今日は、窓解説と図面表記シリーズの第6弾としまして、「嵌め殺し窓」をテーマにお話しさせて頂きます。🙂
変な話ですが、実は筆者は建築歴が長すぎて、どこまでが一般用語なのか/専門用語なのかが怪しくなっているタイプなので、どう書けば皆さんに伝わりやすいのか、よく分からないのですが・・・ 😓
平仮名で「はめ殺し窓」や、カタカナで「ハメ殺し窓」、もしくは「FIX窓」とも表現される窓で、開放することができないタイプの嵌め殺しの固定された窓を「嵌め殺し窓」と呼びます。
今回は、この「嵌め殺し窓(FIX窓)」について、基本事項の解説としまして、読み方、英語表記(英訳)、種類と形状、使い方などをご説明しつつ、後半では、嵌め殺し窓の図面の書き方(図面表記)をご紹介する流れで進めていきます。
新築や窓リフォーム時など、窓をお選びになる際のお役に立てれば幸いでございます。😌
窓解説と図面表記シリーズ目次
現状ですでにUPしてある記事と、今後予定している窓解説と図面表記シリーズの目次を以下👇に整理させていただきます。
- 窓解説 第1弾:引き違い窓 編
- 窓解説 第2弾:上げ下げ窓 編
- 窓解説 第3弾:横滑り出し窓 編
- 窓解説 第4弾:縦滑り出し窓 編
- 窓解説 第5弾:片開き窓 編
- 窓解説 第6弾:嵌め殺し窓 編 👈今回
- 窓解説 第7弾:ルーバー窓 編
- 窓解説 第8弾:内倒し窓 編
- 窓解説 第9弾:外倒し窓 編
- 窓解説 第10弾:オーニング 編
- まとめ:窓種類と図面表記まとめ
- 他1:引き違い窓のサイズの見方
- 他2:住宅平面図の窓記号の読み方
- 他3:外倒し窓の開閉の仕方✕4選
- 他4:上げ下げ窓の下障子の倒し方
※UPでき次第、ここ👆にリンクを貼っていきます。
基本的な窓は一通り整理できるはずですが、それぞれのご紹介ですと、実際に窓を選定しようとしている時や、建築図面を解読しようとする時は、バラバラだとちょっと使いづらいと思います。😕
ですので、これらとは別に、「窓の種類と図面表記まとめ」としまして、一覧表的に全体を見通せるような記事も準備はしています。👌
※この👆⑪がこのまとめ記事になる予定です。
・・・が、当サイトは本業の合間を縫っての更新になりますし、まだ4つほどまとめなければならない窓が残っていますので、少し先になってしまうと思われます。
大変恐縮なのですが、決して期待はされることなく、気長にお待ちいただけると有難く思います。🙏
では、前置きが長くなってもいけませんので、具体的な解説をスタートしましょう💨
嵌め殺し窓(FIX窓)とは?
まず、嵌め殺し窓とは?という根本的な定義の部分の確認からです。😐
冒頭で軽く触れてしまいましたが、嵌め殺し窓とは?、開放できる部分を持たない固定された、文字通り・・・嵌め殺しの窓を指します。 ☝
窓は通常の場合、採光や換気、緊急時の避難、眺望などのために、建物の外壁に取り付けられる開口部ですので、開放される部分も持つ場合が多い訳ですが・・・
換気や避難を要しない部分、もしくは他の窓でこの二点が満たせていれば、あとは採光と眺望の機能だけがあれば用が足りることになるため、そんな部分に使われる窓、ということですね。🤔
この👆写真だと、ちょっと変則的な部分の使用されている嵌め殺し窓ですが、一般的なフツーの部分👇でも使われます。
ここ👆の3つの窓が並んでいる部分は、おそらく階段室とかだと思うのですが、おそらく3つとも開閉できなくても十分!との判断で、中央だけ嵌め殺し窓(FIX窓)にしているものと思われます。
嵌め殺し窓(FIX窓)の読み方
次に「嵌め殺し窓」の読み方です。☝
表記のされ方としては、これも冒頭で触れました通り、平仮名で「はめ殺し窓」や、カタカナで「ハメ殺し窓」がありますが、どれも同じ読み方で「はめころしまど」となります。
また、この嵌め殺し窓は「FIX窓」や、単に「FIX」と表記される場合もあります。
念のためですが、この場合は、それぞれ「ふぃっくすまど」、 「ふぃっくす」と読まれますよね。😉
お分かりかとは思いますが、全て同じ「嵌め殺し窓」を指している表記と読み方です。☝
嵌め殺し窓(FIX窓)の英訳 (英語表記)
お次は、「嵌め殺し窓(FIX窓)」の英語表記(英訳)の確認コーナーです。🙋
この英訳コーナーは縺れる(もつれる)ことが多く💧て、毎回だいぶ消耗しながら書いているのですが、今回の「嵌め殺し窓(FIX窓)」に関しては、カンタンに結論が導き出せて良かったです。😁
「嵌め殺し窓」の英訳(英語表記)は、「Picture window」と「Fixed window」が正解です。☝
いつもお世話になっているGoogle翻訳さんで「嵌め殺し窓」を翻訳すると、「Fitted window」と出ます🤨ので、そんな英訳もあるのかもしれませんが、今回はGoogle翻訳さんの英訳は無視して・・・
