今日は、当ブログの本文中でよく使っている、窓(サッシ)に係る「内法寸法」と「内法高」という建築用語について、不親切にも、キチンとご説明をしないまま使ってしまっておりましたので、そろそろ、ちゃんと整理しておこうという意図の記事になります。
今まで、きっと分かりにくいだろうな・・・😓と思いつつ、ザッとした説明のみで、説明不足のままで長らくきてしまいまして、申し訳ありませんでした。🙏
木造の窓(サッシ)だけでなく、マンションなどで見られる、RC造やS造、SRC造用の「ビル用サッシ」と呼ばれる窓の「内法」についても、解説していますので、後半の「非木造の窓(サッシ)の場合の内法寸法」の章をご参照頂ければと思います。👍
内法とは?
まず、「内法」という日本語から整理しましょう。
読み方は「うちのり」ですよね。決して「ないほう」ではありません。😅
※日本語としては「ないほう」もあるみたいですが・・。
英訳を見てみますと、Google翻訳さんでは「Internal law」と出てきました。🤨
違和感を感じつつ💧、単語別に意味を見ていきますと、まず「Internal」の方は、「内部の」とか「国内の」などという意味だったと思います。
※日本語英語でいう「インターナショナル」はこの派生語?🙄
「law」は、日本語英語で言う所の「ロー」ですので、「法律」的な意味合いの単語でしたよねぇ・・。🤨🤨💧
つまり、Google翻訳さんの英訳はちょっと違うみたい・・・です。😬
やっぱり日本語辞書で調べてみることにしましょう。😊
筆者は典型的な理系脳で、国語は苦手ですので、いつもお世話になっているWeblioさんで調べることにします。
Weblioさんで「内法」と入力して、検索してみましたら、以下👇のように表示されました。
1 容器・管・構造物や2本の柱の間などの内側のさし渡し寸法。
https://www.weblio.jp/content/%E5%86%85%E6%B3%95
2 敷居の上面から鴨居(かもい)の下面までの長さ。
「さし渡し寸法」ってのことだろう?😲
って思ってしまいましたが、日本語だと概ねこんな意味だ!ということになります。
どちらかというと、1.の方が次章でご説明する「内法寸法」、2.が次々章でご説明する「内法高」に近いかな・・🙄と思います。
では、具体的な解説に入ります。👊
窓(サッシ)の内法寸法とは?
窓(サッシ)の「内法寸法」とは?
窓でなくて、出入口扉などであっても、考え方は同じなのですが、平たく言いますと、原則として、窓(サッシ)の内々の寸法を指します。
※これは木造サッシ、ビル用サッシ共通の考え方です。
サッシ枠自体の最も出っ張った部分の内々寸法と言った方が分かりやすいでしょうか・・・
図面でみた窓(サッシ)の「内法寸法」の解説
建築図面の内、「展開図」と呼ばれる室内の立面図的な絵👇でご説明します。
左側はいわゆる「掃き出し窓」と呼ばれる窓、右側については「腰窓」と呼ばれる、共に引き違い窓が描かれた展開図になります。
「内法寸法は1600!」などと、単独で使われる場合は、この図に赤矢印で示した横方向の内々寸法を指している場合が多くなります。
「内法寸法は1600!」と単独で使われる場合は、縦方向の内法寸法を指すことは、通常はありません。☝
・・・が、縦方向の寸法についても同じく「内法寸法」になりますので、
例えば、「内法寸法1600×1100」などという場合は、前者の1600が横方向、後者の1100が縦方向の「内法寸法」を表すことになります。
この縦方向の内法寸法を同じ図面に示しますと、以下の赤矢印の部分がこれに当たります。🤔
写真でみた窓(サッシ)の「内法寸法」の詳細解説
では、この「内法寸法」が具体的にどこを押えているのか?を、写真を使ってご説明していきます。
まず横方向、つまり巾の内法寸法は以下👇のようなイメージになります。
縦方向、つまり高さの内法寸法は以下の赤矢印の部分を指します。
これ👆だけだと、矢印の先端が、具体的に窓(サッシ)のどこを指しているのか?が分かりにくいですよね?😅
