今日は、全10連載予定の窓解説と図面表記シリーズの「引き違い窓編」にて、解説しきれなかった、引き違い窓のサイズをテーマにお話しします。
サイズの見方の話にはなるのですが、規格表がメインですので・・・
・「内法」や「内法高」、「内法寸法」などのご説明は、👉こちら
・「ROW」、「ROH」、「RH」、「Rh」などの用語の解説は、👉こちら
で解説していますので、必要に応じてお立ち寄りください。😌
様々な窓が存在する中、とにかくバリエーションが多いのが、この引き違い窓(系)である旨は、お話ししてきた通りなのですが、サイズ的なバリエーションも、ビックリするくらい😰とにかく豊富です。
正直なところ・・・
把握しきれないほどの膨大なサイズがありますので、ここでは「引き違い窓編」の方で、具体的な製品としてご紹介している、YKKapさんのフレミングJというシリーズの引き違い窓に着目しまして、
カタログに掲載されている、いわゆる「規格表」を元に、引き違い窓のサイズの見方やどのようなサイズが存在するのか?などについて、ご説明しようと思います。
「規格表」とは?、どんなサイズの引き違い窓が既製品として存在するのか?を確認できる、言わば「サイズの一覧表」的な表になります。
非常に便利ではあるのですが、この引き違い窓についてはサイズが多すぎて、一般の方には、パッと見だけで敬遠されてしまいそうな表です。😅
筆者から見ても、おえ~っ🤮って感じの表になりますが、昔よりはだいぶスッキリまとまった感はあります。👍
そもそも一般の皆さんは、「規格表(サイズ一覧表)」を見ること自体が少ないものと思うのですが、引き違い窓のサイズに関しては、この「規格表」をなしでは語れませんし・・・ 😞
でも、逆に見方が分かってしまえば、これほど便利で合理的な一覧表はありませんので、そんな意味でもしばしお付き合いいただき、理解への助けにしてもらえるといいかな、と思います。😌
規格表(サイズ一覧表)での窓サイズの見方
今回は「引き違い窓のサイズ」ということで、次章より「規格表(サイズ一覧表)」の見方も含めながらお話ししますが、この規格表の見方は、当たり前に他の窓にも応用することができます。😙
複雑で把握しにくい引き違い窓の規格表(サイズ一覧表)に入る前に・・・
ここでは、なるべく簡単で把握しやすい、別の窓種類の規格表を用いて、サイズの見方について、先に解説しておこうと思います。🙂
ご存じの方はこちら👉 飛ばす💨ボタンより、次章へ進んでください。
まずは以下👇の表をご覧ください。
引き違い窓ではなく縦滑り出し窓のものですが、窓サイズが掲載されている規格表(サイズ一覧表)になります。
なるべく簡単な表から抜粋していますので、パッと見で腰が引けることはないはず😅ですが、似たような数字が並んでいますので、ちょっと戸惑いはしますよね。🤨
ちなみに、どんな窓(サッシ)であっても、通常は、このようなサイズ一覧表(規格表)がカタログに掲載されていますので、我々もこれを見て窓サイズを選定します。😉
※他のメーカーさんでも似たような表になります。
規格表(サイズ一覧表)の着眼すべき箇所
この👆縦滑り出し窓の規格表に、解読の仕方(見方)としての解説用コメントを入れてみたのが、以下👇の図となります。
引き違い窓のサイズでも同じになるのですが、窓(サッシ)の規格表で、サイズを気にされている一般の方は、すべてを把握する必要は全くありません。
着目するとすれば、ここ👆で赤枠で囲った薄黄色と薄黄緑でベタ塗してある範囲だけで大丈夫です。☝
その他の似たような数字が並んでいる部分については、紛らわしいだけですし、そもそも我々が見るための欄ですので、今回は基本的にすべて無視!👊でOK。👌
この規格表(サイズ一覧表)を例に、図中👆にコメントを入れた、着目すべき点を箇条書きで整理しますと、以下👇の通りです。
- 薄黄緑ベタ塗(縦軸):700/900/1100/1300
窓の高さサイズの内法寸法をmm換算で示した数値
- 薄黄緑ベタ塗(横軸):235/260/365/600
窓の巾サイズの内法寸法をmm換算で示した数値
- 薄黄色ベタ塗範囲:存在するサイズ(ここでは15)
既製品の有無と、ある場合はその呼称を示す欄
空欄であれば既製品では「ナシ」、
五桁ほどの数字が入っていれば「アリ」という意味です。
※五桁の見方はこちらでザッとご説明しています。
「内法」については、リンクを入れてありますが、別の投稿「窓(サッシ)の内法寸法と内法高の解説」のこの辺りで解説していますので、お手数なのですが、ご覧になってください。🙏
