去る昨年秋、2020年10/12に発覚した雨漏りについて、その発生の様子から、原因の調査と分析→雨漏り修理→結果の確認・・・、との一連の流れで、ご紹介しているシリーズの第三弾です。👊
前回は、自分で雨漏りのDIY原因調査をしようとされている方に向け、筆者の建売マイホームでの今回の雨漏りの原因調査と分析結果をご紹介しつつ、その具体的なチェックポイントを解説してきたところですが・・・
今回は、その後半(2/2)に当たる「雨漏り!2021年③:原因調査と分析2/2🔍」になります。🙌
前半(1/2)に当たる前回に引続きまして、実際の雨漏りの原因調査と分析結果をご紹介しながら、具体的なチェックポイントをご説明していきますので、雨漏りの原因調査をDIYにて自分でやろうとしている方は、ぜひ参考にしてください。👌
・・・とは言え、しつこいようですが、雨漏りはとにかく早期発見と早期対応が基本になりますので、建物の耐用年数を無駄に浪費しないためにも、本当は、プロの業者に頼まれた方が間違いなく健全です。
くれぐれも、ご留意願えればと思います。🙏
今回は、大きめの問題も発覚していますので、後半では今回の雨漏りの原因を(仮に)特定しまして、次稿に繋げていきます。👍
雨漏り2021シリーズ目録
以下👇は今回の雨漏りシリーズの目次になりますので、ご興味とお時間がありましたら、その他の投稿にもお立ち寄り頂ければと思います。
- 第一弾:雨漏り!2021年①:発生・・・ 😭
- 第二弾:雨漏り!2021年②:原因調査と分析1/2🔍
- 第三弾:雨漏り!2021年③:原因調査と分析2/2🔍 👈今回
- 第四弾:雨漏り!2021年④:雨漏り修理(DIY外壁塗装) 👌
- 第五弾:雨漏り!2021年⑤:雨漏り修理の結果は? 😳
次稿以降はまだ準備中ですので、UPでき次第、リンクを貼るように致しますね。😌
[210726追記]全記事をUPし終わりました👍
雨漏りの原因調査と分析のチェックポイント後半(2/2)
では、前半(1/2)に引続きまして、今回の雨漏りの原因調査と分析結果(後半)をご紹介しながら、具体的なチェックポイントの後半(2/2)を解説していきます。💨
雨漏りの原因調査と分析5:外壁汚れ上段のチェック
この外壁の上段については、もっと早くに気付くべきでしたが・・・ 😞
既述の通り筆者は視力が悪いため、あんまりよく見えてなかったところで、高めの脚立がないと近づけない位置だったこともあって、6年間以上も完全に見落としていた部分です。😓
この「プチ増築」範囲を含む当初リフォームは、古くから付き合いのある「T建設」という工務店にお願いしましたので、それなりに信頼関係もありましたので、まさかこんな適当なことになっているとは、1mmも想像ができなかったため、チェックなんてしてなかったんですね・・・ 😨
前投稿「雨漏り!2021年②:原因調査と分析1/2🔍」の、外壁下~中段のチェックで提示したこの写真でも少し気にはなっていた点ではあったのですが・・・
具体的には、以下👇からの写真をご覧いただくと分かるのですが、恥ずかしながら、外壁塗装といいますか、吹付け自体がまともに施工されていなかったみたいなんです。🥶

この👆写真でもそうですが、左側が既存部分ですので、建売新築の際に吹付けられた外壁面。
右側が、当初リフォームでの「プチ増築」による外壁の吹付け面(塗装面)なのですが、色の色違いとは別に、吹付け面(塗装面)の厚み自体がぜんぜん違いそう😨なことがお分かりになられますでしょうかね・・・。
筆者の建売マイホームは普通の木造二階建てなのですが、外壁は一般的なサイディングやモルタルではなく、筆者が大嫌いな「〇ワーボード」というALC板で造られていまして、これに吹付けで塗装されている状態です。
「ALC」とは、お見せできる写真がなくて恐縮なのですが、正式名「軽量気泡コンクリート」と呼ばれる、見た目は「軽石」のような素材です。
吹付けの塗膜がなく、完全にALCの素地が見えてしまっている部分(白い範囲)までありますが、色だけ何となく付いているだけのような箇所もあります。💢

