今日は、主に住宅メーカーさんや建売メーカーさんの平面図に見られる、窓記号と言いますか、窓表記と言いますか・・・
要するに、窓に関する、こんな👇記号の見方(読み方)についての解説です。
各メーカーさんで独自の書き方をしますので、凡例でも付けてくれればまだ分かるのですが。😒
凡例が付いていないような場合、特に大手さんのモノはよく分かりませんよね?💧
もちろん、全てのメーカーさんの平面図に書かれている窓記号(窓符号?)を網羅できるわけではありませんで、ごく一部にはなるのですが、ここでは手持ちの具体的な案件数件を用いて、どんな表記が何を示しているのか?について、具体的に解説をします。
現実的には、意味なく難解な表記もあるのですが、一般的なモノでしたら、読み取り方のコツさえ分かれば、ある程度の応用が利くはずです。👌
難解なのは、特に大手メーカーさんの平面図などに見られる、オリジナル略語を使用した、窓記号(窓符号?)の表記です。
そのオリジナル略語を知りうる者しか解読できないという、厄介な内容になります。
お手元の住宅平面図の窓が、どんな窓なのか読み取れずにお困りの方などがいらっしゃいましたら、参考にしていただければと思います。👍
なお、このような窓記号(窓符号?)でなく、窓やドア(建具)関連の一般的な略語について、お調べの場合は、別の投稿「略語解説③建具系:前半1/2」と「略語解説④建具系:後半2/2」で解説しておりますので、必要に応じて、そちらをご参照願えればと思います。😌
住宅平面図の窓記号の読み方
では、具体的なお話に入りましょう。🤗
まず初めに、比較的分かりやすい筆者の建売マイホームの図面(中堅建売メーカー)でご説明し、大手の某住宅メーカーさん、中堅ほどと思われる某建売メーカーさんの住宅平面図を元にご説明していきます。
後述もしているのですが、大手住宅メーカーさんの平面図の窓記号(窓符号?)は、表記の仕方にオリジナル色が強すぎて、パッと見だけでは把握できません。
細かく説明もできるのですが、バラしてはいけない約束になっている、独自の商品仕様などの話に陥ってしまう可能性もありますので、大変恐縮なのですが、今回はザックリで逃げさせて頂きます。😅
一部、平面図のPDFやCADデータがないものについては、紙の平面図を写真撮影したものでのご説明となりますこと、予めご了解いただければと思います。😌
平面図の窓記号①:筆者の建売マイホームの場合
筆者の建売マイホームを建てた建売メーカーさんは、地元の業者かと思っていたのですが、調べてみたら、一応・・・全国展開している会社さんでした。🤨
※ですので、中堅くらいなのでしょうかね・・・
また、すでにご紹介している別の投稿👉「図面の見方01」の方で、筆者の建売マイホームの住宅平面を元に図面の見方(読み方)を解説していますので、一部重複しますが、ご容赦ください。
では、色んな投稿でお見せしていますが、当初の新築リフォーム前の元々の平面図は以下👇のような感じです。
※あまりに陳腐な図面でしたので、少し調整してあります。😅
筆者の建売マイホームの平面図では先のような窓記号と言いますか、窓符号は付いておらず、文字だけで表現されています。😑
クリック👆していただくと大きくなるのですが、どっちにしてもこの👆大きさでは説明のしようがありませんし、全部を解説していると日が暮れてしまいますので、抜粋してご説明していきます。
まずは、1F平面図の左下からの抜粋です。👇
この範囲では、窓記号(窓符号?)は三つ。
左上から見ていきますと、「横滑出」と、「06005」の記載があり・・・ 😳
その下については、和室左に「透明ガラス」と、「15013」の記載があって、和室下の窓には「透明ガラス」と、「15020」との記載になってます。
一番目の「横滑出」との表記は、直観的にご認識頂けると思いますが、「横すべり出し窓」を表しますので、要はサッシの開閉形式を文字で表現してくれている、ということですね。
「06005」の方については、確か図面の読み方を解説している記事👉「図面の見方01」の方でもご説明したと思うのですが、前半三桁が窓の巾、後半二桁が窓の高さの呼称を示しますので、前半「060」は巾が60センチ、後半「05」は高さが50センチであることを表します。
呼称の数値については、通常はサッシの内法寸法の数値になります。
内法寸法とは、言葉で説明すると分かりにくいかもしれませんが、壁に付いている窓枠の、屋外側に付いている、サッシ枠の有効開口寸法です。
※詳細については、この👆リンク先で詳述していますので、お気になられる方はご参照ください。😊
