスになります。
※低放射性能:放射による熱移動を抑える性能
ここで分かることはサッシ工事だけで見た場合は、確かに、腰窓の方が「19000円」ほどお安くなるという事実。
・・・ではあるのですが、これだけで掃き出し窓よりも腰窓の方がお得😍!ということにはなりません。☝
サイディング外壁の腰窓コスト検証
もうちょっと見ていきます。👊
先ほどの図面に戻りますが、腰窓の場合、掃き出し窓であれば要らない、以下の図の半透明赤で着色した腰壁が必要になりますよね。🧐
この腰壁に当たる部分の造作にも、当然コストが掛かる訳ですから、窓自体の金額だけで損得を勘定するわけにはいきません。
新築であればもちろんのこと、例えば掃き出し窓を潰して、腰窓にリフォームする場合でも、この腰壁の造作に費用が掛かりますし・・・ 😟
腰窓を止めて、掃き出し窓に入れ替える場合においては、この腰壁部分の撤去費用が加算されてくることになります。
いずれにしても、この腰窓の腰に当たる腰壁部分のコストがいくら位なんだろう?という点がポイントになってきますよね。🙄
ちなみに、撤去はだいぶ主観が入ってしまいますので、腰壁を造る場合の金額をザッと試算してみることにします。
構造によっても違いますし、仕上げのグレードや断熱材などによっても全然違ってきてしまいますので、在来木造で、一般的(?)と思われるサイディング外壁で、通気工法に拠る場合、かつ、その他も標準的な仕様として試算してみます。
まず面積から見ますと、半透明赤の腰窓下の部分は、1.65×0.90=1.485㎡です。
各㎡単価も、一概には言えないのですが、そんなことを言っていると話が進みませんので・・・😩💧、
批判を受けるかもしれないと思いつつ、過去の案件の金額を元に、建築士としての直感だけを頼りにザックリ割り切って進めてみます。👊
- サイディング:4000円/㎡ほど
- 躯体工事差額:1000円/㎡ほど
- 断熱工事関係:1000円/㎡ほど
- 下地造作関係:2000円/㎡ほど
- 内装仕上関係:2500円/㎡ほど
・・・くらいかな、と思います。🙄
もちろん仕様に拠りますし、そもそも設計屋観点ですので、施工のご専門の方から見ると、また違う数字になるとは思うのですが、元々10000~15000円と覚えていましたので、合計金額としては、さほど遠くない「10500円/㎡ほど」となりました。
※実際はもうちょっと嵩みそうな印象ではあります。
この数字が正しいものとして、試算を進めますと、10500×1.485がこの腰壁に掛かるコストということになりますので、これを計算しますと、腰窓の下の腰壁を造作するコストは「15592円くらい」ということになりよね。
※あくまでも先の前掲の仕様とした場合の試算結果です。
つまり、仕様によって増減はあるとしても、サイディング外壁の場合、この試算によれば、腰窓と掃き出し窓とのコストの差はたったの3000円くらいということになります。🤔
モルタル+吹付け外壁の腰窓コスト検証
次に、前項では標準的なサイディングで見てきたところですが、「モルタル+吹付」という形の外壁も多く見られますので、その場合の数字もみておきます。🧐
工程は違ってきますが、諸々を加味していくと、先ほど👆の①の部分が「6500円/㎡」くらいになるはずです。
よって、13000×1.485を計算してみますと、「=19305」になりますので、モルタル+吹付の場合の腰壁の造作には「19305円くらい」掛かるということになります。
つまり、この「モルタル+吹付」の外壁だとした場合の試算からみると、腰窓と掃き出し窓とのコストの差はほぼゼロですよね。😳
ですので、腰窓の方がコスト的にお得😍!という訳ではなさそう・・・😒、という結論です。🤗
もちろん、カーテンはいくらかはお安くなりますけどね。😉
腰窓のメリット3:腰窓の熱効率(省エネ性能)について
最後に、腰窓の省エネ性能について、ご説明していきます。👌
一般的に「腰窓の方が省エネ性能は高い!」と認識されていると思いますので、この点についての客観的な裏付けを整理しておこうというものです。😉
この省エネ性能についても、別の投稿でもっと詳細な話を準備していますので、ここでは外壁とガラスの省エネ性能の話までとさせて頂きます。🙂
一概に省エネ性能と言っても、これもまた色んな考え方がありますので、ここでは外気の変化に対する室温の変動がどの程度あるものなのか?という視点で、「熱貫流率」という値に着目して、試算してみようと思います。
熱貫流率とは?