既述の通り、左が建売業者が吹付けた面ですが、これよりも数倍は施工レベルが悪いですよね・・ 😖
やっぱり値切ったからかな・・ 😥


この施工不良が、雨漏りの原因となっている可能性は大きいような気もするのですが、100%として決めつけて、大事な部分を見落としてしまっては元も子もありませんし・・・
ここでは雨漏りの原因調査の具体的なチェックポイントを、皆さんにお伝えしたい意図もありますので、引続き、上方に向かってチェックを続けていきます。👊
雨漏りの原因調査と分析6:ドレン(排水口)周りのチェック
木造の場合は雨漏りの原因となっているケースは少ないですが、RC造やS造の場合はまず最初に疑うのが、この「ドレン」、すなわち「排水口」廻りになります。
2Fのバルコニーに移動して、ご説明していきますが、要は、バルコニーの床排水を縦樋(竪樋)の系統に繋げるために1か所に集めて、軒裏か外壁の外面に出す部分を指します。
※1か所でなく数か所ある方が健全です。

ちなみに、筆者の建売マイホームでは、軒天ではなく、兼ねてから問題となっている「角ます」の付いている外壁に出している形ですので、「横引き」という形式の「ドレン」になります。
逆に、軒天に出す形式は「縦引き」と呼ばれますが、もう少し詳しい点については、「バルコニー角ますの種類の調べ方」のこの辺りで触れていますので、必要に応じて参考にしてください。
「角ます」とは逆方向から見ていますので、右が既存、左が「プチ増築」によって付け足された部分になりまして、防水トップ(仕上)のグレー色が左右で違うのですが、これは雨漏りとは関係ありませんので、ここでは無視してください。😅
床の防水面からの漏水の可能性も無きにしも非ずなのですが、パッと見では、ドレン廻り含めて特に問題はないように見えます。
目皿を外して、もう少し近づいて見てみます🧐と・・・
汚らしい写真で恐縮なのですが、以下👇のような状況でした。

(目皿を外した状態で撮影)
この程度の泥の場合でしたら、詰まることはありませんので、原則として放置しても大きな問題はないのですが、例えば、この泥が堆積している底が割れていたりしても、気が付けないことになってしまいますので、そういう意味では健全ではありません。
ちなみに、関係ない話ばかりになりますが、目皿は排水口内に落ち葉などが入り込んで詰まりを発生させるのを抑えるために付いていますので、邪魔くさい場合もありますが、付けておいてくださいね。
ただ、ここもそうなのですが、木造の場合はFRPの筒でできているため、そうそう割れたりするものではありませんので、今回はこのままスルーして、このドレン外側に移りまして、雨漏りの原因調査を続けていきます。
さて、外側に戻りましたので、方向としてはまた元に戻りました。😑
※分かりづらいですね・・・ スミマセン・・・ 💦
左が既存、右が「プチ増築」の範囲ということになりまして、記載はないのですが、すぐ左側の目地が新旧を隔てる境目になっています。
なお、「角ます」が取り付いたままですと、見落としが残ってしまう可能性があるため、一度外しています。

また、この👆写真は、先の写真とは別の日に、高い脚立を引っ張り出して撮影していますので、ドレン筒の中は乾いた状態です。
泥は放置しましたので、そのまま残っていますが、それ以外は特に違和感は感じられませんので、少し離れて、ドレンの下側を傍観してみます。👇

「角ます」が取り付いていた部分が、その形状に合わせて、キレイに残っている訳ではなく、「角ます」の裏側も合わせて、同じように黒っぽく汚れておりますので、この外壁の汚れ自体は、「角ます」内を通過したモノではなく、「角ます」の背面を通過したモノであることが分かります。🤨
・・が、この事実が何を意味するのか・・・、今のところ、明確な見解は導き出せていません。😞
ドレン管の付け根の部分も気になっておりましたので、近づいて見ますと、以下👇のような状態です。

筒の先端に泥が堆積した形跡があり、外壁側に向かって少し伝って戻った跡が残っていますが、付け根までは至っておりませんので、ここも特に問題はなさそうな印象ですね。🤔
雨漏りの原因調査と分析7:ドレン周り樋部材のチェック
次に、「角ます」も外したことですし、外した状態でこのドレン周りの雨樋関係の部材に、雨漏りの原因となる痕跡がないかどうかをチェックしてみます。
「角ます」は先ほどの写真でみた、上側のビス✕2本だけで固定されていましたので、2本だけ抜いてしまえば必然的に外れてきます。👇

屋外で使用されるビスでなく、内装用のビスで固定されていたみたいですね。🤨
しかも、相手はALCですので、本来ならビスの下穴を孔けたら、穴の中にコーキング材を充填するべきなのですが、入っていなかったようです。😒💢

コーキングを注入していないと、このビス穴から水が入ってしまいますので、大した水量ではないとは言え、ご自身でやられる場合は、ちょっと面倒なのですが、注射器などで注入した方が間違いありません。👌
外した「角ます」の内部を覗き込みますと、以下👇のような状態でした。
フタがない割に、大きめの落ち葉などのゴミは見られない、比較的キレイな状態で、あくまでもパッと見ですが、排水不良を想起させるような形跡も特に見られませんね。😉