一般の方は気にしなくていいのですが、図中にある「ROW」や「ROH」について、気になる方がいらっしゃれば、こちら👉「その他の建具系略語:ROW、ROH、RH、Rh」もご参照いただければと思います。
「呼称」については、例えば内法寸法での巾が「235mm」の場合、呼称では「023」、この表にはありませんが、「1195mm」巾でしたら、呼称では「119」と表記されますので・・・
要は、5mmは端数として無視して表記されているものだ!と覚えて頂ければ大丈夫です。👌
サイズの具体的な見方[規格表(サイズ一覧)の見方]
では、具体的なサイズの見方をご説明します。☝
具体的なサイズの見方としましては、例えば、以下👇の青色のアンダーラインを入れた行、つまり高さサイズ「700」の行(横軸)に着目していただいた場合・・・
基本巾のサイズ展開としては「235」、「260」、「365」、「600」の4種類があるということになりまして、この数字が、内法寸法での巾サイズを「mm(ミリ)」で示しています。
ちなみに、高さに関しましても、この「700」がそのまま内法寸法での高さサイズの「700mm」を表しているという形です。
また、先の通りなのですが、黄色ベタの「235」の欄については空欄になっていますよね。😐
これは、「巾235×高700(呼称:02307)」という製品は存在しないということで、それ以外・・・、
つまり呼称で書きますと「02607」「03607」「06007」のみが存在する、という意味になります。🤔
「内法」については、リンクを入れてありますが、別の投稿「窓(サッシ)の内法寸法と内法高の解説」のこの辺りで解説していますので、お手数なのですが、ご覧になってください。🙏
一般の方は気にしなくていいのですが、図中にある「ROW」や「ROH」について、気になる方がいらっしゃれば、こちら👉「その他の建具系略語:ROW、ROH、RH、Rh」もご参照いただければと思います。
お分かりになられますかね?👀
この規格表(サイズ一覧表)では、巾4サイズ×高さ4サイズの内、15サイズの既製品が存在します、ということです。☝
引き違い窓のサイズ
ではっ!😳
以上の見方を念頭に置きつつ、引き違い窓のサイズを見ていくことにするのですが、先ほどの規格表(サイズ一覧表)では、要するに15サイズが存在するということでしたが・・・
引き違い窓のサイズについては、YKKapさんのフレミングJに限定し、さらに面格子付きやらシャッター付きなどの変則パターンを除いて勘定してみても、何と!160超ものサイズバリエーション😱がありました。💧(2021年9月現在)
ですので、一つの画像なんかでは到底ご説明できるものではありませんので、YKKapさんサイト上のWEBカタログに掲載されている、引き違い窓の規格表👇(サイズ一覧表)を、3つに分けて三段階での解説とさせていただきます。
ただ三つに分けるだけだと、認識しにくい表になってしまいますので、少しでも認識しやすいようにと、少し編集させていただいています。
予めご了解ください。😌
先ほどのモノより、文字が小さくなりますのでベタ塗は省略しましたが、赤枠は入れてありますので、先と同様、その他の部分は無視していただく流れでお願いします。👌
引き違い窓のサイズ一覧表:(前半)巾サイズ133まで
お待たせしてしまいましたが、具体的に引き違い窓のサイズを、規格表(サイズ一覧表)を使用して見ていきましょう。🤗
引き違い窓のサイズはとにかく多く、特に巾サイズのバリエーションが多いため、以下👇のように、極端に横長の表になっています。
クリックすると少し拡大できますが、読めるほどにはならないはず😖ですので、この👆横長の規格表(サイズ一覧表)を左側から順に三つに分けてご説明する・・ということです。☝
この項では前半の1/3ほどに当たる、呼称巾「133」までのご紹介になります。😐
着目していただきたいのは、三分割後の以下👇の表で言いますと、先の通り、赤枠で囲った部分のみ。
前項の解説図にて薄黄緑に塗っていた、上側に逆L字に囲った範囲については、先の通り・・・
横軸は引き違い窓の巾のサイズ、縦軸は引き違い窓の高さのサイズを内法寸法で示した数字が示されていることになります。
※話がややこしくなりますので、その他の欄はすべて無視してください。
左側の縦軸に着目して、高さのサイズバリエーションを見てみますと、300~2200mm間で、原則として200mmピッチ刻みで、10サイズが設定されていることが分かります。🤔
上段の300~1500までは「窓」、下段の1800~2200までについては「テラス」と分けられていますが・・・
