今日は、先日UPした建具関連の略語の前半と後半で、計上し忘れていた略語、ROW、ROH、RH、Rhの4つ略語の解説をします。
どちらかのページに追加しようと試みたのですが、そもそも両記事とも文字が多すぎて使いにくくなっていると思われましたし・・ 😓
同じ建具関連の略語であることに違いはないわけですが、ちょっとニュアンスが違うため、分類しにくかったこともあって、新たなページで整理することにした次第です。😑
建具表ではあまり見かけず、主に平面詳細図や矩計図などでの表記で、たまに使われたりするROW、ROH、RH、Rhですが、具体的にどんな部分を示す略語なのか?という点についても、キッチリ解説しますので、ご一読いただければと思います。👍
ROW
略語ROWは、建具(窓やドア)を取り付ける際の、躯体に孔ける開口の巾に関連する略語のひとつでして、英語表記「Rough Opening Width」の略語になります。
※各単語の頭文字を取ってR・O・Wということですね。☝
これを日本語英語に訳すと「ラフオープニングワイド」。
さらに日本語にすると「ザックリの開口巾」とでも訳せばお分かりになられますでしょうかね・・・ 😳
略語ROWの読み方
「ROW」の読み方としましては、要は「ラフ開口巾」ですので、平仮名だけで書くと「らふかいこうはば」です。
そのまま「アールオーダブリュー」と読まれる方もいますので、通じるのは通じますが、一瞬「ん?何?🤨」って思ってしまいますので、どちらかと言うと「らふかいこうはば」にしておいた方が無難です。👌
略語ROWが示す具体例
次に、略語「ROW」が何を示すのか?という具体的なご説明です。
図面を持ち出しての解説にしようかと思ったのですが、写真の方が分かりやすいような気がしましたので、小汚い現場の写真で恐縮なのですが、以下👇の写真でご説明することにしましょう。😉
ROW、つまり「ラフ開口巾」は既述の通り「ザックリの開口巾」に違いはないのですが、要するに建具をはめ込むために予め躯体に孔けておく穴(開口)のことを指しますので、この👆写真中で図示した巾がROWと呼ばれる巾ということになります。☝
ちなみに、この写真の現場は内装工事に入りつつあるくらいの段階なのですが、木造の躯体に対し、断熱材を入れて石膏ボードでフタをする前・・・の状態。
窓サッシが入り、外壁や屋根周りの概ねの止水ができると、初めて内装工事に入っていくことになりますので、その頃の撮影ということです。😉
具体的な矢視先がどこを指しているのか?、ちょっと分かりにくいと思いますので、右側の窓を例に言葉でも補足しますと・・・
まず、窓サッシの上と下にある、それぞれ「マグサ」と「窓台」は無視して頂くとして・・・
ROWは建具(サッシ)をはめ込むための開口巾の話になりますから、要は右の「管柱」と矢視した垂直部材の左面と、上から「マグサ受け」と矢視した垂直部材の右面までの巾が、ROW、つまり「ラフ開口巾」ということです。👌
略語ROWの性質
この「ROW」という略語が示す数字は、本来は施工上の数字になりますので、我々設計屋が気にするべき数字ではなく、施工図で表現されるべきものなのですが、なぜか昨今は、当たり前に我々が書かなければならないような風潮になっています。🤨💧
数字的には、窓サッシの外形巾に対し、両側に5mmずつくらいのイメージで隙間が取れるような形で、切りのいい数字で丸めた寸法になります。
躯体に対してサッシをはめ込む際に、ちょっと隙間がないと入らないからですね。😅
なお、この略語「ROW」は、次項以下でご説明する「ROH」や「RH」と同様に、RC造やS造、SRC造では基本的には出てこない略語になりまして、原則として木造でしか見掛けない略語ということになります。😉
ROH
略語「ROH」は、既述の「ROW」と似たような話にはなるのですが、ザックリの開口高を示す略語になります。☝
話が前後してしまいましたが、「ROH」が具体的に何の略語かと申しますと・・・
英語表記「Rough Opening High」の略語です。
例によって日本語英語に直しますと、「ラフオープニングハイ」になりますので、さらに日本語に訳すと「ラフ開口高」となります。
よって、略語ROHはこの「ラフ開口高」を意味する略語ということですね。🙂
略語ROHの読み方
読み方としては、これも先の略語ROWと同様、「アールオーエッチ」でも通じます。👌
・・が、「らふかいこうだか」の方が無難です。