こんな用語は、皆さんがご存じなわけないですよね・・・ 😓
筆者も、本業の省エネ法の届け出を出さざるを得なくなるまで、こんな言葉は、恥ずかしながら聞いたこともありませんでした。🤐
室内外の温度差が1℃だとした場合、1時間の内に1㎡当りの範囲で、移動する熱量を表す数値です。😪
意味わかりますかね・・・👀
もうちょっと具体的に平たく言いますと、例えば一枚の壁があったとして、その室内側の室温が、外気(屋外の空気)にどれだけ影響を受けるか?を数値化したモノということになります。
断熱性能というと、またちょっと意味が違うような気もするのですが、ニュアンス的には断熱性能的なイメージでお考えいただいて大丈夫です。👌
なお、あくまでも「移動する熱量を表す数値」になりますので、もちろん熱貫流率の数字が高い方が、移動する熱量が大きいことになりますから、断熱性能的な意味合いからは、断熱性能は逆に低い!ということになります。🤔
皆さんには関係ありませんが、業界的にはこの熱貫流率を「U値」とも呼んでいます。
そんな熱貫流率の数値で、腰窓の省エネ性能を確認してみます。😉
サーモスLの熱貫流率(カタログ値)
まず、だいぶ上に離れてしまいましたので、今一度、先ほどのLIXILさんの「樹脂アルミ複合サッシ」サーモスLへの商品リンクを以下に貼り直します。
先ほどお話ししました通り、残念ながら掃出し窓の写真が嵌められた腰窓の商品リンク写真画像です。
恐縮なのですが、これを腰窓としてイメージしてください。😢
まず、このサーモスLの熱貫流率はいくつなのかと言いますと、LIXILさんのページからの引用になるのですが、実際はどうかという点は置いておいて、以下のように謡われています。
ちなみに、このサーモスLが現状の日本国内だと、割とグレードが高めですので、ガラスの種類によっても大きく数字が変わってくるのですが、(断熱性能が)低い方の数字で見ても、「3.49W/㎡・K」となっています。
画像の方は文字が小さくて見えないと思いますので、補足しますと、
一般的なペアガラスの中空層が14mm以下のモノで「3.49W/㎡・K」、先ほどのLow-Eガラスで中空層が11mm以下の場合で「2.33W/㎡・K」とのこと。🤨
・・・なのですが!😲
念のため、と思って、本業の方で省エネ法届出をする際に、我々が参照する根拠資料を見てみたのですが、何かちょっとニュアンスが違いますので、紛らわしくなってしまいますが、この数字は採用せずに、根拠資料の数字👇を正とさせてください。🙏
開口部の熱貫流率は、サッシ(枠)自体の熱貫流率とガラスの熱貫流率という異なる数字の中で決まっているものですので、正確に言うと、その面積の割合で増減するはずですから、本当は開口部の大きさによって異なります。
ただ、計算や根拠が複雑になってしまうことが理由だと思うのですが、通常は、(省エネ法届出上)先のようにメーカー側で出している数値を採用することになっています。
ですので、実際はもう少し細かい計算にもなりますし、ややこしい話になってくるのですが、ここでは、LIXILさん側で出している数値を元に試算することにさせて頂きます。
この根拠資料PDFでは、サーモスLの熱貫流率は1枚目の以下の部分に掲載されていまして、これに拠れば、これも見づらいと思うのですが・・・
空気層10mm以上のLow-Eガラスで「2.33W/㎡・K」、同じく空気層10mm以上の複層ガラスで「3.49W/㎡・K」です。
※複層ガラスというのが、普通のペアガラスです。
おそらく、商品リンクでご紹介したサッシもこのガラスか、もしくはこれよりワンランク下の製品ですので、これを基準として試算することにします。
外壁の熱貫流率
そもそも外壁の熱貫流率がいくつ位なのか?について、これも仕様によって違いますので、一概には言えないのですが、ひとつの例をご紹介しながら、見ていきます。
以下は、とある在来木造の住宅外壁の「U値計算書」というものです。
面の平均熱貫流率を求める計算書なのですが、要するに、壁の構成ごとに総合的に見た熱貫流率を計算する計算書とでも言えばいいでしょうかね。
今回の試算の前提としている通気工法の場合、外壁の一番外側にくる部分は、省エネ法届出上、気にしないことになっていますので、サイディングであっても、モルタル+吹付外壁の場合でも、数値は変わりません。
これ👆で見ますと、右下に黄色で塗りつぶした欄がありますが、ここの「0.57」が、この仕様の場合の外壁自体の熱貫流率に当たります。
この数値がいい方なのか悪い方なのか・・・については、よく分らないのですが、少なくとも実際の省エネ法届出で使用した数値ですので、差し当たって、今回の試算では、この「0.57W/㎡・K」で計算してみることにします。
腰窓の省エネ性能(熱貫流率による)について
最後の段階で端折るのもどうかと思いつつなのですが、だいぶ長くなってきましたので、サラッと進めさせて頂きます。😅
すでに勘のいい方はお気づきのことと思いますが・・・
前々項でみた通り、空気層10mm以上のLow-Eガラスで「2.33W/㎡・K」、同じく空気層10mm以上の複層ガラスで「3.49W/㎡・K」だったわけですので、外壁の熱貫流率が仮に「0.57W/㎡・K」としますと、外壁とサッシの熱貫流率の数値に大きな差があることが、お分かりになられますよね?