サッシの開閉形式を文字で表現してくれていると、窓の絵柄を見てわざわざ開閉形式を読み取らなくて済むので、分かりやすいですよね?😙
そう思って、和室の方の窓記号(窓符号?)に視線を戻しますと・・・ 😳
なぜか、開閉形式と関係のない「透明ガラス」と書いてあります・・。🤨
・・・が、要は、この和室の二つの窓については、引き違い窓ですので、敢えて文字で表現する必要がないということです。
また、いきなりガラス表記が出てきた点については、おそらく標準ガラスは「型板ガラス」に設定されていて、標準の「型板ガラス」の場合は敢えて表記しない・・・という社内ルールで描かれている、ということが分かります。🤔
引き違い窓についても、絵柄を見ればわかるから・・ということで、引き違い窓については文字では表記しない・・・というルールになっているということです。☝
何となく、この平面図の窓記号(窓符号?)の読み方がお分かりいただけたものと思いますので、1F平面図の右上の方に移動してみます。💨
ここでは、窓記号(窓符号?)は四つ。👇
同じように左上から見ていきますと、数字だけの表記が三つと、右の縦通りに「03611」と「縦滑出」との表記になっています。
この「03611」と「縦滑出」については、先ほどと同じ解釈でいきますと、呼称で巾36センチ✕高110センチの「型板ガラス」の「縦すべり出し窓」が付く予定という意味になります。😉
サッシの呼称は、5mm単位は省略されますので、例えば、ここの「036」は実際は365mm巾です。
規格寸法だと高さについては5mm単位はありませんので、そのままお読みいただいていいのですが、巾については、在来木造用の既成サッシの場合で言いますと、365mmの他に「1145mm」や「1195mm」などの寸法がありますので、ピッタリではない場合があると覚えておいてください。😊
上の通りの三つについては、ガラスの表記も開閉形式の表記もありませんから、「型板ガラス」の「引き違い窓」ということですよね。😙
このような感じで読み進めて頂ければいいのです。👍
最後にもう一枚だけ筆者の建売マイホームの図面より、2F平面図の右上を抜粋して窓記号(窓符号?)をみておきます。👇
左上から、上の通りについては、先と同様、数字だけですので、「型板ガラス」の「引き違い窓」の呼称巾114cm✕高70cm、巾60cm✕高50cm、巾160cm✕高70cmの三本が並んでいるということになります。
一番左の階段に付いている「巾114」については、先の通り実際は114.5cmということですね。😉
次に右側の縦の通りを見てみますと、「06009」と「上下」との表記ですので、巾60cm✕高90cmの型板ガラスの上げ下げ窓が付く予定!ということです。👌
平面図の窓記号②:某中堅建売メーカーの場合
さて、お次も中堅くらいと思われる、某住宅メーカーさんの平面図で窓記号(窓符号?)を見ていきます。
ここの平面図も比較的認識しやすいような気がします。👍
※図面としてどうか?という点は敢えて触れないでおきます。🤐
左端の窓形状が切れてしまいましたが・・・ 😩
メインテーマに当たる、窓記号(窓符号?)は切れていませんので、気にせずそのまま進めさせて頂きます。💦
例によって、一番左側から見ていきますが、一行目右欄に「内2000」、二行目左欄に「カタ」、三行目に「タテスベリ」、四行目にちょっと見にくいですが「06009」との表記があり、その他はここでは空欄です。🤨
前項の筆者の建売マイホームでの話でご理解頂けていれば、二行目から四行目はお分かりになられると思いますが、「カタ」は「型板ガラス」、「タテスベリ」は「縦すべり出し窓」、「06090」は「呼称巾60✕高90」であることを表しています。
これは三つとも同じ解釈で大丈夫です。👌
一点、前項で話題に上がらなかったのが、窓記号(窓符号?)中、一行目右欄の「内2000」の表記ですよね。
これについては、窓の内法高を表しています。☝
先ほど、呼称と「内法寸法」の話を少し書きましたが、この「内法寸法」の上の辺の床面からの高さを「内法高(うちのりだか)」と言いまして、この高さを示しているのが、一行目右欄の「内2000」になります。
これらのリンク先は、建築用語の「内法」について、詳述している記事になりますので、詳細までお知りになられたい方などは、必要に応じて、ご参照いただければと思います。
つまり、床から2000mm(2m)の高さに、窓のサッシ枠の上の辺が来るように取り付ける予定だ!という意味です。🙁
ちょっと画像から離れてきてしまいましたので、スマホでご覧になられている方のためにもう一度同じ画像を貼っておきます。👇