「ラフ開口」という言葉は昔から存在するのですが、筆者の記憶によると、20数年前は略語「ROH」や「ROW」での表記はあまり見かけなかった気がするためです。
おそらく30年ほど前から、木造の「2×4(ツーバイフォー)工法」が北米から入ってきましたので、この工法が普及していくに伴って、広く認識されることになり・・・
結果的に、昨今では在来木造にも使われるようになった、という経緯かと思います。💧
略語ROHが示す具体例
この略語ROHが何を示すか?という点については・・・
前項で使った、とあるお宅の写真をROH用の解説に入れ替えましてご説明しますと、以下👇のような感じです。
今度は、逆に「マグサ受け」と「管柱」は無視して頂いて、窓サッシの上下に入れられている、それぞれ「マグサ」と「窓台」と矢視している水平部材に着目してください。☝
ここも言葉で補足しますと、略語ROH、つまり「ラフ開口高」とは、「マグサ」と矢視した上の部材の下面と、「窓台」と矢視した部材の上面までの距離(高さ)の数字、ということになります。🤔
略語ROHの性質
先の略語ROWと同様に、そもそもは施工上のクリアまでを考慮した数字になるわけですが、我々設計屋が記載しなければいけないことになっている、どうも納得のいかない数字です。😒
なお、窓サッシの外形高の上側のみ3~5mmほどの隙間を取るのが一般的のようですので、窓台の高さは、設計で決まっているキッカリの位置に設定されるということになります。
※施工は専門外ですので、やや曖昧でスミマセン・・ 🙏
RH
前項の「ROH」に似たような略語なのですが、略語「RH」の解説に移ります。👌
ちなみに、次項ではこの「RH」にさらに似た「Rh」という略語の解説をしますので、紛らわしくて恐縮なのですが、注意いただきつつご覧いただければと思います。
※後半の「エイチ」が大文字か小文字か・・という違いだけなんです。
個人的にはどうも釈然としないままなのですが、この略語「RH」は「取付高」的な意味で使われている略語になります。
この略語「RH」も、前項まででご説明してきた略語ROWやROHと同様に「施工上のクリアランスを取った上での取付高」になるのですが・・・
我々設計屋は設計上の数字を正としますから、仮に「取付高」と言うなら、あくまでもキッカリの数値を取付高と考えるため、数ミリでもズレた高さを「取付高」とは呼べないんですよね。
「RH」は何の略語なのか?という観点については・・・
前項でご紹介した略語「ROH」の英語表記から、中央の単語「Opening」を抜いた「Rough High」の略語ということのようです。
・・・とすると、日本語では「ラフ高」が正解(?)ということになってしまうのですが、「ラフ高(らふだか)」などと呼んでいる人は、なぜか会ったことがありません。😅
略語RHの読み方
読み方については、そのままなのですが「アールエイチ」。
これは言い換えようもないですし、そもそも定義が曖昧ですので、筆者はそのまま「アールエイチ」と呼んでいます。
・・・が、次項でご説明する「Rh」と区別するため「上のアールエイチ」と呼んだりもします。😑
略語RHが示す具体例
略語「RH」が示す高さの具体例としましては、今度は別の写真に解説を書き込みましたので、まずは以下👇の写真の左側の窓をご覧になってみてください。
※ゴチャゴチャしてしまうので次項の略語「Rh」は省いています。
左側の腰窓に前項までで解説してきた、略語「ROW」も「ROH」記入しておきましたが・・・
まず、「RH」の上側の押さえは、この「ROH」の上側の押さえ位置である「マグサ」の下面と一致します。
つまり言い換えますと、略語RHが示す上の矢印は、ラフ開口の上端(うわば)高を指しているということですね。
意味お分かりになられますかね?😅
次に、「RH」の下側の押さえ位置はどこか?という点なのですが、これはケースバイケースだったりもしますし、工法によって差があります。
ですので一概には言いづらいのですが、強いて箇条書きで書きますと、筆者の知る限り以下👇のようになります。
- 在来工法の木造:床下地合板の下にある梁や土台の天端(上面)
- 2x4工法の木造:床下地合板の天端(上面)
②の2x4工法の場合については、経験上ほぼ統一されている感があります。
・・・が、①の在来工法の場合は、その図面を描く担当者や、会社のルールによってバラツキがありますので、正直なところ何ともいがたいところです。😕