先の「Picture window」と「Fixed window」とさせて頂きます。😌
ちなみに、これもいつもお世話になっている、Andersenさんでの嵌め殺し窓の英語表記は「Picture window」となっておりましたので、実務レベルでも通用するはずです。👍
嵌め殺し窓(FIX窓)の種類と形状
では、珍しくあっさりと・・・
お次の「嵌め殺し窓(FIX窓)」の種類と形状の解説に入らせて頂きます。👊
種類としては・・・
とにかく嵌った(ハマった)まま固定されているのが、この嵌め殺し窓(FIX窓)ですので、開閉形式もなければ、ハンドルもなければ、丁番やヒンジもありません。😓
要は、特に種類は分かれておりませんで、強いて言えば、形状的にフツーの四角形の他に、台形窓や丸窓とか三角窓とかがあるくらいでしょうかね。🙄
既製品として、存在するのはYKKapさんのいつものフレミングJで見た場合、フツーの四角形と台形が存在しますので、この2パターンを順にご紹介しようと思います。🤗
嵌め殺し窓(FIX窓)の種類1:四角形
まずは、嵌め殺し窓(FIX窓)の種類1としまして、普通の四角形のFIX窓の外観形状を、YKKapさん製品からご紹介します。
写真は使い廻しのようですので正確ではないのですが💧、サイズ的には06009の商品リンク写真👇です。
・・・😑
嵌め殺し窓(FIX窓)ですので、開閉形式もありませんし、残念ながら、特に解説する内容がないですね・・・ 😅
ちなみに、サイズの「06009」の見方としては、内法寸法で巾60センチ×高90センチという意味です。☝
これも繰り返しになるのですが、この手の寸法表記の見方詳細につきましては、こちら👉「図面の見方01」のこの辺りで解説していますので、まだ把握できてない方がいらっしゃいましたら、ご覧になってみてください。👌
実際の使用例としましては、寸法は違うのですが、先ほど掲載した写真の嵌め殺し窓(FIX窓)が、既製品のFIX窓です。
左右にあるのは、縦滑り出し窓でして、中央のFIX窓の方がガラス面がやや広いことがお分かりいただけると思いますが、開閉する障子がない分、ガラス面は少し大きくできるのが、この嵌め殺し窓(FIX窓)の特徴とは言えます。😉
嵌め殺し窓(FIX窓)の種類2:台形
お次は、嵌め殺し窓(FIX窓)の種類2としまして、同じくYKKapさん製品から、台形の嵌め殺し窓(FIX窓)の外観形状👇です。
前掲の四角形を台形に下だけ・・という感じですね。😑
寸法的には06911という寸法になるのですが、通常は、この写真で言うと右側の高い方の高さが、内法で1100mm(110センチ)という意味合いになります。
寸法表記の見方詳細については、先の通りこちら👉「図面の見方01」のこの辺りで解説していますので、参考にしてください。
ここでの台形の場合など、変則パターンの時の考え方については、解説できていないのですが・・・ 😓
また、5寸勾配用となっていますので、取り付ける部分の屋根勾配と合った勾配を選ぶようにしないと、取り付けると変な感じになってしまいますので、注文の際はちょっと注意が必要です。☝
ちなみに、2021年版の現行のYKKapさんのフレミングJカタログを見ますと、「5寸勾配」と「6寸勾配」用しか取扱いがないようなニュアンスですが、おそらく一般的な勾配、例えば「4寸勾配」などは、メーカーさんの方でイージーオーダーで対応するような体制になっているはずですので、サッシ屋さんに聞いてみるといいかもしれませんね。
ネット通販で購入する場合は、イージーオーダーは、ちょっと難しいかもしれません。😕
この台形嵌め殺し窓(FIX窓)の実際の使用例は、あんまりいい写真がなかったのですが、あくまでも既製品ということでしたら、以下👇のようなイメージになります。
通常の窓の上に付いていますので、おそらく2Fに吹抜けのリビングか何か、大きめのお部屋があって、勾配天井で仕上げられているようなお宅のような気がしますね。🙂
台形FIXはこのような形で使われるのが一般的です。
もう一つ☝、既製品の使用例ではないのですが、使用箇所の例としてお出ししますと、以下👇の公衆便所は、台形の嵌め殺し窓(FIX窓)をとても上手に設置できている印象です。
周囲の環境にも拠るのですが、2F建て位まででしたら、窓は高い位置であればあるほど、室内を明るくすることができますので、使い方としてはこのようなイメージでお考えいただければ大丈夫です。👌
嵌め殺し窓の書き方:図面表記
図面の表記としては、立面的には、四角形の窓なのか/丸窓なのか/三角窓なのか・・・などの違いを表現することになる訳ですが、基本的に平面的には違いが出てきません。
以下、一般的な四角形の場合になるのですが・・・
嵌め殺し窓(FIX窓)の書き方(図面表記)例を、立面図/平面図の順でご紹介します。😐