この、一行目右欄に着目して、右側の窓記号(窓符号?)も見てみますと、洗面所とお風呂は「内1800」になっていますので、取り付ける高さが一番左側の窓とは違う、ということを示しています。
一般的にお風呂はユニットバスが使われますが、この場合、天井高が低めになるため、内法2000ではサッシが納まりませんので、内法1800とか1700とか、やや低めに取り付けるのが一般的です。
洗面所については、この面は特にそうなのですが、洗濯機を置く関係で、窓の上に吊り戸棚などを設置することができるように・・・との配慮で、これも一般的に低めに取り付けられるモノです。
逆に、下がっていない計画になっている場合は、配慮が足りていない!ということになります。😅
窓記号(窓符号?)の内の空欄は何なんだろ🙄???と思いつつ、この👆平面図の概ねのご説明は済んだと思いますので、次の個所に移動します。💨
以下👇の抜粋箇所は、平面図中、リビングの南側です。
窓記号(窓符号?)としては、ひとつだけ。
一行目右欄の内法高の表記がなくなり🤨、五行目に「手動シャッター付」との記載が入りましたね。😙
ガラス欄と開閉形式欄については「透明」と「引違い」との記載ですので、そのままですが透明ガラスの手動シャッター付の引き違い窓が入るという意味合いになります。
内法高の表記はあった方が認識しやすいと思うのですが、寸法欄をみますと「16520」ですので、要は、高さ2000mm(2m)の掃き出しサッシということから、内法高は必然的に2000mmになるため記載しない・・・という社内ルールなのかもしれません。😓
念のため、もうちょっと読み進めてみましょう。🙂
お次👇は、2F平面図の中からの抜粋です。
相変わらず一行目の左欄、二行目の右欄は開いたまま・・・
五行目も抜けていますが、先の個所で「手動シャッター付」との記載があったことより、窓の付属部材を記入する欄であろうと思われますので、特にここは2Fですから、付属部材は何もないという解釈で問題ないはずです。☝
内法高欄は左が「内2200」で、右が「内2000」。
一般的には、一室内では左右の窓の高さはそろえるものですので、どうしてこんなにガタガタさせるのか?についてはよく分らないのですが、今回は窓記号(窓符号?)の話ですので、解釈としては問題なさそうですね。
以下👇、筆者の勝手な想像の域を出ないのですが、この建売メーカーさんの窓記号(窓符号?)の表記内容を整理してみました。
ここまでは、比較的分かりやすい例ですので、パッと見で何となくの認識はできるのですが、次項はちょっと(だいぶ?)難しいです。😞
平面図の窓記号③:某大手住宅メーカーの場合
住宅メーカーさんの場合、特にそうなのですが・・・
窓記号(窓符号?)含めて、表記の仕方にオリジナル性が強すぎて、前項までで見てきたようなパッと見だけでは、把握できません。🤨
どこに何が書かれているか?とサッシ寸法くらいは把握できるのですが、使われている略語自体が、各社のオリジナルになっている場合が多いので、その会社の関係者くらいしか分からないんですね・・・。😖
一般的に使われる、窓やドアに係る略語については、こちら👉「建築図面の略語解説(建具系1/2前半)」と「建築図面の略語解説(建具系2/2後半)」でご説明していますので、ここではオリジナルすぎてあんまり役には立たないのですが、必要に応じて、参考にして頂ければと思います。🤗
ちなみに、この👆図の一番右側の窓記号(窓符号?)の上に書かれている「RH=1850」については、前項でお話しした「内法高」みたいな数値です。
このメーカーさんは、木造でもいわゆる2X4工法のメーカーさんですので、2X4独自の表記になるのですが、ザックリですと「RH」で「取付高さ」的な意味合いです。
この「RH」については、解説記事をUPしましたので、こちら👉「その他の建具系略語:ROW、ROH、RH、Rh」のこの辺りを参考にしてください。
ただ、先ほどの内法高と違って、床面からの高さでなく、床下地合板からの高さだったりしますので、在来工法と比べると、ややニュアンスが違ってきます。😕
略語自体の解説ができると、もう少しキチンとお伝えできるのですが・・・ 😓
この窓記号(窓符号?)のどこに何が表記されているのか?という点のみをまとめますと、以下👇のような形になります。
少し前の話ですので、今は違う表記になっているかもしれませんが、この👆平面図にはこのような凡例が入っていましたので、さほど的外れな凡例ではないはずです。👌
でも、とにかく略語自体が分からないと何も解読できないんですよね・・・ 😥
例えば、この図に出てくる、「VAN」とか「SOW」、「VAH」とか「ISW」なんかは、正直なところ、我々の一般的な設計業界では一切出てこない略語ですので、ほぼ完全なオリジナルのはず。😩