既述の通り、熱貫流率は数値が大きいほど、断熱性能が低いわけですので、外壁に比べて開口部による熱損失が、どれほど大きいのかがご認識頂けるかなと思います。🤔
具体的に計算してみますと、Low-Eガラスの場合は、2.33/0.57になりますので、何と4倍ほども熱損失が大きい!ということになってしまいます。😰
さらに、複層ガラス(ペアガラス)の場合は、3.49/0.57ですので、計算してみますと・・・
何と!
6倍ほどの熱損失がある、つまり、断熱性能が低いということになります。😱
ちなみに、この👆試算はあくまでもLIXILさんの「樹脂アルミ複合サッシ」サーモスLという、割とグレードが高めのサッシでの結果ですので、既存のお宅では、まだまだここまでのグレードのサッシではないと思われますから、根拠資料PDFに立ち戻りまして、二枚目にある、アルミだけで造られたサッシの場合の熱貫流率を見てみますと・・・
空気層10mm以上のペアガラスで「4.07」、空気層4mm~10mmのペアガラスだと「4.65」、単板ガラス、つまり一枚ガラスの場合は「6.51」となっています。😑
あくまでも計算上の数値ですし、カーテンやその他の条件によって、実際には変わってくるのですが、この熱貫流率の数字だけで見た場合・・・ 🤢
- ペアガラス(空気層10mm以上):7倍ほど
- ペアガラス(空気層4~10mm):8倍ほど
- 一枚ガラス(単板ガラス):11.5倍ほど
となってしまいます。🤮
何が言いたいのかと申しますと、要するに、開口部がこれだけの熱損失を起こしているということですので、掃き出し窓と腰窓の省エネ性能ということで比べた場合、開口部面積が少ない分、腰窓の方が、熱損失が少ない、つまり省エネ性能が高いという点です。☝
既述の通り、筆者は腰窓は嫌いますので、腰窓を推奨している訳では決してないのですが、省エネ性能の観点から、熱貫流率の数値で見た場合、掃き出し窓に比べれば、腰窓の方が優れている、ということになります。😤
開口部性能について思うこと
この項は蛇足になります。😑💧
数年前に、どなたかのブログで読んだのですが、日本の開口部事情は非常に遅れていて、どこの国だか忘れましたが、日本の住宅なんか犬小屋以下の省エネ性能だ!と豪語している方がいらっしゃいました。😅
※確か「犬小屋にも使われない」と書いてありました。🥶
これが事実かどうかの裏付けは取っていませんし、どんな方が書かれた記事かも知らないのですが、確かに、既存建物において、まだまだ多く見られる一枚ガラスの場合、熱貫流率でみると11.5倍ほども、外壁との差があるという点から考えると、おっしゃる通りだな・・・と、常々思います。😞
300㎡以上の建物を建築する場合の、省エネ法の届出が始まったのが、確か5~6年前だと思いますが、急速に発達し、数年ごとに目まぐるしく基準が変わってきていますので、そもそも専門外の概念ということもあって、正直なところ、追いつくだけで一苦労なのですが、来年(令和3年)4月にはまた変わるようです。😑
温暖化が進んでいる昨今ですので、止むを得ませんし、エコな方向には向かってはいますので、前向きな動きであることは確かです。
地球環境的にみれば、もちろん喜ばしいことなのですが・・・
そのシワ寄せが集中している我々に対して、法的な何かしらの救済措置でも打ち出してほしいものです。😓
目まぐるしく変化する基準へ追いつくための労力と、届出に係る労力が膨大すぎて、本業に影響が大きすぎる!という意味です。
省エネ屋さんを雇えば、ただでさえ足りていない設計予算が、さらに減ってしまいますし・・・ 😩
今日のまとめ
本日は、本稿「腰窓とは?【完全版】」にて、建築士としての主観を元に、独断で挙げさせて頂いた、一般的に言われている「腰窓」のメリットの5点の中から、防犯性能、コスト面、省エネ性能について、引き違い窓との比較という形で、具体的に検証してみた結果を報告して参りました。
正月早々、長くなってしまって、申し訳ございませんでしたが、毎度のことながら、最後までお付き合いいただきまして、どうも有難うございました。🙏
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