左下に写っていた、「角ます」からの排水を受ける「集水桝」の内部も、雨漏りの原因に繋がるような痕跡がないか確認します。👇

結果、何の違和感も感じられないほど、キレイな状態です。
何とも言いがたい部分もあるのですが、パッと見、この辺りの部材は、雨漏りの原因とは縁が遠そうな印象です。🤔
雨漏りの原因調査と分析8:防水取合いと笠木廻りのチェック
最後に、今回は関係なさそうな気もしつつ、2Fの手摺廻りも、念のため雨漏りの原因に繋がる痕跡がないかチェックしてみることにします。
まずは、2Fバルコニー手摺の笠木廻りです。👇

笠木の下に水が廻っていないか?という確認ですので、切れ目の部分に着目するのですが、ここもパッと見では特に問題はなさそう・・。
次に、この笠木を外面側でなく、バルコニー内面側から下から覗き込みます。👇
可能性としては高くはないのですが、風の吹き上げによって、下から水が入り込むケースもないこともありませんので、念のための確認です。

水が入った形跡は特に見られませんので、ここも特に違和感はありませんでした。
最後に、この手摺内側壁の外壁材と防水立上りの取合い部も覗き込んでおきます。🧐
20年くらい前の技術だと、ここから廻り込むようなケースが結構あったのですが、技術が進歩したのか、ここ15年ほどは聞いたことがありませんので、ここも念のための確認です。

だいぶ武骨(いい加減?)な納め方をされています🤨ので、やや違和感はあるものの、雨漏りの原因に繋がりそうな大きな問題はなさそうに見えますね。🤔
ちなみに、近づきすぎて分かりづらいと思いますので、この👆写真で写っている箇所を少し離れてご説明しますと、以下👇のように、先ほどのドレンのすぐ上側です。

一応、端から端まで覗き込んでは見たのですが、パッと見では大丈夫そうな印象でした。👍
以上、筆者の建売マイホームでの今回の雨漏りの原因調査写真の結果を元にした、木造の場合の雨漏りの原因調査のチェックポイントの解説でした。🤗
他の構造でも、原則は似たようなものですので、雨漏りの原因調査でお困りの方がいらっしゃいましたら、必要に応じて参考にして頂ければと思います。
今回の雨漏りの原因は?
今回の雨漏りの原因に繋がりそうな怪しい箇所は一通り見てきたところですが、どこが最も怪しいか?を限定しないことには、次のステップに移れませんので・・・
100%ではないとしても、この段階で一旦は判断をしなければいけません。😤
「この段階」と言っても、すでに半年以上も放置してしまっていますので、どっちにしても、さっさと決めて、具体的な行動(雨漏り修理)に移さないとしょーがないですよね。😓
結論を先に申し上げますと、先ほど、吹付けが載っていなかった箇所がありましたが、個人的には、この部分が今回の雨漏りの原因に違いないだろう・・と内定はしています。🤔
吹付け施工不良と雨漏りの関係
前項では紙面の関係もあって、数枚しかお出ししていないのですが、実は、脚立に上って目を皿のようにして、よくよく観察してみましたところ、「角ます」周りだけでなく、だいぶ広範囲に広がっていることが分かっています。😭
例えば・・・
以下👇の写真の個所なんかは最もヒドい部分のひとつで、下地に当たるALCの軽石系の素地が広範囲に出てしまっているのですが、お分かりになられますでしょうかね?👀
白っぽく、軽石のように小さいポツポツが見えている範囲が、まさにALCの素地ですので、吹付け材がキチンと吹かれている範囲の方が、逆に狭くみえるほど広範囲に広がっています。😞

もう少し分かりやすくならないかな・・と思って、画像を暗めに補正してみましたら、以下👇のような画像が得られました。
くっきりと浮き上がった白いポツポツが、ALC素地に他なりませんので、だいぶ広範囲を占めていることが分かりますよね。😞

ちなみに、ALC板単体だと、防水性能は基本的にないものと考えますので、塗膜が形成されていなければ、即座に裏側に水が廻り、裏側に貼られている「透湿防水シート」と呼ばれる、ただの紙を濡らすことになりますので、仮に雨漏りの原因として直結しないとしても、極めて不健全な状態になります。😩
極端に言うと、塗膜のみが頼りの外壁材ですので、塗膜がなければ、雨を凌ぐ外壁材にはなり得ない材料なんです。😱
ちなみに、この「透湿防水シート」はALC板の裏側に以下👇のような感じで入っています。
「プチ増築」の段取り中で、撤去予定の既存壁からALC板を剥がしている最中に撮影された写真ですので、増築部はまだ基礎しかできていない状況ですね。😅