一言でまとめるとすれば、やや抽象的になりますが、略語「RH」は、純粋な「取付高」ではなく、床の基準からラフ開口の上端高さを示す略語・・ということになります。☝
床基準線からの「躯体開口の上橋高」とも言うことができますが、ちょっと抽象的ですよね・・・
この👆表現の方が正確で適切です。
逆に混乱させてしまうかもしれませんが、いわゆる「内法高」の施工バージョンの数値・・といった所でしょうか。🤔
※「内法高」自体がご不明な場合はリンク先👆を見てみてください。
略語RHの性質
この略語「RH」についても、「ROW」や「ROH」と同じように、RC造やS造、SRC造では基本的には出てこない、筆者の知る限り、基本的に木造でしか使われない略語になります。
なお、建築図面で見かけるとしますと、木造の平面詳細図や矩計図(かなばかりず)、構造関係の図面がメインになる略語です。
Rh
今、ここ👆の見出しを作成しながら、ホントに紛らわしいなぁ🥴・・と思ってしまいましたが、今日の最後は先の略語「RH」によく似た「Rh」の解説です。
まず何の略語か?という点ですが・・・
これは、前項でご説明した「RH」と同じ、「Rough High」の略語だと思われます。💧
意味的には、「Rh」は床基準線からの躯体開口の腰の高さを指しますので、おそらく、RHは先の通り躯体開口の天端高を示しますので、背の高さで言うとRHよりもRhの方が低くなることから、大文字/小文字で使い分けているのかな🙄・・という気がします。
でも、紛らわしいですよね?😓
正確なことまでは把握できていないのですが、2x4工法が北米から入ってきた頃からの名残なのではないかと思います。
略語Rhの読み方
略語「Rh」の読み方は・・・
読み分けようがありませんので、「アールエイチ」と読むしかありません。😞
分かりにくく誤解を招く恐れがあるため、筆者は「腰のアールエイチ」などと呼んだりしています。😅
そもそも、筆者は2x4工法の木造については、大手住宅メーカーさんなどの下請け設計で20件ほどしか経験がありませんので、あまり得意ではありません。
もしかすると、もっと画期的な読み分けがあるのかもしれません。😕
略語Rhの具体例
この略語「Rh」が具体的に何を指すのか?という点については、前掲の写真に解説を書き込んだのですが、ゴチャゴチャになってしまいました😩ので、まずはスケッチ👇からお出しします。☝
図1が在来工法の木造の場合の略語「Rh」が指す具体的な箇所、図2が2×4工法の場合を示しています。
少々、文字が小さくなってしまいましたが、本日解説してきた略語、ROW、ROH、RHについても、紫書きで表現しましたので、これらとの関係も合わせてお分かりいただけるものと思います。🙂
ややゴチャゴチャになってしまった、在来木造の写真の方でもご説明しますと、以下👇のようになります。
下の矢視先は、略語RHが指す位置と一致、上の矢視先については、略語ROHが指す窓台の天端になりますので、躯体開口の腰の高さを示していることがお分かりいただけますよね?😉
略語Rhの性質
略語「Rh」の性質については、これも既述の略語ROW、ROH、RHと同じです。
施工上の数字ですので、 本来は設計図に出てくるものではないはずなのですが、昨今は平面詳細図や矩計図、構造図などで表記されることが多くなりました。
今日のまとめ
本日は、先日UPした建築図面で見られる略語の解説シリーズの内、建具関連の略語の前半と後半で、計上しきれていなかった略語、ROW、ROH、RH、Rhという4つ略語について解説して参りました。
グチを言ってるようで恐縮なのですが、本来は施工図で示されるべき数字に関する略語ではあるのですが・・・
昨今の木造住宅などでは、施工図を描かずに、設計図のみで施工してしまおう!という何とも理不尽な風潮が強くなってきています。🤨
このことから、施工の段階で詳細検討されて決定されるべきはずの、施工上の数値であるROW/ROH/RHの決定が、我々の行なう設計段階で求められるのが、なぜか当たり前になってきています。😓
施工は専門外なので差し出がましいようなのですが、そんなご時世ですので、設計観点より、4つの略語ROW、ROH、RH、Rhの解説をさせていただきました。
何かしらの参考になれば幸いでございます。 😌
本日も最後までお付き合いいただき、どうも有難うございました。🙏
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