もう少し窓(サッシ)に近づいた写真で見てみると、厳密に言いますと、差し当たって木造の場合になるのですが、以下👇のアングルの内々が「内法寸法」の基点となります。
※RC造やS造、SRC造の場合の考え方は次章でご説明します。
・・・が、通常はこのアングル内面と、右側にコメントを入れた「額縁(がくぶち)」の内面は同じ面になりますので、「額縁」の内々と考えた方が認識しやすいかな・・と思います。
ただ、このアングルが「額縁」に埋め込まれることで、同一面となるのですが、以下👇の写真のように、埋め込まずに出っ張らせたまま施工してしまうようなケースも多く見られます。
この場合👆の内法寸法は、額縁の内々でなく、アングル内々の寸法になります。
ちなみに、アングルの厚みの分だけ、額縁を抉る(えぐる)ことを「アングルしゃくり」もしくは「アングルじゃくり」と呼ぶのですが、この工程を省略することで省力化されるのは事実ですので、昔に比べると最近は多くなってきている気がします。
ただ、先👆のカーテンが写っていた写真は筆者の建売マイホームの窓(サッシ)なのですが、「アングルしゃくり」が予め施工された既製品の額縁も多くなってきていますので、とにかく省力化を重視するべき建売であっても、昨今は「アングル内面=額縁内面」になっている場合もあるようですね。🤔
アングルしゃくりが入っている額縁の方が、若干お高いはずなのですが・・・。🤨
木造でない窓(サッシ)の場合の「内法寸法」
ここ👆までで何となく、内法寸法の意味がお分かりいただけたかな・・・と思うのですが、先ほども軽く触れました通り、今までの話はあくまでも木造サッシの場合の話です。
RC造やS造、SRC造の場合は、またニュアンスが違ってきますので、その補足をしておきます。☝
まず、RC造やS造、SRC造で使用される窓(サッシ)は、通称「ビル用サッシ」と呼ばれ、木造のモノとは根本的に構造が違います。
※マンション系に使われているのはビル用サッシです。
この👆窓(サッシ)は、ビル用サッシなのですが、おそらく一般の方から見ると違いが分かりませんよね?😅
論点がズレますので、構造や形状の違いの細かい話は割愛して、ここでは「内法寸法」の話に絞らせて頂きますが、まずは、一般の方には馴染みにくいと思われる、サッシ図👇からご覧になってください。
まずは前章で見てきた木造の窓(サッシ)👆からです。
平面図ですので、窓を水平にカットして上から覗き込んだイメージになりまして、中間付近は省略されていますので、幅の狭い窓とお考えいただければ、何となくイメージができるかな、と思います。
既述の通り、木造の場合は、通常はアングルと額縁の内面はイコールとなって、その内々が内法寸法とされていることが分かります。🤔
以下👇は、RC造に納めた場合のビル用サッシの、同じく平面図です。
スケールが同じにできませんでしたので、比較しづらくて恐縮なのですが、同じように中間付近は省略された絵になっています。
※S造やSRC造の場合でも似たような納まりになります。
分かりにくい絵だと思うのですが、ポイントとなるアングルや額縁の辺りに着目して頂くと・・・
アングル内面と額縁内面の位置がイコールになるところまでは同じなのですが、ビル用サッシの場合の内法寸法はここではなく、青でコメントを入れた部分にサッシ自体の15㎜の出っ張りがありまして・・・
この出っ張りの先端を基点として、その基点から基点、つまり内々の寸法を内法寸法と呼びます。☝
ですので、木造の場合、アングルしゃくりの有無によって多少の違いはあるとしても、額縁(窓枠)の内々がほぼ内法寸法になっていたのに対し、RC造やS造、SRC造の場合は、額縁(=アングル)の内々寸法から両側15㎜ずつ、つまり30㎜分狭い寸法が、内法寸法と呼ばれる数字になってくるということです。
だから何だ?と言われると困りますが、ビル用サッシの場合の窓(サッシ)の「内法寸法」とは?、この15㎜の内々の寸法を指している、ということです。☝
窓(サッシ)の内法高とは?