これについては、「窓」がいわゆる「腰窓」タイプ、「テラス」が「掃き出し窓」として使われることを前提にしたサッシということになっています。
※掃き出し窓と腰窓の違いについては、この辺りが参考になります。
上側の横軸には、巾のサイズバリエーションが並んでいるわけで、本当はもっと右に繋がっているのですが、この前半の範囲では、600~1330間で10サイズが設定されているということになります。
※後述していきますが、巾のみで全部で29サイズ🤧あります。
巾サイズについては、高さサイズと違って、一見、不規則に見える微妙な🤨刻みで設定されている状態です。
これについては、別途説明が必要かと思うのですが、今回は引き違い窓のサイズの話ですので、別の機会に詳しくお話しさせてください。🙏
とは言え、概略と基本的な考え方については、最終章の「引き違い窓の巾サイズに規則性がない件」にて、ザックリご説明してありますので、気になる方はご覧になってください。👌
これも前章でお話しした通り、空欄については既製品が存在しないという意味になりますので、巾狭の600~1145mm間のサイズについては、「窓(腰窓)」タイプのみの設定。
「テラス(掃き出し)」タイプについては、1195mmからの設定になっていることがお分かりいただけるものと思います。🤔
※1m巾ほどの引き違い窓では出入りがしにくいため。
この前半だけで、既製品として存在する引き違い窓のサイズを数えてみますと・・・
ここだけでも、引き違い窓のサイズとして49サイズが設定されていることが分かります。😲
しつこいようですが、今回は、シャッター付きや面格子付きなどの変則パターンは除いての話ですので、いかに引き違い窓のサイズバリエーションが豊富なのかがご認識いただけますよね。😉
引き違い窓のサイズ一覧表:(中盤)巾サイズ186まで
引続きまして、次に、引き違い窓の規格表(サイズ一覧表)の中盤👇を見てみます。
見方は同じですので、細かい表現は割愛させていただきますが、左側の縦軸に掲載されている高さサイズのバリエーション、及び、窓/テラスの区分は変わらず、
巾サイズのみが150~186mmの間で9サイズ設定されていることが分かります。
引き違い窓の巾サイズとして、よく採用される一般的な巾ということもあってか、空欄もだいぶ少なく、既製サイズとして、ほぼ網羅されていることがお分かりいただけますよね。😉
ちなみに、後半でザッと後述もしますが、いわゆる「関東間(かんとうま)」を呼ばれるモジュールの「一間(いっけん)」巾の柱間に納めることが想定されている引き違い窓サイズは・・・
この👆表中、巾の欄にグレーの網掛けが入れられている、左寄りの1500、1600、1650mm巾の辺りです。
関東間の基本モジュールは「910mm」です。
また、日本全土だと分からないのですが、筆者の活動エリアに当たる、関東周辺ではこの「関東間」の「910モジュール」が最も一般的。
その次に多いのが、以下で触れている「メーターモジュール」になります。😉
※メーターモジュールは「1m」ですので、基本が「1000mm」のグリッドということです。
あとは「メーターモジュール」と呼ばれるモジュールの一間巾用(要は2m巾)として、用意されている巾サイズは、やや右寄りの中ほどに掲載のある、1780、1830になります。
その他の4サイズは、「九州間」や「関西間」のモジュール、「2×4工法」などを想定している寸法ということになりますので、特に巾サイズに関しては、一見、何の根拠もないような微妙なサイズ設定に見えるのですが、それなりに根拠のあるバリエーションになってはいます。😅
なお、この規格表(サイズ一覧表)中盤での、引き違い窓のサイズを勘定してみますと、86サイズもありますので、やっぱり最も需要があるサイズ帯ということなんでしょうね・・。🤔
引き違い窓のサイズ一覧表:(後半)巾サイズ377まで
最後に、 引き違い窓の規格表(サイズ一覧表)の後半(右側)👇に掲載されている巾広サイズの部分を見てみます。🧐
巾サイズのバリエーションとしては、この後半も10サイズの設定。
寸法的には2330~3770mm巾まで設定があることを読み取ることができます。
このサイズ帯から、一般的な二枚建だけではなく、四枚建や三枚建の引き違い窓も製品として存在しますので、バリエーションを把握しようとすると、だいぶややこしくなってきます。😫
四枚建については、基本的にすべてのサイズで設定があります。
呼称が記載されている欄の末尾に「※」印が入っているサイズについては、三枚建の製品もあります。
話が複雑になってきましたが・・・ 😅