(既存部外面)
もう少し増築が進んでからの写真もお見せしますと、以下👇のように木軸の外側、かつALC板のすぐ裏側に配されるのが、この「透湿防水シート」と呼ばれる紙です。

(増築部内面)
一応、「防水」という文字も入っていますので、濡れたからといって、即座に雨漏りには繋がらない訳ですが、どんなに高性能なモノであっても、所詮「紙」は「紙」ですから、そんな紙っ切れに頼るようでは建築の外壁材としては、完全に失格ですよね。😫
この時点での結論を言いますと、この吹付けの施工不良が、雨漏りの原因となっている可能性がとても高そう!というところです。☝
吹付け施工不良の不良レベル
前章で見てきた、吹付けの施工不良について、雨漏りの原因となる可能性が高そうな旨は、ご認識頂けたものと思いますが、今回の施工不良がどの程度の不良レベルなのか?という点を、最後に分析&検証しておきます。😐
まず、既存部分ですので、建売新築時の経年6年強の吹付け面👇から、見てみることにします。

経年6年ですし、所詮、建売レベルの吹付けですので、品質の高い吹付けではなく、最低限の吹付け面と思われるものの、当たり前にALC素地なんかはまったく見えません。😕
※見えていること自体、本当は有り得ません!😤
次に、旧知の工務店「T建設」にお願いした「プチ増築」範囲で、比較的キチンと色が載っている箇所を同じくらいのスケールにして比較してみますと、以下👇のような感じでした。

(まあまあの個所)
汚れのせいか、色の違いもさることながら、塗膜の厚みがおそらく1/3くらいしかないんじゃないかと思われるほど、とにかく薄っぺらいですよね。😰
しかも、既述の通り、部分的にALCの素地が見えている状態・・・ 😥
さらに、見るからに吹付けが載っていない、ヒドめの箇所を同じくらいのスケールに拡大しますと、以下👇のようになります。😳

(特にヒドい個所)
まさに、スっカスカ!🤧
地面に立って、外壁上を肉眼でザッと見る限り、ここまでの違いがあるようには、まったく見えなかったのですが、並べてみますと、こりゃあヒドいですよね?😲
今まで700棟ほどは何かしらの形で関わってきていますが、ここまでいい加減な吹付け面は初めて見ましたよ。🥶
ちなみに、この手の吹付けは、通常は以下👇のような三段階の工程で施工されます。
※下地調整抜きで見て三段階という意味です。

(エスケー化研さん、同PDFより抜粋引用)
ALCの素地が見えている箇所があるということは、下塗り自体をやっていないことは明らかですし、しかも、二段階ある主材塗りの工程を、おそらく一回しかやっていないってことだと思います。😤
一回なら一回でもいいのですが、下塗りくらいはちゃんとやって、こんな0.3回レベルの中途半端な主材塗りでなく、せめて1.2回分くらいの主材塗りにしてほしいものです。😣
ったく、すぐバレるんだから、勘弁してほしいですね。😩💢
実際にはバレるまで、6年以上も掛かったことになるのですが・・・ 😱
まったく恥ずかしい話です。😩
・・・ということで、次回の第四弾は、何と!DIYによる外壁塗装のお話になります。😑
お楽しみに!😘
雨漏りの原因調査と分析のまとめ
本日は、前投稿「雨漏り!2021年②:原因調査と分析1/2🔍」に引続きまして、雨漏りの原因調査の具体的なチェックポイントを、筆者の建売マイホームでの実際の雨漏り調査と分析結果を元に解説して参りました。😑
とんでもない「手抜き」とも取れるような問題が見つかったりましたので、ようやく具体的な雨漏り修理の段取りに入れることになって、建物のためには逆に良かったことになるのですが・・・ 😅
それなりに信頼はしていた工務店にやってもらった部分ではありましたので、気持ち的には何だかスッキリはしませんよね。😒
ったく、ホントに勘弁してほしいです。😩💢
なお、しつこいようですが、次回は、筆者自らの手によるDIYによる外壁塗装のお話になります。🤗
次号へはこちら👉雨漏り!2021年④:雨漏り修理(DIY外壁塗装) 👌
筆者は建築士ですが、設計屋につきデスクワークがメインですので、原則として施工は専門外です。😬
つい先日、四苦八苦してようやく塗り終えたところですが、右往左往もしましたので、まとめ上げるまでに少し時間が掛かる場合があります。←7/11にUPしました。
大変恐縮なのですが、予め、ご了解いただけると有難く思います。😌
今日も最後までお読みいただきまして、どうも有難うございました。🙏
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