ここまでのご説明で、「内法」の概念が何となくお伝えできたと思いますので、次は、窓(サッシ)「内法高」という建築用語の解説に入ります。
「内法」が概念がお分かりいただけたとすると、あとはシンプルですので、パタパタと進めさせていただきますね。😛
まずは、先ほどの展開図に追記した画像👇から。
言葉で表現しますと、前章でお話しした「内法寸法」での窓(サッシ)上側の矢視先、つまり「木造で言えば上のアングル内、ビル用サッシで言えば上の15mm出っ張りの下端」の床仕上げからの高さを、窓(サッシ)の「内法高」と呼びます。
これも先ほどお見せした写真に追記しますと、以下👇の青矢視先が窓(サッシ)の「内法高」となります。
ちなみに、この内法高は、一概には言えないのですが、住宅の居室の場合、内装の木製建具の高さと揃えられることが多くなりますので、ここ15~20年くらいは2mほどの高さになることが多いです。
また、ひとつの室内であちこち高さが違うのも変!という考えの元で、その高さで各窓の内法高は揃えられる傾向があります。
要はこの👆写真だと、左の掃き出し窓の内法高と、右側の二つの小窓の内法高は揃っていて、床仕上げから2mであることが多い、という意味です。☝
色んな考えの設計屋がいますし、特にマンション系の場合は構造体によってマチマチになってしまったりしますので、ホントに一概には言えないのですが。😅
論点がやや逸れましたので、「内法高」の話に戻しまして、もう少し細かく見ていきます。👊
木造の場合は、既述の通り、窓(サッシ)の「内法」の基点は以下👇のアングル内面ですので、要はアングルの下端。
RC造やS造、SRC造で使われる、ビル用サッシの場合は・・・
サッシ上付近の写真がありませんでしたので、サッシ図👇に追記しますと、15mm出っ張り先端が「内法」の基点になりますので、この15㎜出っ張り下端の、床仕上げからの高さということになります。
これが「内法高」です。☝
お分かりになりますかね・・・🙄
繰り返しになりますが、今一度おさらいしますと、木造で言えば上のアングル内が基点。
ビル用サッシで言えば上の15mm出っ張りの下端が基点となり、いずれの場合も、この基点の床仕上げからの高さを、窓(サッシ)の「内法高」と呼んでいる、ということです。
あとは、前章でお話しした「内法寸法」について、その巾方向を「内法の巾」、高さ方向を「内法の高さ」などと表現する場合もありますので、例えば、仮に「内法高は900ですよ」などとの説明があった場合・・・ 😳
いわゆる地窓等の変則的な窓でない限りは、「内法寸法」の高さ方向の寸法を指しているような場合もあります。
曖昧で申し訳ないのですが、100%ではない旨、ご了解いただければと思います。😉
今日のまとめ
今日は、当初から気になりつつも、きちんと説明をせぬまま使い続けてきてしまった・・・
窓(サッシ)の「内法寸法(うちのりすんぽう)」と「内法高(うちのりだか)」という建築用語の解説をして参りました。😊
意味、お分かりになられましたでしょうか?👀
「内法寸法」や「内法高」と言ってしまうと、ここでお話ししてきた通り、やや微妙なところもあるのですが、「内法」という概念自体は、原則として、業界内ではほぼ統一された概念のはずです。☝
ですので、紛らわしくお感じになられた方がいらっしゃいましたら、ご説明してきた「内法」の基点だけでも覚えておいて頂ければ、あとはケースバイケースでご理解いただけるような気がします。😉
以上、長らくお待たせしてしまいましたが、窓(サッシ)の「内法寸法」や「内法高」の解説でした。👌
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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