でも、大手さんは大体こんな感じに、だいぶオリジナルな窓記号(窓符号?)になっているのが現実です。
筆者の知る限りですが、あと二件もこんな感じで、お伝えしづらい表記ですので。😅
窓記号や建具に関する略語などの関連情報
今回のテーマ「窓記号」に関連する情報で、当サイト内でご紹介している、その他の記事をご案内しておきます。
色々とあって、取っつきにくいかもしれませんので、必要な箇所だけでも、必要に応じて参考にしていただければと思います。😉
窓記号内の略語も含めた建築図面上の略語解説
一般的な略語については、差し当たって、平面図、立面~断面図、建具(窓やドア)関係について、筆者の知りうる限りにはなるのですが、以下👇の四連載で解説していますので、必要に応じてご参照ください。
- 第一弾:建築図面の略語解説(平面図系)
- 第二弾:立面・断面図系の略語解説
- 第三弾:建具記号関連の略語解説1/2
- 第四弾:建具記号関連の略語解説2/2
- まとめ:略語解説アルファベット順
四連載で解説しまして、最後に作成したのが、この👆五番目の「まとめ」です。
全ての略語をアルファベット順で探せるように整理していますので、窓記号内に不明な略語がある場合など、ぜひご活用いただければと思います。🤗
※前掲の特殊なオリジナル略語は掲載していません。☝
窓記号で示される具体的な窓ごとの解説シリーズ
窓の図面表記の仕方と、窓自体の解説をしている「窓解説と図面表記シリーズ」という10連載が以下👇になります。
※まとめ記事を入れて11連載予定です。
- 窓解説 第1弾:引き違い窓 編
- 窓解説 第2弾:上げ下げ窓 編
- 窓解説 第3弾:横滑り出し窓 編
- 窓解説 第4弾:縦滑り出し窓 編
- 窓解説 第5弾:片引き窓 編
- 窓解説 第6弾:嵌め殺し窓 編
- 窓解説 第7弾:ルーバー窓 編
- 窓解説 第8弾:内倒し窓 編
- 窓解説 第9弾:外倒し窓 編
- 窓解説 第10弾:オーニング 編
- まとめ:窓種類と図面表記まとめ
- 他1:引き違い窓のサイズの見方
- 他2:住宅平面図の窓記号の読み方👈今回
- 他3:外倒し窓の開閉の仕方✕4選
- 他4:上げ下げ窓の下障子の倒し方
※UPできましたら、ここ👆にリンクを貼っていきます。
まだ途中なのですが、窓記号での判定が難しい場合など、図面内の窓の絵柄を見つつ、総合的にある程度の理解ができるように・・という意図もあって作成しているシリーズですので、
今回の窓記号解説だけでは足りない場合は、必要に応じて、ご覧になってみて頂けると幸いです。👌
その他の「窓記号」関連記事
その他、この窓記号のお話に参考になりそうな記事は、今のところ以下👇の二つです。
細かい話ではあるのですが、意外と便利な豆知識😘になるはずですので、ぜひ参考にしてください。🙌
今日のまとめ
本日は、建築図面というよりは住宅図面の平面図でよく見かける、窓記号といいますか、窓符号の読み方について、具体的な図面を元に解説して参りました。😐
住宅メーカーさんのモノについては、特に略語の部分が、とにかくオリジナル色の濃い表記になっていますので、略語自体が何を表すものなのか・・・把握しないことには、残念ながら、そのままのパッと見での解読は難しいかと思います。
ご自身で頼まれている住宅メーカーさんが上げてきている平面図の場合は・・・
もちろんメーカーさん側から、読み方についての説明はあるはずですので、その内容と、ここでご説明してきた内容を掛け合わせていただければ、解読することは、さほど難しくはないはずです。👌
逆に略語に関する説明がない場合、一般的な内容でないことはお約束できますので、説明を求められた方がいいです。
基本的で一般的な読み方については、概ねご説明したつもりですが、特にオリジナルな略語について、お分かりになられない場合、ぜんぜん恥ずかしがる話ではありませんので、臆することなく、設計担当か営業さんにご確認いただくのが、もっとも手っ取り早いはずです。👌
最後に、本文内でもご案内したので念のためなのですが・・・
平面図自体の見方(読み方)については、ザックリで恐縮なのですが、筆者の建売マイホームの住宅平面図を元に、こちら👉「図面の見方01」で解説してありますので、必要に応じて、参考にしていただければと思います。👍
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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