嵌め殺し窓の書き方1 :立面図での図面表記
例によって、一間巾(≒1820mm)ほどの柱間に、二つの嵌め殺し窓(FIX窓)を設置するとして、立面図的なイメージで描いてみました。
寸法的には06007ほどの大きさ。
立面図での書き方(図面表記)になりますので、外観形状を表していることになります。☝
丸窓の嵌め殺し窓(FIX窓)であれば丸い形状、三角窓であれば三角の形状をこの立面図で表現します。
また、嵌め殺し窓(FIX窓)は開閉がありませんので、開閉方向などを示す矢印や斜線は入れず・・
代わりに嵌め殺し窓である旨を念押しする意味で、筆者は必ず「FIX」と記載するようにしています。
※これは他の設計者さん達も似たような書き方をしている場合が多いです。
お客さんから、普通に開く窓だろう・・・🤔、などと勘違いされることを防ぐためです。
そんなことになったら、大騒ぎ😱💦になってしまいますので。😬
嵌め殺し窓の書き方2 :平面図での図面表記
次に、平面図上での嵌め殺し窓(FIX窓)の書き方(図面表記)例です。☝
当シリーズ共通のレイアウトなのですが、上段が詳細図などで使われる1/50ほど、下段が1/100ほどの図面での表記になりますので、2パターンの書き方(図面表記)例👇となっています。🙂
しつこいようですが、嵌め殺し窓(FIX窓)は固定されていて開閉できませんので、開閉の軌跡などは表現しません。
なお、丸窓や三角窓の場合であっても平面的には、四角形の嵌め殺し窓(FIX窓)と同じシルエットになってしまうため、
表現を区別する場合は、このサッシ👆の絵の脇辺りに文字で「丸」や「三角」などと記入するか、以下👇のような窓記号というか窓符号で表現するしかありません。😑
この👆ような窓記号(窓符号)については、解読の仕方をこちら👉「住宅平面図の窓記号の読み方」で解説していますので、読み方が分からず困っている方がいらっしゃいましたら、参考にして頂ければと思います。🤗
また、話のニュアンスは逸れるのですが、特に上段の1/50ほどのスケールの場合、最近はサッシメーカーさんでCADデータを提供してくれることから・・・
アルミ形材の細部まで表現されているような、(超)細かいサッシの絵を描く人がいますが、図面として見ると、線が潰れてしまって判別が付かなくなりますし、データが重くなるだけですので、図面での書き方としては、簡略化した絵で表現する方がベターです。😅
最後は、嵌め殺し窓(FIX窓)から逸れてしまいましたが、以上、嵌め殺し窓の図面での書き方(図面表記)の解説でした。😌
今日のまとめ
今日は、窓解説シリーズ第六弾としまして、比較的ポピュラーと思われる、「FIX窓」などとも呼ばれる嵌め殺し窓とはどんな窓なんだ?というテーマで、その種類や形状を含めた基本事項や、図面上での書き方(図面表記)をご説明して参りました。🙂
いかがでしたでしょうか・・・ 😳
個人的には開放的な空間が好みですので、嵌め殺し窓(FIX窓)はほぼ使わないのですが、採光だけが必要な箇所や、眺望が楽しめるお宅などでは、意外と採用されることが多いのが、この嵌め殺し窓(FIX窓)です。🤔
英訳のパートでお話しした「Picture Window」は、風景を切り取って鑑賞を楽しむ窓のような意味合いから来ている先進国ならではのネーミングです。
日本国内では、切り取って鑑賞できるほどの眺望が得られるお宅は、現実的はだいぶ少ないんですけどね。😅
ちなみに、途中で書き忘れてしまいました💦が、台形FIXの使い方のパートで、高ければ高いほど明るい!とお話ししまして、これに関しては紛いのない事実なのですが、
南側に設置する場合で、高い位置となる場合、同時に熱気が集まりやすくなりますので、夏場のエアコンの効きが悪くなります。😱
※カーテンやブラインドを併設すれば多少違うのですが。
また、周知の通り、熱気は高い空間に上っていきますので、特に南面への設置の時は、本当は開放できる形式の方が、間違いありません。😬
溜まった熱気が抜けないと、どんどん溜まってしまって、そのうち生活レベルまで降りてきてしまうという意味です。😰
通常の設計者であれば、高い位置でFIX窓を使う場合、何かしらの換気設備を併設するはずですが、
忘れているようであれば、やや強力なヤツを追加してもらった方が賢明です。👍
あと、FIX窓とは話が逸れるのですが、高い天井の部屋の場合、冬場は寒くなりますので、床暖房などの措置があった方がベターです。☝
熱気が上に際限なく上っていってしまい、部屋の低い部分(生活レベル)が温まるのに時間が掛かるため。🙂
周知の通りかも知れませんが、念のため補足しておきます。😌
本日も最後までお読みいただき、どうも有難うございました。🙏
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