逆に呼称の欄に「-4」との記載があるサイズは四枚建のみ、「-2」との記載があるサイズは逆に二枚建しか設定されていません。
この辺りの設定の仕方は、同じYKKapさんのシリーズによっても差があるものと思われますし、他のメーカーさんでは設定が違ってきますので、一概には言いにくい部分です。
「窓(腰窓)」タイプは最大サイズが2810mm巾で、それ以上は設定がなく、
高さサイズの300~700mmの範囲には、そもそもこの幅広のサイズ帯が設定されていませんので、前項の中盤に比べると、空欄も少し増えてきましたね。🙂
・・・が、そうは言っても、呼称が記載されている欄だけで勘定しても、この後半だけで47サイズの設定がありますし、 四枚建や三枚建まで入れるとなると、相当な数になりますよね。😰
筆者の拙い(つたない)暗算によれば、バリエーション数で言うと、この後半だけで86パターン😱のようでした。😅
引き違い窓の巾サイズに規則性がない件
引き違い窓の巾サイズに限った話ではないのですが、ご紹介してきた通り、一般の方からは規則性の感じられないと思われる、微妙な数字が規格サイズとして設定されておりました。
そのため、疑問を持たれた方もいらっしゃるような気がしますので、念のため軽く補足しておこうと思います。
これも本気で書くと話が長くなりそうですので、詳細については必要に応じて、また別の記事で整理することになるかも知れませんね・・。🙄
ここで例としてご紹介してきた引き違い窓は、YKKapさんのフレミングJというシリーズだった訳ですが、基本的に木造で採用されることを前提としたサッシになります。
※木造にしか使えない訳ではなく、軽量鉄骨などでは使えます。
木造は大きく分けて、軸組み工法と呼ばれる在来工法と、枠組み工法と呼ばれる2×4工法(ツーバイフォー)の二つがあり、通常上の場合、関東間(かんとうま)と呼ばれる「910モジュール」と、「メーターモジュール」と呼ばれる基本グリッド上で計画されるものです。
ただ、木造の基本グリッドには、実はこれらのモジュールの他に、「九州間(きゅうしゅうま)」や「関西間(かんさいま)」など、地方によって独特のグリッドが存在したりします。😰
要するに、柱の基本ピッチ寸法が地方によって違う!ということです。 ☝
特に広く採用される引き違い窓については、そんな訳で、これらのそれぞれの諸条件に適応するため、色んなサイズバリエーションが存在し、一見、何の規則性もないように見える、微妙な数字になってしまっている・・というところなんです。😓
逆に言うと、パッと見、規則性がないように見える微妙な数字であっても、実はある一定の規則性に基づいて決められている・・・ということですね。😉
今日のまとめ
今日は、本稿に当たる窓解説と図面表記シリーズの「引き違い窓編」にて、解説しきれなかった、引き違い窓のサイズをテーマに、
YKKapさんのフレミングJというシリーズの、引き違い窓の規格表(サイズ一覧表)をお借りして、この見方も含めて、引き違い窓のサイズの幅広さについてお話して参りました。 🙋
本論中で掲載した規格表において、やや一方的に「ここだけに着目!」や「その他は無視でOK!」などとお伝えしてきたところではあるのですが・・・ 😓
これは、あくまでも一般の方が「引き違い窓のサイズ」との観点で、その情報だけを規格表から抽出しようとした場合に限定したお話です。☝
実際には、もっと色んな情報が含まれている、非常に重要な表になりますので、念のため最後にお伝えしておきます。😐
また、今回は「引き違い窓のサイズの見方」と題して、主に規格表をサイズ一覧表と見立てて、サイズの見方をご紹介してきたところですが、「サイズの見方」という意味では、実際には色んな見方がありますよね。🤔
本文中でも一部はご案内してきましたが、以下👇に、ここでお話ししてきた内容に、関連しそうなページへのリンクを用意しましたので、必要に応じて参考にしていただければ幸いです。😌
- 「内法」や「内法高」、「内法寸法」などの話は、👉こちら
- 「ROW」、「ROH」、「RH」、「Rh」などの解説は、👉こちら
- 「引き違い窓」とはどんな窓?という件は、👉こちら
- 引違いの腰窓を掃出し窓にリフォームした話は、👉こちら
- 「腰窓」とは何ぞや?という点については、👉こちら
本日も、例によって・・・
思いがけず長い記事になってしまって、申し訳ございませんでしたが、最後までお付き合いいただきまして、どうも有難うございました。🙏
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